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第4章
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ガチャッと玄関が開く。夜中に湊がアパートに戻ると、零士の靴はそのままあった。
「にゃろー……」
柚子の部屋からは物音はしない。そっとドアを開けると柚子を抱きかかえた状態でふたりは眠っていて、床にはふたりの服が散らばっていた。
(ま、無理だな)
湊には分かっていた。一緒にいればこうなることを分かっていた。
(面倒くせぇ)
考えることをやめた湊は風呂に入る為、バスルームへと向かった。
◇◇◇◇◇
「……んっ」
寝返りを打つ柚子に気付いた零士はそっと目を開ける。
(何時だ……)
部屋の壁にある時計に目をやると朝の8時だった。柚子はまだ眠ったままだった。
そっとベッドから抜け出し、散らばった服を着て部屋を出る。
リビングには湊がソファーに座ってテレビを観ていた。
「お前さぁ、ヤってんじゃねぇよ」
零士を見ることはしないまま言う湊は怒ってるというより呆れていた。
「あはは」
と笑う零士に深いため息を吐く。
「会う度にヤってんじゃねーだろうな」
その言葉に考え込んだ。
(どうだったろう……)
考えてみると、ほぼベッド行きになってる。そもそも会う時間が悪い。
「お前なぁ……」
とうとう零士の方を向いた湊。
「柚子は?」
「ああ、まだ寝てる」
「アイツが?」
湊は不思議そうだった。
「アイツ、休みでもキッチリ起きるんだが」
そこまで言って何か気付いた湊は零士を睨む。
「お前、アイツが動けなくなるくらいヤったんか」
「……あははっ」
笑って誤魔化す零士に呆れる。
「妹、壊すんじゃねぇよ。そもそも妹のそんな姿、見たくねぇし」
そう言って立ち上がると「出かける」と部屋から荷物持って出ていく。
湊がアパートを出ていってから、柚子の部屋に戻る零士はまだベッドで眠る柚子を見下ろしていた。
ベッドに腰掛け、髪を撫でる。
柚子はまだ起きる気配はない。それは自分のせいだと分かっている。
「理性、抑えられないんだよなぁ」
可愛くて可愛くて。柚子を目の前にすると抱きたくなる。だから何度も何度も抱いてしまう。
今もこうしているだけで、抱きたいと思ってしまう。
そっと柚子の髪に触れ、溢れてしまいそうな思いをぐっと堪えてる。
「……ん」
うっすらと目を開けた柚子がこっちを見ている。
「おはよう、柚子」
「あ……、お、はよ……」
顔を真っ赤にして布団に隠れる柚子が可愛くて、逃げられないようにおでこをくっ付けて両手で頬を包み込んだ。
「隠れちゃダメ」
そう言って唇を奪う。
「……んっ」
舌を入れて柚子の舌を絡めとる。
「ふぁ……、あ……んっ」
「エロい声」
唇を離した零士が柚子に囁く。
「もうっ!零士さんっ!」
上目遣いで零士を見る柚子の目がトロンとしていた。
「朝からセックスする?」
「なんでそればっかなのっ!」
そう言う柚子だが、零士に抱かれている時の心地よさはこれまで生きてきた中で信じられないくらい幸せな時間だった。
◇◇◇◇◇
「零士さん、今日お仕事は?」
結局あの後、流されるように身体を重ねてしまった柚子と零士はまだベッドの中にいた。
「今日はないよ」
零士はぎゅっと柚子を抱き締めて柚子の身体を撫でている。
その度に身体が反応してる。
「……んっ、もう……、ダメっ」
零士の手が胸に触れるとピクンと反応した柚子は、零士にやめてと言う。
「ダメなの?」
「うん……」
昨夜から零士に何度抱かれたのか、敏感になっている。
「えー、俺はもっとシたい」
「ダメ。身体、持たない」
「ダメなの?」
「ダメ」
そう言って顔を赤くする。
「分かった」
自分に引き寄せた零士の心の中はもっと柚子が欲しいと願っていた。
でも柚子の身体が動けなくなってしまうことも避けたかった。
「零士さんの腕の中、あったかい……」
背中に腕を回しぎゅっと抱きつく柚子がとても愛しい。
「どこか出かける?」
「え」
本当はたくさん遊びに連れて行きたいと思う。だからそう提案してみた。
「ううん。いい。こうしてるだけでいい」
柚子は零士のことを思ってか、出掛けることはしなかった。
◇◇◇◇◇
「来月からまたアメリカだから」
いい加減に起きようとふたりがベッドから這い上がったのは、昼間だった。
着替えて髪を整えてる零士が柚子に言った。
「レコーディング?」
「そ」
「どのくらい?」
「んー、3ヵ月くらいかな」
これまでも新曲制作の為によくアメリカに行っていた。3ヵ月ってことはアルバム制作の為だ。
少し曇りがちになった柚子に零士は言った。
「だから、うちのマンションの管理よろしく」
