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第1章
9 港の男 後編
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最初にアランが来てから半月頃。再びアランが森へやってきた。
(アランが来たってことは魔道剣士たちはどうにも出来なかったのかしら)
魔道剣士とは王国の軍の組織のひとつ。魔法を使った剣士たち。魔法を扱う者。魔法を使って戦うことが出来る者。中には癒しの魔法を使う者もいるらしい。
「どうにも出来なかったのかしら?」
そう尋ねるとアランはエレンに言った。
「詳しいことは俺には分かりゃせんでぇ。とにかくエレン様にシーラの町まで来てくれるようにと言われましてぇ」
この男はどうも癖のあるしゃべり方をするらしい。
「一緒に来て下さいますかぃ。エリック様がお待ちしてますんでい」
「分かった」
エレンはこの前と同じように箒を持ち、小屋に魔法をかけて消してしまった。そして箒に跨がりアランにも跨がるように言う。
「急ぐよ」
地面を蹴ったエレンがバランスよく箒に乗って飛び出す。アランは二度目の空だが、また「うわぁーすっげぇや!」と歓声を上げる。
エレンはスピードを上げてシーラの町へと降り立った。
「ひゃー、ほんとすげぇや」
アランは降りた後もそう騒いでいた。
「そんなことよりエリック様の所へ」
「おぅ。そうだぁそうだぁ」
と、エリックの屋敷まで急ぐ。その間、町の様子を伺うエレン。何処と無くこの前来た時と何かが違う。
(気のせいかな)
エレンは気にし過ぎと思い、エリックの屋敷へ急いだ。
◇◇◇◇◇
応接間に通されたエレンは、屋敷の中の空気も違うことに気付いた。
それが何でかは分からないけど、確かに何かが違うのだ。
「待たせたね」
応接間に入ってきたエリックの姿を見てエレンは驚いた。エリックは車椅子に座って執事に押されて来たのだ。
ガタッ!
思わず立ち上がったエレンは椅子を思いっきり倒してしまった。
「エリック様!」
まさか、エリックが車椅子で登場するとは思ってもいなかった。
「どうしたのですか」
「エレン、精霊が囚われてると言ってたね」
「あ、はい」
「精霊、囚われていたよ」
エリックの話によると、魔法剣士たちが海へ向かうと波の間から人影が現れたという。その人影は海に浮かんでおり、だがその姿は張り付けにされているような状態だったと言う。
魔力のない者には見えないが、魔法剣士たちは魔力が強い。その為その姿を見ることが出来たのだ。そして、その場にはエリックもいた。
張り付けにされたような人影はやはり海の精霊だった。その精霊を捉えていたのは海に住む魔の生き物。姿はクジラのように大きく、深海魚のようなギョロとした目を持ち、口も人間などをひと飲み出来そうな程大きい。
「私はその魔の生き物の魔力に当てられてしまったのだよ」
その生き物の魔力は負の魔力だろう。エリックは魔法剣士たちよりは魔力はないだろうから、負の魔力を浴びて足が動かなくなってしまったのだろう。
「手助けが出来ればと思い、私も海まで行ったのが間違いだったようだ」
「町が違和感で溢れているのはその魔力のせいですね」
エレンはそう言うと立ち上がった。
「魔法剣士たちはどうしてます?無事ですか?」
「レベルが高い士官クラスはどうにか無事だが、それ以外の下の者たちは魔力を浴びてどこかしら動かなくなっている」
「そうですか。では、私が手を出すしかないようですね」
なるべく関わりを持ちたくない相手だった。海の魔の生き物、ホエールデビル。昔、エレンと対峙したことがあった。その時、ホエールデビルはエレンに求愛をしてきた。
『お前、俺の一部になれ。そしてこの海の主となるのだ』
そう言われたことを思い出していた。エレンはあの頃、思いっきり振っていた。
(また言われるのかな)
ため息を吐いて海へと向かう。アランが付いて来ようとしたがそれは丁重に断った。
箒に乗って海まで行く。
町は店がひとつも開いていない状態だった。
人々も外には出ていなかった。
(本来ならキレイな町なのに)
ホエールデビルを赦せなかった。自然界のことには手を出さないが、これは自然界のことではない。魔法界のことだ。
力を持つものが持たないものに危害を加えたらダメだ。
