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第3章
3 無能者 前編
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街へと必要なものを買いに来ていたエレンは、街中の雰囲気が違うのを感じた。
民の神経がピリピリしているのを感じる。賑やかな街中は、一変としていたのだ。
(戦争の影響か……)
街中の雰囲気を感じつつも、必要なものを買いに店へと向かう。ユリアーナの春物が欲しいと思ってやってきた。だが、ユリアーナを連れて来るには街の状況が分からなかった為、置いて来た。勿論、小屋の姿を消してユリアーナには小屋から出るなと告げて。
ジェニファーに教えてもらった洋品店を訪れると、ここも雰囲気がざわざわしている。
戦争の影響がここにも現れている。
「いらっしゃい」
店主はそう言うとエレンを見る。魔女だと分かるその姿に驚く。
「あんた、魔女かい」
「そうだ」
「魔女がこんな店に何の用だ?」
「6歳くらいの女の子が着る洋服を買いに来た」
そう告げると店主は驚いていた。
「あんたに娘がいるのかい」
若い姿をしているエレンだが、魔女が姿を変えられるのは周知のことだ。だからエレンに娘がいると思ったらしい。
「まぁそうだ」
色々聞かれるのが面倒くさいとエレンはそう答える。
「今は子供連れて出歩けないからねぇ」
店主はそう言いながら何着か洋服や下着を持って来た。
「どんなのがいいかねぇ……」
並べたものはどれも女の子らしい服ばかりだった。エレンが子供の頃憧れていたヒラヒラとしたスカート。
(せっかくの春だし、こういうのもいいか)
エレンはいくつかのスカートやワンピースなどを選んでいく。
エレンの所に来た頃よりも大きく成長したユリアーナ。6歳の平均くらいまでに成長していた。やはり、栄養が足りていなかったのだろう。
その為何度も服を買い直しをしなきゃいけないのかと思った。だけどそれは嬉しくもあった。
こんな感情を抱くなんて思ってもいなかったエレンは、なんとか戦争を終わらせて欲しいと願った。
◇◇◇◇◇
エレンや街の人たちの願いは届かず、戦争は長引く。それはエレンだけではなく、街の人たちも感じていた。
(早く、あのフードのことを……)
エレンは常々にそう思っていたが、なかなか上手くいかなかった。エレンの魔力を強めて調べると、あの森やこの街に危険が及ぶ。それだけは避けたいのだ。
ホエールが戻ってきていないうちには、魔力を強めることは自殺行為だ。
本来ならこの時期は春の訪れで賑わってる街並みも、沈んだ街となっている。
(本当なら春の祝いをしている頃だ)
今年は春の訪れを祝う祭りが中止になった。それも戦争の影響だった。
街には子供たちの姿はない。学校も休校している。大人たちでさえ、必要以上に出歩かない。
「やはりあのフードをどうにかしないといけないか……」
戦争の原因はきっとあのフードのせいだ。どこからやってきて、どこへと帰っていくのか。手がかりが全く掴めない。エレンの力でも分からずじまいだった。
両手にユリアーナの為の服を持ち、街を歩いている。店もあまり開いていない。必要最低限の店が開いているだけ。このままじゃ街の人たちの生活も危うくなる。
「エレン」
目の前には軍服を着た集団が現れた。その中には依然依頼を受けたことのある顔をあった。
「隊長。魔女のエレンです」
隊長と呼ばれた男は集団の中から出てきた。
「お前が魔女のエレンか」
「そうだ」
「頼みがある」
「なんだ」
「戦いがこの街の近くまでやってくる。それを食い止めたい。今他の隊が食い止めているが、なかなか難しい」
(あのフードのせいか)
エレンの表情が険しくなる。
「助けて欲しい」
この隊長は第3の軍、ワドーナ隊の隊長。この国の軍は第1の隊から第10までの隊が存在する。更にその下に予備軍といった養成機関がある。その第3の隊長からの依頼だった。
「この国を守るための武器が欲しい。お前なら容易いだろう」
「武器は新たな争いを生むだけ」
エレンはそう答える。ワドーナはエレンを見下ろすようにじっと見ている。その顔は強面で、誰も逆らえないのではと思うくらいだった。
「今、デューク王子が戦線に立っているのであろう?」
「それがどうした」
デューク王子が戦線立ち、戦っている。それなのにこのワドーナはまだこの街にいる。どのような戦略を立てたのかはエレンには分からないが、王子を先に戦争に行かせ、部下に当たるこの男たちがこの街にいることがエレンには納得がいかなかった。
「お前はいつ戦争に向かうのだ」
キツイ口調でエレンは言い放つ。あれ程民のことを思うデューク王子が不憫に思った。今、戦争でこの街を出ている隊は第10の隊、第9の隊、第7の隊、第2の隊、そして王子直属の第1の隊。第4の隊、第5の隊、第6の隊、第8の隊はこの街を包囲して街を守っている。ではこの第3の隊は何をしている。
エレンは不快を露わにしていた。
(王子が不憫だ)
こんな男が部下なのか……と。
「我らは予備軍の教育係だ。戦争に出ていけるように若手を教育しなければならない」
威圧的な目線をエレンに向ける。この男もまたエレンに不快な思いを向けている。
(教育係が第3の隊か……)
それが引っ掛かった。
「ところでお前はここで何をしていた」
ワドーナはエレンに問う。両手で抱えた袋が気になっているのか、目線はそれに向けられた。
「娘の服だ。ここ最近、急に背が伸びたのでな」
「はっ。魔女に娘かっ!笑わせる」
この男は魔女という人種が嫌いなようだ。
(……ん?)
