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死闘続発★ホモら共存編
契約完了!
しおりを挟む「そうと決まればさっそく契約だ! 額を出せ!」
にかっと笑って、セキが自分の前髪を片手で掻き上げ、俺にも同じようにしろとジェスチャーで伝えてきた。契約に必要な動作っぽいので、特に何も考えず俺も前髪を掻き上げてセキを見上げる。
すると、ぐいっとセキが近付いてきて…こつんっ。おでこをくっつけてきた。
突然のぬくもりや、目の前のセキの男らしい微笑みとか、背筋が凍りそうな視線を向けてくるガレ、さっきより怨みがこもってる舌打ちをするロイなどなど…、気まずい空気が流れたんだけど、当の俺はどっきんどっきん★って感じでそれどころじゃなかった。
『個体名:セキ が従魔契約を申し込んできました。承認しますか?』
「へっ!? は、はい!!」
頭の中で響いた声に、俺は反射的に応えた。本当はここら一帯に響いた声なんじゃないかって思ったけど、ミゲルさんが不思議そうなお顔をしてたので、多分聞こえたのは俺だけなんだろう。
ゼロアの通知じゃない。もっと若い…、少年のような声。
『──……個体名:阿山康治郎 と個体名:セキ の従魔契約をここに締結します』
「…! 今のが…」
契約完了。はーい序列91位の古龍さんが、へっぽこ転移者の従魔になりましたよー。マジ人間万事塞翁が馬ー。
契約の証拠に、また少年の声が頭ん中に響いた、けど…今回の声はセキにも聞こえたようだ。
「……聞こえたな?」
「ああ…。噂通りだった…」
俺との契約が済んで、セキとセイが言葉を交わす。…噂とは?
「あ、コージは知らないんだな…。…ある程度の力を持つ者同士が従魔契約を結ぶ時、リーフ様…、天使族始祖であり、現在世界序列3位のお方が証人者として立ち会ってくれるんだ」
「……ゑ?」
「無論、その場に現れる訳ではなく、天界からこちらの様子を見ながら、だが」
セキの説明にセイが補填してくれるが、俺の『絶対防御』を破れる奴が、俺の存在を認識したって事実に俺はガクブルだった。
「……とりあえず、俺らとも契約してもらっていいー?」
「えっ、やだ」
「えっ」「はっ」
咄嗟に出た俺の言葉に、オウとセイが鳩が豆鉄砲を食らったような顔になった。セキも目が点で、ガレはぶふっと噴き出した。ガレあとで体育館裏な。
「な、なんでぇ…?」
「天使族始祖とかに目を付けられたくない。それなりの冒険はしたいけど、死亡率ぐんって上がるやつは流石に…。序列入り1体と契約ってだけでもヤバそうなのに、追加で2体も契約したら『テメェ最近ちょーし乗ってんなぁいい加減にしろやコラァ』ってなる無理死ぬ」
「どこで覚えたんだそんな偏見…」
AKB47出演の『まじです学園』ですが? あれ、今は卒業しちゃった人達も出てるし、元祖ってメンバーばかり出てるから結構好きなんだよなー。あっちゃん可愛い。
「…他の序列入りは分からんが、上位3名が個人的な興味で姿を現すなど、ほとんど無いだろう」
「……ほんと?」
「あ、ああ…」
なんだか怪しい……けど…。……よし、常識古龍、セイえもんのお言葉を信じましょう! でも、そういう事は早めに言ってほしかったなぁ…。
「……分かった。契約、する…」
と、俺が言った途端、セイとオウが深く息を吐いた。
「良かったぁ~…。ここで断られてたら、セキに八つ当たりしてコージにストーカーしちゃうところだったよー…」
「うむ。我も勢い余って帝国に乗り込むところだった」
ぅえ~~~~~~!? 何それ恐すぎるんですけどぉ! 今の、結構大事な局面だったんじゃねぇ!?
「じゃ、コージの気が変わらないうちに、はーいおでここっつん★」
「こっつん★」
……はっ! なんか、オウに上手く乗せられた気がする…。
********************
「うーん、3回聞いても少年の声にしか聞こえん…」
「実際に少年なんじゃねェ? 見た事ある奴なんて、ほとんどいねェだろうし」
セキ、セイ、オウとの契約が終わって、『もういいだろ』って俺を抱き寄せたガレが、俺の頭に顎を乗せて反応した。身長差ェ…。
「……始祖なのに、少年?」
「ほら…序列入りって何でもありだろ。そいつらも見た目はかなりサバ読んでるだろうし…」
「あー…、セキ今何歳?」
「…17308歳だ」
「………おじいちゃん…」
「否定は出来んがその呼び方やめてくれ!!」
傷付いたような表情で耳を塞ぐセキだけど、マジですげぇ…、俺の約千倍生きてる…。もっとちゃんと敬わなきゃ…。
「………おい、もう言って良いだろう…」
「さ、流石にまだ早いんじゃねー…?」
「騙しているようで気分が悪い…」
おやおや? そこでコソコソ何か言い合ってるセイとオウ…、聞こえてますよぉ~? 騙すって? 俺に何を隠しているのかなー?
