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死闘続発★ホモら共存編

世界序列とか言う恐ろしいランキング

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「コージ、終わったぜ。行こう……って…、その狐…、コナーか? 何でとろけてんだよ…」

「きゅ~~ん…///」

「天国を見た…。……はっ! ガレ!? もう終わったのか?」

「お、おう…」

なんだかちょっと引き気味のガレ。でも、天国を味わった俺はへっちゃらさ!

「狐さん、行きましょう! あ、そのままでお願いしますね!」

「きゅっ、まだやるんですか!? こっ、これ以上は俺、死んじゃいますぅ…///」

力無く抵抗する、中型犬サイズになった狐さん。が、俺はそんな事お構い無しに狐さんを持ち上げ、抱っこしたまま歩く。もふもふも忘れずに。

「………」

「こらガレ。嫉妬すんな!」

俺に言われて渋々、狐さんから睨み目を離したガレ。
これで狐さんも安心…、かと思ったら、いきなりガレが振り返って…。

「……Bow!!」

「ひっ!?」

「ガレッ!!」

狐さんを脅かしやがった!
毛がぶわぁってなっちゃって…。可哀想に、よしよし。
狐さんを優しく撫でると、俺の腹に顔を押し付けてぷるぷるぷる。なにコレ超可愛い。もふもふの理性が切れそう。気の済むまでもふっちゃいそう。

「…あれ……? 血…?」

ロイ達がいるところに狐さんを抱いて戻って来たら、DQNカップルはいなくなっていて、代わりに小さな血痕が残っていた。

「ああ、怪我だけ負わせて逃がした」

ほっ、そっか。殺し合いがあったとかじゃなくて、良かった。まぁ、殺人事件があったとしても、この血量じゃ少な過ぎるか。
…ん? ロイの顔色…。

「ロイ、体調悪いのか? 顔が青いけど…」

「……大丈夫。………さっきの女が、いきなりストリップショーを始めようとして……。うぅ、嫌なもん見た…」

「えっ何それ俺も見たかった!」

反射的に、そう応えてしまった。だから、俺は悪くない。女の人がストリップショーをやろうとして、健全な青少年が反応するのは、普通の事だ。だから俺は悪くない。

「俺で良ければここで今からストリップやるが?」

「嘘です!! ごめんなさいっ!!」

なのになんで俺が謝んなきゃいけないんだよ…。




********************



「ここら辺から危険地帯だ。結界は?」

「バッチリだぜ!」

はい、到着しましたナトリ領! 今から古龍達に会います!!
メンバーは最初と変わらず、俺、ロイ、ガレ、狐さん、ミゲルさん、その他ガレの部下が5人だ。
DQNカップルの一件で会った『死神の吐息』の団員さん達は、ガレにペコッペコ頭を下げながらお別れ。ガレと、俺の顔をしっかりと覚えようとガン見していた。ガレが、俺の事を嫁とかなんとか吹き込んだらしい。
もう慣れたけど、止めてほしいな。もし、万が一、ルークさんやリイサスさんにバレれば…。うぅっ、鳥肌立つ…。
狐さんは、ナトリ領に入る辺りで俺の腕から脱け出し、ミゲルさんの後ろに逃げちゃった。
『これ以上コージさんにもふられると、人としての理性が無くなっちゃう』んだって! もふテクを褒められるのは嬉しいけど…欲を言えばもっともふもふしたかったな…。

「…!! 巨大な魔力が急接近しています!」

ガレの部下の1人…、『魔力感知』のスキルを持っている団員さんが、強ばった声で警告してくれた。
一気に緊張が走り、俺は4度くらい、上手く結界が張れているか確認。
……うん、大丈夫大丈夫。ゼロア直々にチート貰った俺だもん。死なない死なない。誰も彼もが無事に終わるはずだ。そうじゃなけりゃ、俺は泣く。




──…ゴウッって、風が…、目を開けていられないくらいの暴風が、辺りに吹き荒れた。
ガレとロイが俺の前に立って、俺を風から守ってくれて、ようやくちょっと目を開けられる程度の激しい暴風。日本にこんな風が吹いたなら、絶対ニュースキャスターが『過去最大の…』とか言うレベルの。
また一段と強い風がびゅーんって吹いて、身体が浮いた気がした。ゾッとしながら腕で顔を覆って、前を向くと……。


でっかいドラゴンがちょこんって座ってた。


……うん、俺も思うよ。でっかいくせにちょこんって表現、おかしいよな。
でも、マジでそんな感じなんだよ。青い鱗で覆われた後ろ足と尻尾で器用に座って…、何というか…、が低い?
こういう時って、『貴様ら、何用だ!』みたいに威圧的に言われるのがセオリーだと思ってて、覚悟もしてたんだけど…。なんだろう。恐くない。

暴風が止み、他の人達も目を開けて、それぞれが絶句。そして、すぐに違和感に気付いたような顔になった。


「……………」

「……………」


目が合ってる気がする…。目が合ってる気がする…!! つぶらな瞳で分かりにくいけど目が合ってるよコレ絶対!!
………うぐ…、…でも、このまま黙ってても…、進まない。この古龍も動く様子がないし、仕方無い。俺が話し掛けるしか…。

「………あの」

【我ら古龍に『偽装』は効かん】

ドスの効いた声で、古龍が呟いた。どうやら知能があるらしい。
……あれ? …てか、さっそく『偽装』を見破られた?

