Eternal Chains - 圧政の影

ペコかな

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第9章: 最後の抵抗

4. 勝利への道筋

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ガロンの犠牲によって王城の崩壊と暗黒の魔力の暴走は食い止められたが、リーシャたち反乱軍の心には重い悲しみが残っていた。

それでも、彼らにはまだやるべきことが残っていた。

セリオンの完全なる消滅を確信するには至っておらず、その最後の残滓を追い詰めるために新たな策を練る必要があった。


リーシャは深く息をつき、仲間たちを集めて言った。
「ガロンの犠牲を無駄にしないためにも、セリオンを完全に滅ぼさなければなりません。
彼が残した最後の力を断ち切るために、私たちはもう一度戦う必要があります。」

「セリオンは完全に消滅したように見えましたが、まだ彼の力がどこかに潜んでいるかもしれません。」グレタが慎重に言った。
「私たちが確実に彼を滅ぼすためには、最後の一手を打つ必要があります。」

アンリは剣を握りしめながら頷いた。
「でも、どうやって?もう一度あの力と戦うなんて、俺たちには無理なんじゃないか?」

「いいえ、まだ希望はあります。」グレタが手元の古い巻物を取り出しながら言った。
「この巻物には、古代の賢者たちが記した封印の術が書かれています。セリオンの力を完全に封じ込めるためには、この術を使うしかありません。」


リーシャは巻物を見つめ、決意を固めた。
「私たちはその術を使って、セリオンの最後の力を完全に封じ込めましょう。これが私たちの最後の戦いです。」


シエラが心配そうに問いかけた。
「でも、その術を使うには大きな代償が必要なんじゃないの?グレタ、あなたがその術を使うなら、私たちはまた誰かを失うことになるかもしれない…」


グレタは静かに微笑み、仲間たちを見つめた。
「私もそのリスクは承知しています。
でも、セリオンを倒すためには、私たちが全力を尽くさなければならない。
私はこれまで多くの戦いを見てきました。そして、今がその集大成だと思っています。」


「グレタ…」リーシャは彼女の手を取り、感謝の気持ちを込めて言った。
「あなたがいなければ、ここまで来ることはできなかった。
けれども、私たちがもう一度誰かを犠牲にすることは…」

「リーシャ、私は自分の役割を果たすつもりです。」グレタは決然とした表情で言った。
「この術を使うのは私の役目です。ガロンが命を懸けて守ったこの国を、私も守りたいんです。」


アンリがため息をつき、

「俺たちがここまで来たのは、みんなの力があったからだ。
誰も一人で背負う必要はない。でも、グレタが決意したのなら、俺たちはその意思を尊重するべきだ。」


「私たちは一つのチームです。」シエラが涙を浮かべながら言った。
「グレタ、あなたが決めたことを私たちは支持するわ。」


リーシャは深く頷き、最後の作戦をまとめた。
「グレタが術を発動する間、私たちはセリオンの力が暴走しないように防御を固めます。これが最後の戦いです。
全員で力を合わせて、この国を守り抜きましょう。」


仲間たちは全員が深く頷き、それぞれの役割を心に刻み込んだ。
彼らは共に戦い抜くことを誓い、セリオンの最後の力を封じるための準備を進めた。


そして、決戦の時が訪れた。

反乱軍の仲間たちは再び崩壊しかけた王城の中心に集まり、グレタが巻物を開いて呪文を唱え始めた。

古代の言葉が響き渡り、空気が震え、周囲の魔力が集まっていく。


「リーシャ、アンリ、シエラ、ガロンの意志を継いで、私たちはこの国を守るために戦い続けます。」グレタが呪文を唱えながら言った。


リーシャは剣を握りしめ、仲間たちと共に結界を張り巡らせた。
「私たちは最後まで共に戦う。この国に平和を取り戻すために。」

アンリも剣を構え、敵に備えた。
「俺たちはここまで来た。最後まで諦めずに戦うぞ!」

シエラが弓を引き、周囲を見張りながら言った。
「私たちは一人じゃない。グレタ、あなたがやるべきことをやって、私たちはそれを守るわ。」


グレタが呪文を唱え終えると、周囲の空気が一気に変わり、強力な魔力が彼女の手から放たれた。


その力がセリオンの残りの魔力を包み込み、次第に封じ込めていった。


「これが…最後の一手です…!」グレタが力を振り絞って叫んだ。


その瞬間、セリオンの最後の力が一気に結界の中に閉じ込められ、全ての魔力が封じられた。


周囲には静寂が訪れ、空気が澄み渡った。


「やった…!」アンリが歓喜の声を上げた。


「私たちは勝った…!」シエラも同じく喜びの声を上げた。


リーシャは剣を下ろし、グレタに駆け寄った。
「グレタ、あなたのおかげで…」

しかし、グレタは疲れ切った表情で微笑み、静かに言った。
「これで…全てが終わりました。この国に…平和が…」


その言葉を最後に、グレタは力尽き、リーシャの腕の中で静かに目を閉じた。


彼女の犠牲によって、セリオンの力は完全に封じられ、この国に再び平和が訪れることとなった。


リーシャは涙をこらえながら、グレタの手を握りしめた。
「ありがとう、グレタ。
あなたの犠牲は決して無駄にはしない。この国を守り続けるために、私たちはこれからも戦い続けるわ。」


仲間たちはグレタの犠牲を胸に刻み込み、彼女の意志を受け継いで新たな未来を築く決意を固めた。


セリオンの力は完全に封じられ、反乱軍はついに勝利を手にした。

だが、その勝利は大きな犠牲と共に得られたものであり、彼らの心には深い悲しみと感謝の念が残った。


彼らは共に戦い抜いた仲間たちを胸に刻みながら、この国に新たな平和をもたらすための道を歩み始めたのだった。


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