「ここは私がなんとかしないとっ!」
◇◇◇◇◇
船着き場に降り立ったエレンは、深呼吸をした。そして海に向かって名前を呼んだ。
「ホエールデビル。いるんでしょ」
静かにそう言うと波が大きく揺れて高く上がっていく。空は雲で覆い塞がれている為、昼間でも暗い。
海からザバーンっ!と姿を現したその生き物がエレンを見下ろしていた。
「久しいのぉ。愛しのエレン」
本当に恋しているのかホエールデビルは頬を赤らめてる。
「ようやくワシと一緒になってくれる決心がついたか」
「違うわ。あなたに精霊を解放して貰いにきたの」
海の精霊シーラ。シーラの町の名前の由来はこの精霊からだ。
「シーラを離して」
「嫌だね」
「ホエールデビル」
「シーラはワシを消そうとした」
「ホエールが悪さしたからでしょ」
「エレンもそう思うのか」
ギョロとエレンを見るその目は普通の人ならば一溜りもない。その眼力でエリックや魔法剣士たちはやられたのだ。
「やはり、エレンには効かぬか」
エレンの魔力は相当なものだとホエールデビルも知っていた。
「ホエール。精霊を捉えるとどんなことが起こると思ってる。己の身にも危険が及ぼすぞ」
少しの沈黙の後、ホエールデビルは言った。
「分かっておる」
「なら離せ」
「……エレンが私のものになるなら」
ホエールデビルはスッと人形の姿になった。そして海から出て船着き場まで来る。
「私はエレンが欲しいのだよ」
「お前は500年前に私の魔力で眠りについた筈だろう。また同じことをさせる気か」
「エレンが欲しい」
「話を聞け」
ふたりの話は噛み合わない。そのことに呆れてしまうエレンは、深いため息を吐く。
「私は海では生活出来ない。お前も陸では生活出来ない」
それを聞いたホエールは悲しそうな顔をして見せた。
「なぜ……なんだろうな。ワシはお前が欲しいのに、手にすることは叶わぬ」
「だからといって精霊を捉えるのはどうかと思う」
そう言ったエレンにもう一度悲しい顔をした。
「お前が何かしら精霊にやったから、シーラはお前を消そうとしたのだろう。でなければ、シーラは何もしない。シーラはこの海を守る者だから」
「……そうだ。ワシが悪い」
「ならばまた眠るか」
「それは嫌だね」
「ホエール!」
ホエールはエレンを見た。
「頼みがある。ワシを陸で暮らせるように出来ぬか?」
◇◇◇◇◇
あの日。ホエールがエレンにした頼みとは陸で暮らせるようになりたいというものだった。
エレンならそれが出来ると頼み出た。確かにエレンはそれだけの魔力がある。
ならばとエレンからは精霊の解放と、エリックたちにかかった魔力を解除することだった。
「エレン様」
頭を下げるエリックに慌てる。
「ありがとう。この町を守ってくれて」
「守ってなんかいない!昔の知り合いと話をしただけだ」
「それでも海は元に戻り、精霊は解放された。我々も元の身体へと戻った。それだけでも充分なのだ」
「だけど、あの海の現状は少なくとも私が関わっていたようで、申し訳ないです」
「そんなことはないです。我々ももう少し海を大事にしなければいけまんね」
屋敷から外を見るエリックはこの町を大切にしている。
それが分かるからこの町は素敵な町なのだろう。今日は久しぶりに広場で大きなマルシェが行われている。町並みも活気づいている。
そしてホエールデビルはというと……。
「エレン」
エレンの傍から離れないこの男。銀髪の長身。筋肉質。
これがホエールデビルだ。人形になるとこんな姿。自分をイケメン化していた。
「その姿、なんとかならないのか」
呆れて見るエレンに「いいだろ?」とどや顔。
「どんだけ自分好きなんだよ」
(こういうところが昔っから嫌なんだ)
頭を抱える事態になってる。
そう。ホエールは陸に上がり、エレンの傍で生活をするようになっている。エレンは基本森からは出ないからホエールにとっては居心地悪いのかもしれないが、今のところエレンに何かをするわけでもなかった。
ただ一緒にいるだけだった。
「帰るよ、ホエール」
箒に跨がり空を飛ぶ。一緒に箒に跨がりここぞとばかりにエレンに抱きつくホエール。
「触りすぎ!落とすよ」
そう言われてもそうはしないことを知ってるからホエールはエレンが好きなのだ。
空から見たシーラの町はとてもキレイだった。
海には精霊シーラが見守っているのが見えた。