エレンは気付いた。この男は魔力はない。腕力だけでの仕上がった者だ。この国の者は少なからず、何かしらの力を持って産まれてくる。それなのにこの男にはそれがない。
「ふ~ん……」
エレンは不適な笑みを向けた。
「なんだ」
「無能者か」
「……なっ!」
「この魔女!隊長に失礼だぞ!!」
ワドーナの部下が叫ぶ。
(成程。部下は知らないか)
ワドーナの部下たちはワドーナが何かしらの能力を持ってると思ってるらしい。
「隊長は無能者じゃないぞ!」
次々へと言葉を発する部下たち。エレンはちょっと意地悪をしたくなった。
「へぇ……。じゃ、その能力を見せてもらおうか」
ワドーナへ視線をやると、顔面蒼白になっていた。それもそうだ。部下にカッコ悪い所を見せられないのだろう。
「そ、それは……」
ワドーナはそう呟く。
「無理ならいいよ。無能者」
エレンはそう言ってワドーナ横を通り過ぎて行った。
「待てっ!」
後ろからワドーナの声がした。
「お前っ!」
怒りが顔に滲み出ている。エレンはその顔が可笑しくて笑った。
「アハハ!可笑しいっ」
目に涙を溜めるくらい笑い、ワドーナを振り返った。
「用があるなら森に来い」
エレンはそう言って街から森へと向かった。
(ヘンなのに会った)
手にした荷物を見ながら、ため息を吐く。
「本当は他にも必要なものはあったんだけど」
森の中に入るエレンは、小屋へと急いだ。
それから暫くして小屋に来客がやって来ることになる。
民の神経がピリピリしているのを感じる。賑やかな街中は、一変としていたのだ。
(戦争の影響か……)
街中の雰囲気を感じつつも、必要なものを買いに店へと向かう。ユリアーナの春物が欲しいと思ってやってきた。だが、ユリアーナを連れて来るには街の状況が分からなかった為、置いて来た。勿論、小屋の姿を消してユリアーナには小屋から出るなと告げて。
ジェニファーに教えてもらった洋品店を訪れると、ここも雰囲気がざわざわしている。
戦争の影響がここにも現れている。
「いらっしゃい」
店主はそう言うとエレンを見る。魔女だと分かるその姿に驚く。
「あんた、魔女かい」
「そうだ」
「魔女がこんな店に何の用だ?」
「6歳くらいの女の子が着る洋服を買いに来た」
そう告げると店主は驚いていた。
「あんたに娘がいるのかい」
若い姿をしているエレンだが、魔女が姿を変えられるのは周知のことだ。だからエレンに娘がいると思ったらしい。
「まぁそうだ」
色々聞かれるのが面倒くさいとエレンはそう答える。
「今は子供連れて出歩けないからねぇ」
店主はそう言いながら何着か洋服や下着を持って来た。
「どんなのがいいかねぇ……」
並べたものはどれも女の子らしい服ばかりだった。エレンが子供の頃憧れていたヒラヒラとしたスカート。
(せっかくの春だし、こういうのもいいか)
エレンはいくつかのスカートやワンピースなどを選んでいく。
エレンの所に来た頃よりも大きく成長したユリアーナ。6歳の平均くらいまでに成長していた。やはり、栄養が足りていなかったのだろう。
その為何度も服を買い直しをしなきゃいけないのかと思った。だけどそれは嬉しくもあった。
こんな感情を抱くなんて思ってもいなかったエレンは、なんとか戦争を終わらせて欲しいと願った。
◇◇◇◇◇
エレンや街の人たちの願いは届かず、戦争は長引く。それはエレンだけではなく、街の人たちも感じていた。
(早く、あのフードのことを……)
エレンは常々にそう思っていたが、なかなか上手くいかなかった。エレンの魔力を強めて調べると、あの森やこの街に危険が及ぶ。それだけは避けたいのだ。
ホエールが戻ってきていないうちには、魔力を強めることは自殺行為だ。
本来ならこの時期は春の訪れで賑わってる街並みも、沈んだ街となっている。
(本当なら春の祝いをしている頃だ)
今年は春の訪れを祝う祭りが中止になった。それも戦争の影響だった。
街には子供たちの姿はない。学校も休校している。大人たちでさえ、必要以上に出歩かない。
「やはりあのフードをどうにかしないといけないか……」
