14 / 33
第2章
5 王家の秘密
しおりを挟む
王家には秘密が存在する。それを知っているのは王位を継承する者のみ。スティール王国の王位を継承するのは、第一王子とは限らない。
その王位継承争いが、数十年ぶりに行われる。スティール王国の王位継承争いとは武術、知力、魔力などのいくつかの項目をクリアした者が次の国王になることが出来る。
その継承争いが行われる条件は、現国王が病床に伏せっていたり、王位を譲ると公表したりと様々な理由により行われる。
今回は現国王、アンドリュー国王が高齢の為、王位を退くと発表されたのだ。
それにより王位継承争いをすることが決定したのだった。
参加するのは第1王子から第15王子までと、ひとり、王女が入っていた。第1王女のフェデリカだ。兄妹たちの中では一番上だった。
この王女は王子たちに負けを取らないくらいのものを持っていたのだ。
知力はもちろん、男勝りな性格の為か武術もやる。そして魔力。父親と同じ魔力の持ち主。人の心を読み解く魔力。その力で人々の困ってることをいち早く察知し解決に向かわせる。それが出来るのだ。
そんな話題が国中で広がっていた頃、フェデリカ王女がひとりでやってきたのだった。
◇◇◇◇◇
目の前にいる王女様にさすがのエレンも緊張した。
銀髪で青い瞳を持つフェデリカはとても美しかった。
「今日はなんの目的で?」
フェデリカは人の心を読み解く力を持っているから、エレンの考えていることも分かってしまうのではと、ドキドキしていた。
「そんなに緊張しないでちょうだい。心は必要な時にしか読まないのよ」
「そう……なんですね」
エレンが緊張してることを察知したってことは読んでるのではと勘ぐってしまう。だけど、エレンは分かりやすく態度に出ていたのだ。
「実はね、私は今回の王位継承争いに勝ちたくないの」
唐突に言った言葉にエレンは驚愕した。
「王位を継ぎたくない……と?」
「ええ。私は女ですもの。他の役割がある筈よ」
ひとつひとつの仕草が洗練されていて、とても上品だ。こんな女性を見たことはない。
他のどの令嬢よりも上品な方だ。
「私が負けるようなものはないかしら」
「それは……、ご自身がお勝ちになることが確信されているように思えますが?」
思わず聞いたエレンにフェデリカは真っ直ぐ目を見た。
「私が負けるとでも?」
それは確実に勝つと決まっているとでも言うようだった。
「失礼なことを申しました」
頭を下げたエレンにくすっと笑った。
「いいえ。ちょっと意地悪を言いましたわ」
口元を隠しながらクスクス笑う。そんな仕草もとても上品だと見惚れてしまうくらいだった。
「私はね、同盟国であるサージ公国のアルフレッド様の元へ嫁ぎたいのです。今はアルフレッド様の婚約者となっておりますが、王位継承争いで勝ってしまうとそれが破談になります。それを避けたいのです」
初耳な話だった。婚約者がいる身で王位継承争いに参戦するとは思わなかった。
「王位継承争いは、国王の子供全てが参加しなくてはならないの。15歳以上の子供は男も女も関係なく、参戦する掟なのよ」
だから今回、唯一の王女であるフェデリカ王女は参戦しなければならない。しかも婚約をしている身でありながら。
「もし私が勝ってしまって、婚約を破棄されるようなことがあれば、我が国と公国の同盟が崩れ新たな戦争が起こるでしょう。私はそれを避けたいのです」
この国のこと、公国のことを考えて自分はサージ公国へと嫁ぎたいと言ってるフェデリカ王女はとても強い女性だと感じた。
自分の好きな人のところへ嫁くのでなく、すべては国の為にと考えることが強い人だなとエレンは感じ取っていた。
立ち上がり棚の中から何かを取り出す。小さなリング。それを大鍋へ放り込み、ハーブや乾燥イモリや何かの液体などを一緒に入れた。それらを混ぜ呪文を唱える。
その 呪文はもちろん、フェデリカには分からない。
大鍋から取り出したリングをフェデリカへと渡す。
「これを着けて王位継承争いに参戦するといい。ただ、試合の時だけ着けて。すべて終わったらそれを私に返して」
「返す?」
「それを持ち続けることは自らを危険に晒すようなものだから」
リングを見つめたフェデリカは「分かったわ」と答える。
「これはどういうものなの?」
「自らの力を抑えるもの。だから持ち続けることは危険なの」
「力を抑える……。そんなことも出来るのね」
エレンを見たフェデリカは感心したような顔をしていた。
そして立ち上がると「お代は?」と聞いた。
「要りません。お金は必要ないです」
そう言うとエレンをじっと見た。
(心を読まれてる……?)