この町は大丈夫だろう。
エレンは町を見下ろしてはそう感じた。
第1章 END
(アランが来たってことは魔道剣士たちはどうにも出来なかったのかしら)
魔道剣士とは王国の軍の組織のひとつ。魔法を使った剣士たち。魔法を扱う者。魔法を使って戦うことが出来る者。中には癒しの魔法を使う者もいるらしい。
「どうにも出来なかったのかしら?」
そう尋ねるとアランはエレンに言った。
「詳しいことは俺には分かりゃせんでぇ。とにかくエレン様にシーラの町まで来てくれるようにと言われましてぇ」
この男はどうも癖のあるしゃべり方をするらしい。
「一緒に来て下さいますかぃ。エリック様がお待ちしてますんでい」
「分かった」
エレンはこの前と同じように箒を持ち、小屋に魔法をかけて消してしまった。そして箒に跨がりアランにも跨がるように言う。
「急ぐよ」
地面を蹴ったエレンがバランスよく箒に乗って飛び出す。アランは二度目の空だが、また「うわぁーすっげぇや!」と歓声を上げる。
エレンはスピードを上げてシーラの町へと降り立った。
「ひゃー、ほんとすげぇや」
アランは降りた後もそう騒いでいた。
「そんなことよりエリック様の所へ」
「おぅ。そうだぁそうだぁ」
と、エリックの屋敷まで急ぐ。その間、町の様子を伺うエレン。何処と無くこの前来た時と何かが違う。
(気のせいかな)
エレンは気にし過ぎと思い、エリックの屋敷へ急いだ。
◇◇◇◇◇
応接間に通されたエレンは、屋敷の中の空気も違うことに気付いた。
それが何でかは分からないけど、確かに何かが違うのだ。
「待たせたね」
応接間に入ってきたエリックの姿を見てエレンは驚いた。エリックは車椅子に座って執事に押されて来たのだ。
ガタッ!
思わず立ち上がったエレンは椅子を思いっきり倒してしまった。
「エリック様!」
まさか、エリックが車椅子で登場するとは思ってもいなかった。
「どうしたのですか」
「エレン、精霊が囚われてると言ってたね」
「あ、はい」
「精霊、囚われていたよ」
エリックの話によると、魔法剣士たちが海へ向かうと波の間から人影が現れたという。その人影は海に浮かんでおり、だがその姿は張り付けにされているような状態だったと言う。
魔力のない者には見えないが、魔法剣士たちは魔力が強い。その為その姿を見ることが出来たのだ。そして、その場にはエリックもいた。
張り付けにされたような人影はやはり海の精霊だった。その精霊を捉えていたのは海に住む魔の生き物。姿はクジラのように大きく、深海魚のようなギョロとした目を持ち、口も人間などをひと飲み出来そうな程大きい。
「私はその魔の生き物の魔力に当てられてしまったのだよ」
その生き物の魔力は負の魔力だろう。エリックは魔法剣士たちよりは魔力はないだろうから、負の魔力を浴びて足が動かなくなってしまったのだろう。
「手助けが出来ればと思い、私も海まで行ったのが間違いだったようだ」
「町が違和感で溢れているのはその魔力のせいですね」
エレンはそう言うと立ち上がった。
「魔法剣士たちはどうしてます?無事ですか?」
「レベルが高い士官クラスはどうにか無事だが、それ以外の下の者たちは魔力を浴びてどこかしら動かなくなっている」
「そうですか。では、私が手を出すしかないようですね」
なるべく関わりを持ちたくない相手だった。海の魔の生き物、ホエールデビル。昔、エレンと対峙したことがあった。その時、ホエールデビルはエレンに求愛をしてきた。
『お前、俺の一部になれ。そしてこの海の主となるのだ』
そう言われたことを思い出していた。エレンはあの頃、思いっきり振っていた。
(また言われるのかな)
ため息を吐いて海へと向かう。アランが付いて来ようとしたがそれは丁重に断った。
箒に乗って海まで行く。
町は店がひとつも開いていない状態だった。
人々も外には出ていなかった。
(本来ならキレイな町なのに)
ホエールデビルを赦せなかった。自然界のことには手を出さないが、これは自然界のことではない。魔法界のことだ。
力を持つものが持たないものに危害を加えたらダメだ。
「ここは私がなんとかしないとっ!」
◇◇◇◇◇
船着き場に降り立ったエレンは、深呼吸をした。そして海に向かって名前を呼んだ。
「ホエールデビル。いるんでしょ」