「え?」
「たまに部屋行って掃除とかお願い出来る?」
そのお願いに「うん」と返事をした。
「にゃろー……」
柚子の部屋からは物音はしない。そっとドアを開けると柚子を抱きかかえた状態でふたりは眠っていて、床にはふたりの服が散らばっていた。
(ま、無理だな)
湊には分かっていた。一緒にいればこうなることを分かっていた。
(面倒くせぇ)
考えることをやめた湊は風呂に入る為、バスルームへと向かった。
◇◇◇◇◇
「……んっ」
寝返りを打つ柚子に気付いた零士はそっと目を開ける。
(何時だ……)
部屋の壁にある時計に目をやると朝の8時だった。柚子はまだ眠ったままだった。
そっとベッドから抜け出し、散らばった服を着て部屋を出る。
リビングには湊がソファーに座ってテレビを観ていた。
「お前さぁ、ヤってんじゃねぇよ」
零士を見ることはしないまま言う湊は怒ってるというより呆れていた。
「あはは」
と笑う零士に深いため息を吐く。
「会う度にヤってんじゃねーだろうな」
その言葉に考え込んだ。
(どうだったろう……)
考えてみると、ほぼベッド行きになってる。そもそも会う時間が悪い。
「お前なぁ……」
とうとう零士の方を向いた湊。
「柚子は?」
「ああ、まだ寝てる」
「アイツが?」
湊は不思議そうだった。
「アイツ、休みでもキッチリ起きるんだが」
そこまで言って何か気付いた湊は零士を睨む。
「お前、アイツが動けなくなるくらいヤったんか」
「……あははっ」
笑って誤魔化す零士に呆れる。
「妹、壊すんじゃねぇよ。そもそも妹のそんな姿、見たくねぇし」
そう言って立ち上がると「出かける」と部屋から荷物持って出ていく。
湊がアパートを出ていってから、柚子の部屋に戻る零士はまだベッドで眠る柚子を見下ろしていた。
ベッドに腰掛け、髪を撫でる。
柚子はまだ起きる気配はない。それは自分のせいだと分かっている。
「理性、抑えられないんだよなぁ」
可愛くて可愛くて。柚子を目の前にすると抱きたくなる。だから何度も何度も抱いてしまう。
今もこうしているだけで、抱きたいと思ってしまう。
そっと柚子の髪に触れ、溢れてしまいそうな思いをぐっと堪えてる。
「……ん」
うっすらと目を開けた柚子がこっちを見ている。
「おはよう、柚子」
「あ……、お、はよ……」
顔を真っ赤にして布団に隠れる柚子が可愛くて、逃げられないようにおでこをくっ付けて両手で頬を包み込んだ。
「隠れちゃダメ」
そう言って唇を奪う。
「……んっ」
舌を入れて柚子の舌を絡めとる。
「ふぁ……、あ……んっ」
「エロい声」
唇を離した零士が柚子に囁く。
「もうっ!零士さんっ!」
上目遣いで零士を見る柚子の目がトロンとしていた。
「朝からセックスする?」
「なんでそればっかなのっ!」
そう言う柚子だが、零士に抱かれている時の心地よさはこれまで生きてきた中で信じられないくらい幸せな時間だった。
◇◇◇◇◇
「零士さん、今日お仕事は?」
結局あの後、流されるように身体を重ねてしまった柚子と零士はまだベッドの中にいた。
「今日はないよ」
零士はぎゅっと柚子を抱き締めて柚子の身体を撫でている。
その度に身体が反応してる。
「……んっ、もう……、ダメっ」
零士の手が胸に触れるとピクンと反応した柚子は、零士にやめてと言う。
「ダメなの?」
「うん……」
昨夜から零士に何度抱かれたのか、敏感になっている。
「えー、俺はもっとシたい」
「ダメ。身体、持たない」
「ダメなの?」
「ダメ」
そう言って顔を赤くする。
「分かった」
自分に引き寄せた零士の心の中はもっと柚子が欲しいと願っていた。
でも柚子の身体が動けなくなってしまうことも避けたかった。
「零士さんの腕の中、あったかい……」
背中に腕を回しぎゅっと抱きつく柚子がとても愛しい。
「どこか出かける?」
「え」
本当はたくさん遊びに連れて行きたいと思う。だからそう提案してみた。
「ううん。いい。こうしてるだけでいい」
柚子は零士のことを思ってか、出掛けることはしなかった。
◇◇◇◇◇
「来月からまたアメリカだから」
いい加減に起きようとふたりがベッドから這い上がったのは、昼間だった。
着替えて髪を整えてる零士が柚子に言った。
「レコーディング?」
「そ」
「どのくらい?」
「んー、3ヵ月くらいかな」
これまでも新曲制作の為によくアメリカに行っていた。3ヵ月ってことはアルバム制作の為だ。
少し曇りがちになった柚子に零士は言った。
「だから、うちのマンションの管理よろしく」
「え?」
「たまに部屋行って掃除とかお願い出来る?」
そのお願いに「うん」と返事をした。
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