エレンはそう感じた。
「そうね。今、あなたの心を読んだわ。成る程。いつもお金も貰わないで必要なものを対価としてもらっているのね。では私からは王家の秘密を教えて差し上げるわ」
「え!?」
「それじゃ足りないかしら」
「いえ!というより、それを私に教えて大丈夫なのですか!?」
「たいしたことじゃないわ。では、返しに来たときにその秘密を教えて差し上げる」
真っ直ぐエレンを見たフェデリカは颯爽と森を真っ白い馬で駆けて行った。
◇◇◇◇◇
王位継承争いが終結したのはそれから二月経った後だった。
再び、フェデリカは真っ白い馬で颯爽と現れたのだった。
「久しぶり、エレン」
馬上からそう挨拶したフェデリカは、馬から降りるとそな馬を撫でて落ち着かせる。
「この子に水をもらえるかしら?」
そつ言われて裏にある井戸から水を汲み桶に入れた。馬の前に桶をおくと置くと、馬は水をゴクゴク飲み出した。
「中へどうぞ」
エレンはフェデリカを中へ促す。木のソファーに座るとエレンに顔を向ける。エレンはそれを気付いているが、炊事場へ行きお茶の準備をする。
いつものように湯を沸かしポットにハーブを入れて、そのポットに湯を入れて蒸らす。カップに注ぎ、それをフェデリカへ差し出す。
「王家ではもっと美味しいものがありますでしょうが……」
フェデリカはそれを一口、口に含む。
「あら。美味しいわ。これは?」
「この森でしか育たぬハーブです」
「あら!本当に美味しい」
ハーブティーをべた褒めされたエレンはなんだか照れくさかった。
コトンと、テーブルにリングを置いた。
「これ、ありがとう。おかげで私は嫁ぐことが出来るわ。王には第一王子のフェルゼンが 即位することに決定したわ」
リングの力のおかげでかなり力を抑えられたフェデリカは、フェルゼンに即位させることが出来たた安堵した。
「でもこれが国王にバレたら大変なことになるとは思うけど……」
なんせ、アンドリュー国王はフェデリカと同じ心を読み解く力を持っている。ただ、高齢の為その力は薄れてきていたのだ。それが退位する理由のひとつでもあった。
「さて。王家の秘密だけども……」
と、一冊の本を渡した。
「王家の歴史を記したものの複製よ。こちらを差し上げるわ」
「でも……」
「いいのよ。読んでるとおかしいから。秘密にする必要あるのかしらと思う内容だから」
と茶目っ気のある笑顔を向けて来た。こうやって見ていたらフェデリカは普通の女性なのだ。
「では私は失礼するわ」
「フェデリカ王女様。サージ公国へはいつ?」
「これから準備期間に入るから年内には嫁ぐことになるわ」
「そうですか。おめでとうございます」
「ありがとう」
そう言ってまた颯爽と馬に乗り駆けて行った。
フェデリカが置いて行った王家の歴史が書かれている本。複製とはいえ、しっかりとした作りの本であった。
それを読むと王になった方たちの本当の姿が書かれていた。
例えば先々代の国王のことはエレンはよく知っているが、実は妻であった女王には頭が上がらないとか。
例えば5代前の国王は妹姫が大好きで妹姫の為に毎年豪華な誕生日の祝宴を行ったりと、まぁ、秘密といえば秘密なのだが王家の人々の人間臭いことが書かれているのだ。
そして現国王アンドリューは、娘姫、フェデリカが大切で大切で嫁ぎさせたくないと書かれているのだ。
「ぷっ……」
思わず笑ってしまったエレンにホエールが何事かと顔を出す。
エレンが声を出して笑うのは珍しく呆気にとられる。
エレンは王家の人々も普通の人なのだと安堵したのだった。
その王位継承争いが、数十年ぶりに行われる。スティール王国の王位継承争いとは武術、知力、魔力などのいくつかの項目をクリアした者が次の国王になることが出来る。
その継承争いが行われる条件は、現国王が病床に伏せっていたり、王位を譲ると公表したりと様々な理由により行われる。
今回は現国王、アンドリュー国王が高齢の為、王位を退くと発表されたのだ。