静かにそう言うと波が大きく揺れて高く上がっていく。空は雲で覆い塞がれている為、昼間でも暗い。
海からザバーンっ!と姿を現したその生き物がエレンを見下ろしていた。
「久しいのぉ。愛しのエレン」
本当に恋しているのかホエールデビルは頬を赤らめてる。
「ようやくワシと一緒になってくれる決心がついたか」
「違うわ。あなたに精霊を解放して貰いにきたの」
海の精霊シーラ。シーラの町の名前の由来はこの精霊からだ。
「シーラを離して」
「嫌だね」
「ホエールデビル」
「シーラはワシを消そうとした」
「ホエールが悪さしたからでしょ」
「エレンもそう思うのか」
ギョロとエレンを見るその目は普通の人ならば一溜りもない。その眼力でエリックや魔法剣士たちはやられたのだ。
「やはり、エレンには効かぬか」
エレンの魔力は相当なものだとホエールデビルも知っていた。
「ホエール。精霊を捉えるとどんなことが起こると思ってる。己の身にも危険が及ぼすぞ」
少しの沈黙の後、ホエールデビルは言った。
「分かっておる」
「なら離せ」
「……エレンが私のものになるなら」
ホエールデビルはスッと人形の姿になった。そして海から出て船着き場まで来る。
「私はエレンが欲しいのだよ」
「お前は500年前に私の魔力で眠りについた筈だろう。また同じことをさせる気か」
「エレンが欲しい」
「話を聞け」
ふたりの話は噛み合わない。そのことに呆れてしまうエレンは、深いため息を吐く。
「私は海では生活出来ない。お前も陸では生活出来ない」
それを聞いたホエールは悲しそうな顔をして見せた。
「なぜ……なんだろうな。ワシはお前が欲しいのに、手にすることは叶わぬ」
「だからといって精霊を捉えるのはどうかと思う」
そう言ったエレンにもう一度悲しい顔をした。
「お前が何かしら精霊にやったから、シーラはお前を消そうとしたのだろう。でなければ、シーラは何もしない。シーラはこの海を守る者だから」
「……そうだ。ワシが悪い」
「ならばまた眠るか」
「それは嫌だね」
「ホエール!」
ホエールはエレンを見た。
「頼みがある。ワシを陸で暮らせるように出来ぬか?」
◇◇◇◇◇
あの日。ホエールがエレンにした頼みとは陸で暮らせるようになりたいというものだった。
エレンならそれが出来ると頼み出た。確かにエレンはそれだけの魔力がある。
ならばとエレンからは精霊の解放と、エリックたちにかかった魔力を解除することだった。
「エレン様」
頭を下げるエリックに慌てる。
「ありがとう。この町を守ってくれて」
「守ってなんかいない!昔の知り合いと話をしただけだ」
「それでも海は元に戻り、精霊は解放された。我々も元の身体へと戻った。それだけでも充分なのだ」
「だけど、あの海の現状は少なくとも私が関わっていたようで、申し訳ないです」
「そんなことはないです。我々ももう少し海を大事にしなければいけまんね」
屋敷から外を見るエリックはこの町を大切にしている。
それが分かるからこの町は素敵な町なのだろう。今日は久しぶりに広場で大きなマルシェが行われている。町並みも活気づいている。
そしてホエールデビルはというと……。
「エレン」
エレンの傍から離れないこの男。銀髪の長身。筋肉質。
これがホエールデビルだ。人形になるとこんな姿。自分をイケメン化していた。
「その姿、なんとかならないのか」
呆れて見るエレンに「いいだろ?」とどや顔。
「どんだけ自分好きなんだよ」
(こういうところが昔っから嫌なんだ)
頭を抱える事態になってる。
そう。ホエールは陸に上がり、エレンの傍で生活をするようになっている。エレンは基本森からは出ないからホエールにとっては居心地悪いのかもしれないが、今のところエレンに何かをするわけでもなかった。
ただ一緒にいるだけだった。
「帰るよ、ホエール」
箒に跨がり空を飛ぶ。一緒に箒に跨がりここぞとばかりにエレンに抱きつくホエール。
「触りすぎ!落とすよ」
そう言われてもそうはしないことを知ってるからホエールはエレンが好きなのだ。
空から見たシーラの町はとてもキレイだった。
海には精霊シーラが見守っているのが見えた。
この町は大丈夫だろう。
エレンは町を見下ろしてはそう感じた。
第1章 END
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