戦争の原因はきっとあのフードのせいだ。どこからやってきて、どこへと帰っていくのか。手がかりが全く掴めない。エレンの力でも分からずじまいだった。
両手にユリアーナの為の服を持ち、街を歩いている。店もあまり開いていない。必要最低限の店が開いているだけ。このままじゃ街の人たちの生活も危うくなる。
「エレン」
目の前には軍服を着た集団が現れた。その中には依然依頼を受けたことのある顔をあった。
「隊長。魔女のエレンです」
隊長と呼ばれた男は集団の中から出てきた。
「お前が魔女のエレンか」
「そうだ」
「頼みがある」
「なんだ」
「戦いがこの街の近くまでやってくる。それを食い止めたい。今他の隊が食い止めているが、なかなか難しい」
(あのフードのせいか)
エレンの表情が険しくなる。
「助けて欲しい」
この隊長は第3の軍、ワドーナ隊の隊長。この国の軍は第1の隊から第10までの隊が存在する。更にその下に予備軍といった養成機関がある。その第3の隊長からの依頼だった。
「この国を守るための武器が欲しい。お前なら容易いだろう」
「武器は新たな争いを生むだけ」
エレンはそう答える。ワドーナはエレンを見下ろすようにじっと見ている。その顔は強面で、誰も逆らえないのではと思うくらいだった。
「今、デューク王子が戦線に立っているのであろう?」
「それがどうした」
デューク王子が戦線立ち、戦っている。それなのにこのワドーナはまだこの街にいる。どのような戦略を立てたのかはエレンには分からないが、王子を先に戦争に行かせ、部下に当たるこの男たちがこの街にいることがエレンには納得がいかなかった。
「お前はいつ戦争に向かうのだ」
キツイ口調でエレンは言い放つ。あれ程民のことを思うデューク王子が不憫に思った。今、戦争でこの街を出ている隊は第10の隊、第9の隊、第7の隊、第2の隊、そして王子直属の第1の隊。第4の隊、第5の隊、第6の隊、第8の隊はこの街を包囲して街を守っている。ではこの第3の隊は何をしている。
エレンは不快を露わにしていた。
(王子が不憫だ)
こんな男が部下なのか……と。
「我らは予備軍の教育係だ。戦争に出ていけるように若手を教育しなければならない」
威圧的な目線をエレンに向ける。この男もまたエレンに不快な思いを向けている。
(教育係が第3の隊か……)
それが引っ掛かった。
「ところでお前はここで何をしていた」
ワドーナはエレンに問う。両手で抱えた袋が気になっているのか、目線はそれに向けられた。
「娘の服だ。ここ最近、急に背が伸びたのでな」
「はっ。魔女に娘かっ!笑わせる」
この男は魔女という人種が嫌いなようだ。
(……ん?)
エレンは気付いた。この男は魔力はない。腕力だけでの仕上がった者だ。この国の者は少なからず、何かしらの力を持って産まれてくる。それなのにこの男にはそれがない。
「ふ~ん……」
エレンは不適な笑みを向けた。
「なんだ」
「無能者か」
「……なっ!」
「この魔女!隊長に失礼だぞ!!」
ワドーナの部下が叫ぶ。
(成程。部下は知らないか)
ワドーナの部下たちはワドーナが何かしらの能力を持ってると思ってるらしい。
「隊長は無能者じゃないぞ!」
次々へと言葉を発する部下たち。エレンはちょっと意地悪をしたくなった。
「へぇ……。じゃ、その能力を見せてもらおうか」
ワドーナへ視線をやると、顔面蒼白になっていた。それもそうだ。部下にカッコ悪い所を見せられないのだろう。
「そ、それは……」
ワドーナはそう呟く。
「無理ならいいよ。無能者」
エレンはそう言ってワドーナ横を通り過ぎて行った。
「待てっ!」
後ろからワドーナの声がした。
「お前っ!」
怒りが顔に滲み出ている。エレンはその顔が可笑しくて笑った。
「アハハ!可笑しいっ」
目に涙を溜めるくらい笑い、ワドーナを振り返った。
「用があるなら森に来い」
エレンはそう言って街から森へと向かった。
(ヘンなのに会った)
手にした荷物を見ながら、ため息を吐く。
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