それにより王位継承争いをすることが決定したのだった。
参加するのは第1王子から第15王子までと、ひとり、王女が入っていた。第1王女のフェデリカだ。兄妹たちの中では一番上だった。
この王女は王子たちに負けを取らないくらいのものを持っていたのだ。
知力はもちろん、男勝りな性格の為か武術もやる。そして魔力。父親と同じ魔力の持ち主。人の心を読み解く魔力。その力で人々の困ってることをいち早く察知し解決に向かわせる。それが出来るのだ。
そんな話題が国中で広がっていた頃、フェデリカ王女がひとりでやってきたのだった。
◇◇◇◇◇
目の前にいる王女様にさすがのエレンも緊張した。
銀髪で青い瞳を持つフェデリカはとても美しかった。
「今日はなんの目的で?」
フェデリカは人の心を読み解く力を持っているから、エレンの考えていることも分かってしまうのではと、ドキドキしていた。
「そんなに緊張しないでちょうだい。心は必要な時にしか読まないのよ」
「そう……なんですね」
エレンが緊張してることを察知したってことは読んでるのではと勘ぐってしまう。だけど、エレンは分かりやすく態度に出ていたのだ。
「実はね、私は今回の王位継承争いに勝ちたくないの」
唐突に言った言葉にエレンは驚愕した。
「王位を継ぎたくない……と?」
「ええ。私は女ですもの。他の役割がある筈よ」
ひとつひとつの仕草が洗練されていて、とても上品だ。こんな女性を見たことはない。
他のどの令嬢よりも上品な方だ。
「私が負けるようなものはないかしら」
「それは……、ご自身がお勝ちになることが確信されているように思えますが?」
思わず聞いたエレンにフェデリカは真っ直ぐ目を見た。
「私が負けるとでも?」
それは確実に勝つと決まっているとでも言うようだった。
「失礼なことを申しました」
頭を下げたエレンにくすっと笑った。
「いいえ。ちょっと意地悪を言いましたわ」
口元を隠しながらクスクス笑う。そんな仕草もとても上品だと見惚れてしまうくらいだった。
「私はね、同盟国であるサージ公国のアルフレッド様の元へ嫁ぎたいのです。今はアルフレッド様の婚約者となっておりますが、王位継承争いで勝ってしまうとそれが破談になります。それを避けたいのです」
初耳な話だった。婚約者がいる身で王位継承争いに参戦するとは思わなかった。
「王位継承争いは、国王の子供全てが参加しなくてはならないの。15歳以上の子供は男も女も関係なく、参戦する掟なのよ」
だから今回、唯一の王女であるフェデリカ王女は参戦しなければならない。しかも婚約をしている身でありながら。
「もし私が勝ってしまって、婚約を破棄されるようなことがあれば、我が国と公国の同盟が崩れ新たな戦争が起こるでしょう。私はそれを避けたいのです」
この国のこと、公国のことを考えて自分はサージ公国へと嫁ぎたいと言ってるフェデリカ王女はとても強い女性だと感じた。
自分の好きな人のところへ嫁くのでなく、すべては国の為にと考えることが強い人だなとエレンは感じ取っていた。
立ち上がり棚の中から何かを取り出す。小さなリング。それを大鍋へ放り込み、ハーブや乾燥イモリや何かの液体などを一緒に入れた。それらを混ぜ呪文を唱える。
その 呪文はもちろん、フェデリカには分からない。
大鍋から取り出したリングをフェデリカへと渡す。
「これを着けて王位継承争いに参戦するといい。ただ、試合の時だけ着けて。すべて終わったらそれを私に返して」
「返す?」
「それを持ち続けることは自らを危険に晒すようなものだから」
リングを見つめたフェデリカは「分かったわ」と答える。
「これはどういうものなの?」
「自らの力を抑えるもの。だから持ち続けることは危険なの」
「力を抑える……。そんなことも出来るのね」
エレンを見たフェデリカは感心したような顔をしていた。
そして立ち上がると「お代は?」と聞いた。
「要りません。お金は必要ないです」
そう言うとエレンをじっと見た。
(心を読まれてる……?)