…あ、そうだ、丁度良いし、試験的に命令してみるか。
「そうだなー…、オウ」
「ん? どしたのー?」
『やましい事は何も知らないよー』って様子で俺の呼び掛けに応えるオウだが、俺には効かないのだ! ふはははは!! その本性さらけ出せェい!!
「俺に隠してる事を全部話しなさい」
「うそぉっ!!?」
「ほんとです。ほら、はやく!」
セキもセイもオウもぎょっとしたけど、俺はそんなのお構い無し!! さぁ洗いざらい話して貰おうかぁ!!
「ぐぎぎ…!! じょ、序列入りの契約が行われた場合に限り…、他の序列入りにも契約締結の声が聞こえるぅ…!!」
「…はゐ?」
「つまり俺達の契約は、全序列入りに知らされた…!!」
…………………………………………………………………………………。
「契約の解除ってどうやんの?」
「待ってごめんごめんごめん!!!!」
「解除だけは勘弁してくれ!!!」
「ねぇガレー、教えてー」
「通常は互いの合意が無いと成立しないが、相手が同意しなかった場合は…」
「そこのヒト教えんじゃねェ!!」
ドゴォッ
「ふはははは俺はコージの加護によって護られている!!! お前らに俺を傷付ける事は出来ん!!」
「クッソォォォォォォォォォ!!」
「ごめんなさい!!! 許してコージ!!」
「ねぇーガレ~」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
********************
「……国王様。お耳に入れたい事が」
「どうした、我らが騎士団長よ」
「…はい、世界序列91位、92位、93位の古龍達が、1人の人間と従魔契約を結んだようです…」
「…事実か」
「はい。天使族始祖の契約締結の声が聞こえました」
「…………契約した者の名は」
「……阿山康治郎」
「阿山康治郎…? ………セバス、レオナルドが個人的に調べていた者の名は何だったか?」
「はい、コージ・アヤマで御座います」
「聖騎士の兵舎から『死神の吐息』に連れ去られた少年は?」
「コージ、と呼ばれておりました」
「……ふむ……まさかな…。……すぐに阿山康治郎について調べよ。ただし、絶対に悟られるな」
「「御意」」
********************
「人化は解くなよ。無駄に刺激すんなよ。威嚇もすんなよ。ルークさんに挑発されても抑えろよ」
「はい…」
契約解除、見逃しました。だって、ガレ、ロイVSセキセイオウ戦が始まっちゃいそうだったんだもん。
んで、セイとオウは王都へ王と面会しに。セキは俺と一緒にギルドに向かう事になった。
あと半日くらいで到着するけど、そろそろ日が暮れそうだから、どこかで野宿しなきゃな。
「では、ここらで1度お別れだ。セキ、コージに手を出すなよ」
「保証しかねる」
「早く帰ってくるからねコージ! 男はみんな狼なんだから、気を付けてね!!」
「それ言ったら俺も狼なんだが?」
そんな俺の文句は聞き入られる事はなく、セイとオウは名残惜しそうに人化を解き、巨体をバッサバッサと揺らしながら王都へ飛び立って行った。
「今日はそこの森で野宿だな。飯は…、お前ら何か狩ってこい」
「「は、はい!」」
ガレの命令に、部下の皆さん達がタッタッタッと遠くの森に走って行く。結構歩いたし、セキ達の存在から獣魔が逃げてるって事はないだろう。多分。
狐さんも狐姿のまま、ふらふらよろよろで森に向かう。ちょっと危なげで見てるこっちが心配なので、ひょいって抱き上げた。
「こ、コージさん…?」
「狐さんは俺ともふもふしてましょーねぇ~」
「きゅ、きゅぅ……///」
わぁぁ尻尾ふりふりしてる!!
もふーーん!! らびゅーーーーんっ!! あいらびゅーーーーーん!!!
********************
はぁい(* ̄∇ ̄)ノ
メルです。
ちょっと聞いてくださいよ!!
前にTwitterにイメージ画をぽんって出したの、覚えていますか?
今日…、ファンの方から清書してもらったんです!!!
やばかったです超可愛かったですイメージと同じ感じでした。同じ画像を私のアカウントでうpしてますので、ぜひ!ぜひご覧ください!!!
惠理ん儀様、本当にありがとうございました!!!
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