【古龍族と天使族には『偽装看破』と言う種族スキルが備わっておる故に、少年。君の正体は見破っている】

「………マジ?」

【まじだ】

動揺して、古龍相手にスラングを使ってしまった。でも、怒ってない。逆にノってきた。
多分、鱗が青いから青古龍だと思うけど…、長寿の余裕か、それとも敵対心が無いのか…。
ドラゴンによくある拒絶感とかが全く無い。むしろ、こっちに興味に持ってるみたいで、近付きたそうにうずうずしてる。でもガレとロイが、俺の前に立っていて、こっちが警戒しているから無闇に近付けない…、って感じかな。

「えーっと…、コージ・アヤマです。冒険者やってます」

【我は古龍族のセイだ。世界序列の92位であり、青古龍の代表でもある。歓迎するぞ。コージ・アヤマと、ヒトの子達よ】



このセイの言葉に、狐さんがぶっ倒れた。






********************


皆さんは、世界序列というものをご存知だろうか。…うんまぁ、読んで字の如くなんだけど…。

体力、魔力、知力、戦闘力、スキル、運、などなど……。この世界に生きる全ての生き物の色んな要素を、どこかの神聖存在が勝手に計算して、勝手に上位100までを叩き出す。それが、世界序列。
簡単に言うなら、全生物をバトルロワイヤル方式で闘わせた時に、最後まで残る100番目までの奴らの総称だ。

だから、例えば世界序列92位の生き物は、この世界で92番目に強いって事で…。
当然、国1つくらいなら、簡単に滅ぼせる程の力を持っている。
鑑定してみたけど、ガチの序列入りだった。レベルが800ちょいだった。スキルが50個くらいあって、4属性だった。
本能で怯えて倒れた狐さんの気持ちも良く分かるな……うん…。

当然、序列入りのほぼ全員が、特地獄級のレベル。……あ、特地獄級って覚えてるか? レベルが500から1000の奴らの事な。
で、そんなすっごい序列の中に、人間が1人だけ、入ってる。
確かこの国の王国騎士団長さんで、世界序列100位らしい。同じ人間として、誇らしいよな!
ただ…、討伐に来た兵士が壊滅したのも納得だ。序列入りを相手に、普通の人間が何千万と束になったって勝てる訳がない。

そんな強ーいセイと俺達は一先ず近くの岩に腰掛けて、お話をしてみた。
敬語は要らないんだって。ほんと、ドラゴンらしくないよな…。


【ほほう。赤古龍に用があるのか。……そのスキルが関係しているようだな】

「ここにいる?」

【あぁ、いるとも。今こちらに向かって来ているようだ。………待て。いや……、黄古龍も来ているな…】

来るって! 来るって赤古龍と黄古龍!! 人化を解いた狐さん、ただでさえ俺の膝の上で残像見えるくらいぷるっぷるに震えてるってのに、あと2体来たらひっくり返っちゃうんじゃない? 大丈夫? もふもふは止めねェけど。

「…質問がある」

【なんだ、ヒトの子】

今までずっと様子見だったガレが、セイに話し掛けた。怯える様子が全く無いところ…、流石だぜガレ!

「今、あんたと赤古龍と黄古龍が全力で攻撃して、コージに傷を付けられるか?」

ガレの質問にロイもぴくりと反応した。左右両隣にガレとロイがいるので、安心感はある。けれど、序列入りが『絶対防御』を壊せるのか、それには興味があった。

【……ふむ…。……我らでは無理だろうな。その結界を破れる者は、我の知っている限りでは1人しかいない】

「え…。…破れる奴がいんの…?」

衝撃の事実。絶対に破れないから『絶対防御』だと思ってたのに、なんだか裏切られた気分だ。

【魔王だ】

「……!!」

出ました魔王様っ!! でもそんな気はしてたよ!! 最強と言ったら魔王だもんな!! よっ、魔の王!!

【魔王以外であれば…、序列の上位3名辺りであれば、もしかすると…】

序列の上位3名…。
俺も、世界序列の全員の名前と種族を覚えている訳じゃあないが、上位3名は覚えていた。



1位、悪魔族始祖。

2位、精霊王。

3位、天使族始祖。



これが、この世界で最も強い3名である。
…そう…、カイルの部屋で読んだ、『聖書Ⅰ』に出てたな。
世界の均衡を保っていたこの3種族の代表が、今、この世界の管理者になっている。
魔王よりも強く、人間よりも賢く、世界を悠々と眺めて、大規模な戦争が起こりそうになった時だけ、間に割って入り、一部の種族が爆増したら責任を持って間引く、全ての生き物の畏怖の対象。それが彼らだ。
俺の『絶対防御』を破る事が出来るんなら、会いたくはない。だって、怖い。

ゴウッ

ちょっとだけ、不安思考に支配されそうになってた時、最初にここに来た時と同じような風が吹き荒れた。
お目当ての古龍が到着したらしいが、風が強くて目が開けられず、姿も確認出来ない。
そして、そんな暴風の中、愉快そうな笑い声が響き…。

【フハハハハハハ!! 俺に何か用か、ヒト達よ!! 俺は世界序列91位のセキ様だぞ!!】

【そんな偉そうにしてたら、ヒト達も呆れるよー? せっかくちょっとスゴいのに…、台無しじゃん。あ、俺は序列93位のオウだよー】


反射的に、狐さんの耳に『音遮断結界』を張った。




********************


はぁい(* ̄∇ ̄)ノ
メルです。


最近、コナーさんを狐にしてコージと絡ませるのが楽しくてしょうがないです。


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