エレンはそう感じた。
「そうね。今、あなたの心を読んだわ。成る程。いつもお金も貰わないで必要なものを対価としてもらっているのね。では私からは王家の秘密を教えて差し上げるわ」
「え!?」
「それじゃ足りないかしら」
「いえ!というより、それを私に教えて大丈夫なのですか!?」
「たいしたことじゃないわ。では、返しに来たときにその秘密を教えて差し上げる」
真っ直ぐエレンを見たフェデリカは颯爽と森を真っ白い馬で駆けて行った。
◇◇◇◇◇
王位継承争いが終結したのはそれから二月経った後だった。
再び、フェデリカは真っ白い馬で颯爽と現れたのだった。
「久しぶり、エレン」
馬上からそう挨拶したフェデリカは、馬から降りるとそな馬を撫でて落ち着かせる。
「この子に水をもらえるかしら?」
そつ言われて裏にある井戸から水を汲み桶に入れた。馬の前に桶をおくと置くと、馬は水をゴクゴク飲み出した。
「中へどうぞ」
エレンはフェデリカを中へ促す。木のソファーに座るとエレンに顔を向ける。エレンはそれを気付いているが、炊事場へ行きお茶の準備をする。
いつものように湯を沸かしポットにハーブを入れて、そのポットに湯を入れて蒸らす。カップに注ぎ、それをフェデリカへ差し出す。
「王家ではもっと美味しいものがありますでしょうが……」
フェデリカはそれを一口、口に含む。
「あら。美味しいわ。これは?」
「この森でしか育たぬハーブです」
「あら!本当に美味しい」
ハーブティーをべた褒めされたエレンはなんだか照れくさかった。
コトンと、テーブルにリングを置いた。
「これ、ありがとう。おかげで私は嫁ぐことが出来るわ。王には第一王子のフェルゼンが 即位することに決定したわ」
リングの力のおかげでかなり力を抑えられたフェデリカは、フェルゼンに即位させることが出来たた安堵した。
「でもこれが国王にバレたら大変なことになるとは思うけど……」
なんせ、アンドリュー国王はフェデリカと同じ心を読み解く力を持っている。ただ、高齢の為その力は薄れてきていたのだ。それが退位する理由のひとつでもあった。
「さて。王家の秘密だけども……」
と、一冊の本を渡した。
「王家の歴史を記したものの複製よ。こちらを差し上げるわ」
「でも……」
「いいのよ。読んでるとおかしいから。秘密にする必要あるのかしらと思う内容だから」
と茶目っ気のある笑顔を向けて来た。こうやって見ていたらフェデリカは普通の女性なのだ。
「では私は失礼するわ」
「フェデリカ王女様。サージ公国へはいつ?」
「これから準備期間に入るから年内には嫁ぐことになるわ」
「そうですか。おめでとうございます」
「ありがとう」
そう言ってまた颯爽と馬に乗り駆けて行った。
フェデリカが置いて行った王家の歴史が書かれている本。複製とはいえ、しっかりとした作りの本であった。
それを読むと王になった方たちの本当の姿が書かれていた。
例えば先々代の国王のことはエレンはよく知っているが、実は妻であった女王には頭が上がらないとか。
例えば5代前の国王は妹姫が大好きで妹姫の為に毎年豪華な誕生日の祝宴を行ったりと、まぁ、秘密といえば秘密なのだが王家の人々の人間臭いことが書かれているのだ。
そして現国王アンドリューは、娘姫、フェデリカが大切で大切で嫁ぎさせたくないと書かれているのだ。
「ぷっ……」
思わず笑ってしまったエレンにホエールが何事かと顔を出す。
エレンが声を出して笑うのは珍しく呆気にとられる。
エレンは王家の人々も普通の人なのだと安堵したのだった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
異世界転移したロボ娘が、バッテリーが尽きるまでの一ヶ月で世界を救っちゃう物語
京衛武百十
ファンタジー
<メイトギア>と呼ばれる人型ホームヘルパーロボット<タリアP55SI>は、旧式化したことでオーナーが最新の後継機に買い換えたため、データのすべてを新しい機体に引継ぎ、役目を終え、再資源化を迎えるだけになっていた。
なのに、彼女が次に起動した時にいたのは、まったく記憶にない中世ヨーロッパを思わせる世界だった。
要人警護にも使われるタリアP55SIは、その世界において、ありとあらゆるものを凌駕するスーパーパワーの持ち主。<魔法>と呼ばれる超常の力さえ、それが発動する前に動けて、生物には非常に強力な影響を与えるスタンすらロボットであるがゆえに効果がなく、彼女の前にはただ面倒臭いだけの大道芸に過ぎなかった。
<ロボット>というものを知らないその世界の人々は彼女を<救世主>を崇め、自分達を脅かす<魔物の王>の討伐を願うのであった。
斬られ役、異世界を征く!!
通 行人(とおり ゆきひと)
ファンタジー
剣の腕を見込まれ、復活した古の魔王を討伐する為に勇者として異世界に召喚された男、唐観武光(からみたけみつ)……
しかし、武光は勇者でも何でもない、斬られてばかりの時代劇俳優だった!!
とんだ勘違いで異世界に召喚された男は、果たして元の世界に帰る事が出来るのか!?
愛と!! 友情と!! 笑いで綴る!! 7000万パワーすっとこファンタジー、今ここに開幕ッッッ!!
チート狩り
京谷 榊
ファンタジー
世界、宇宙そのほとんどが解明されていないこの世の中で。魔術、魔法、特殊能力、人外種族、異世界その全てが詰まった広大な宇宙に、ある信念を持った謎だらけの主人公が仲間を連れて行き着く先とは…。
それは、この宇宙にある全ての謎が解き明かされるアドベンチャー物語。
惑う霧氷の彼方
雪原るい
ファンタジー
――その日、私は大切なものをふたつ失いました。
ある日、少女が目覚めると見知らぬ場所にいた。
山間の小さな集落…
…だが、そこは生者と死者の住まう狭間の世界だった。
――死者は霧と共に現れる…
小さな集落に伝わる伝承に隠された秘密とは?
そして、少女が失った大切なものとは一体…?
小さな集落に死者たちの霧が包み込み…
今、悲しみの鎮魂歌が流れる…
それは、悲しく淡い願いのこめられた…失われたものを知る物語――
***
自サイトにも載せています。更新頻度は不定期、ゆっくりのんびりペースです。
※R-15は一応…残酷な描写などがあるかもなので設定しています。
⚠作者独自の設定などがある場合もありますので、予めご了承ください。
本作は『闇空の柩シリーズ』2作目となります。
かの世界この世界
武者走走九郎or大橋むつお
ファンタジー
人生のミス、ちょっとしたミスや、とんでもないミス、でも、人類全体、あるいは、地球的規模で見ると、どうでもいい些細な事。それを修正しようとすると異世界にぶっ飛んで、宇宙的規模で世界をひっくり返すことになるかもしれない。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
異世界ライフの楽しみ方
呑兵衛和尚
ファンタジー
それはよくあるファンタジー小説みたいな出来事だった。
ラノベ好きの調理師である俺【水無瀬真央《ミナセ・マオ》】と、同じく友人の接骨医にしてボディビルダーの【三三矢善《サミヤ・ゼン》】は、この信じられない現実に戸惑っていた。
俺たち二人は、創造神とかいう神様に選ばれて異世界に転生することになってしまったのだが、神様が言うには、本当なら選ばれて転生するのは俺か善のどちらか一人だけだったらしい。
ちょっとした神様の手違いで、俺たち二人が同時に異世界に転生してしまった。
しかもだ、一人で転生するところが二人になったので、加護は半分ずつってどういうことだよ!!
神様との交渉の結果、それほど強くないチートスキルを俺たちは授かった。
ネットゲームで使っていた自分のキャラクターのデータを神様が読み取り、それを異世界でも使えるようにしてくれたらしい。
『オンラインゲームのアバターに変化する能力』
『どんな敵でも、そこそこなんとか勝てる能力』
アバター変更後のスキルとかも使えるので、それなりには異世界でも通用しそうではある。
ということで、俺達は神様から与えられた【魂の修練】というものを終わらせなくてはならない。
終わったら元の世界、元の時間に帰れるということだが。
それだけを告げて神様はスッと消えてしまった。
「神様、【魂の修練】って一体何?」
そう聞きたかったが、俺達の転生は開始された。
しかも一緒に落ちた相棒は、まったく別の場所に落ちてしまったらしい。
おいおい、これからどうなるんだ俺達。
【完結】ねこの国のサム
榊咲
ファンタジー
ねこのくにに住んでいるサムはお母さんと兄妹と一緒に暮らしています。サムと兄妹のブチ、ニセイ、チビの何げない日常。
初めての投稿です。ゆるゆるな設定です。
2021.5.19 登場人物を追加しました。
2021.5.26 登場人物を変更しました。
2021.5.31 まだ色々エピソードを入れたいので短編から長編に変更しました。
第14回ファンタジー大賞エントリーしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる