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2章 入城
15話 ふわさしい服装になろう
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三人は町にやってきた。
「けっこう栄えているな」
「そうですね。綺麗だし、とても雰囲気が良い感じです」
エドワードとジーナが感想を言い合う。
シルヴィアは特に思うところはないようで、ジーナに手を引かれながらボーッと歩いていた。
しばらく歩くと、エドワードが立ち止まって二人を見た。
「じゃ、俺は情報収集してくるから、二人は日用品の買い出しをしていてくれないか?」
「…………? 私がまじゅ」「わかりました! さぁシルヴィア様、行きますよ!」
シルヴィアが何か言いかけるとかぶせてジーナが返事をして、シルヴィアをズルズルと引っぱって行ってしまった。
エドワードはさりげなく市場観察をしつつ、町の人々と会話し、情報を聞きだした。
どうやら税は納められているようだ。
となると、公爵家から派遣された税徴収官が取りに来ている……の前に、この城塞都市のメイヤーが徴収しているはずだ。
「メイヤーに会って話を聞くべきだな」
そのためには準備をしなければ、と、エドワードはやるべきことを脳裏に書き出した。
*
「まずは服装です。人は見た目で九割を判断します」
エドワードは、シルヴィアたちを捕まえると今後の計画を話し始めた。
今の『どう見ても平民』という格好をしている三人では、たとえシルヴィアが契約書を見せたとしても誰にも城主として認めてもらえないだろう。
「そういうことでシルヴィア様、服飾店に行き、ふさわしい服を手に入れましょう」
エドワードはそう言うと、二人を連れて服飾店に出向いた。
服飾店に入ると、ジーナはウキウキしながら服をあれこれ見始めた。
エドワードは、やはり女の子は服が好きなんだなと微笑ましく思いつつ、店主と話した。
「……申し訳ありません。需要がないもので……お時間をいただければ、デザインを取り寄せて、オーダーで作ることは可能ですが……」
エドワードの注文に、申し訳なさそうな顔で店主は謝った。
エドワードはため息をついた。
予測はしてなかったといえば嘘になる。
ここは公爵領でも南西の半島に位置している。先ほど地図で確認したところ、公爵領からはいったん隣国を通り行くか、城塞から吊り橋を下ろして通るかしか出来ないのだ。
そんな不便な場所に貴族が行くわけがない。
恐らく、この町ですべてが完結しているか、交流があっても隣国とだろう。
貴族らしい服が手に入らないのは困ったことだが、逆に考えればメイヤーは貴族を知らないだろう。
金をかけた服を着れば誤魔化せるかもな、とエドワードが考えていたら、いつの間にかジーナが傍に寄ってきていた。
「それならば、この服とこの服とこの服。これらと、これらに使った布、そして工房を貸してください」
ジーナが急にキッパリと言いきった。
啞然とする店主とエドワードに、ジーナは胸を叩いてみせる。
「シルヴィア様の侍女たる者、私服くらい仕立てられて当たり前ですから! 今回は時間がないので、これらの服をリメイクしてふさわしい衣装に仕立て直します!」
工房に行くと、ジーナはテキパキと指示をする。
「エドワード様用の騎士服は、確実に手と足の長さが足りません。裾出しくらいは出来ますよね? シルヴィア様は今回ドレスではなく動きやすさと威厳を出すためにキュロットパンツにしましょう。私は侍女服ですが、公爵家の正規のではなく、あくまでもシルヴィア様の侍女、ということでアレンジさせていただきます」
エドワードは呆気にとられていたが、隙を見てジーナに話しかけた。
「……なんで公爵家の衣装を知っているんだ?」
ジーナがエドワードを振り返り、溌剌と笑いかけた。
「私、この間まで服飾店の下請けをやっている工房で働いていたんです。工房では公爵家の使用人の服はもちろん、公爵家の方々の領内での私服もパターンから縫製まですべてを手がけていました。ですので、時間があれば一から作ることも可能なんです」
エドワードは驚いてジーナをまじまじと見てしまう。
ジーナはいたずらっぽく笑った。
「――これ、本当は秘密なんですけどね。有名な服飾店は、たいてい下請けをいくつも抱えています。そして服飾店自体では縫うどころかパターンを起こすことすらしていません。うちの工房は、界隈では実力のある工房として有名だったので、公爵家の服を全部任せてもらっていたんです」
そう言いながらジーナは当時を振り返る。
(たまーに、とんでもないデザインのパターンをやらされて、しかも納期が短いとかで、何日も徹夜したなぁ……しかも私だけ!
旦那様も奥様も調子よく受けて、やるのは私。遅いと能無し呼ばわりされたな……。
私がいなくなったから自分たちでやるんだろうけど、そのときに私の苦労を思い知ればいい!)
と、今さらながら理不尽な仕打ちに憤った。
ジーナは軽く頭を振り過去にされた仕打ちを頭殻追い出し、また指示を出しつつパターンを書いていく。
エドワードはそれを見ながら、これだけ実力のある少女が追っ手を気にする一人旅をしていた理由をぼんやりと考えた。
エドワードとシルヴィアは採寸され、仮縫いで何度か服を着替えさせられ、ジーナの手腕に舌を巻いた店主はジーナと二人で盛り上がりながらリメイクを進めていった。
結果、ありえないスピードで服が出来上がった。
「……見覚えのある騎士服が……」
「エドワード様に見覚えがあるのは当たり前でしょうが」
ジーナが即ツッコむ。
エドワードの視線の先に、公爵家の騎士服とソックリの服があった。
ジーナの侍女服も、それっぽい仕上がりだ。
圧巻はシルヴィアだ。ドレスではなくキュロットパンツにしたため、いかにも幼いながらも城主に任命された少女、という雰囲気になった。
「見た目九割、確保出来ましたか?」
こっそりとジーナがエドワードに尋ね、エドワードは苦笑しながらうなずいた。
帰りがけにエドワードがふと目にしたのは、何気なく飾られていた小さなステッキだ。
「シルヴィア様。このステッキ、いつも持っていたあの棒き……エヘン、杖に似ていませんかね?」
エドワードがシルヴィアに手渡すと、シルヴィアがボーッと受け取り、トントン、と床を叩く。
「おぉ、お目が高いですな。それは、魔術師用のステッキです。注文を受け取り寄せたのですが、キャンセルされましてな……。気に入ったのでしたら、お近づきの印と言ってはなんですがプレゼントいたします。品質は保証しますぞ!」
シルヴィアは無言でトントンと床を叩き続けている。すると、次第にキラキラしたものが地面から湧き上がってきた。
「「「え?」」」
キラキラが湧き上がり、店中に金粉を撒いたかのように漂い、しばらくして消えた。
「もらいます」
何事も起きなかったかのようにシルヴィアは平坦な声で言った。
「ぜひともウチで働いてほしい!」
と、ジーナに熱いラブコールを送る店主をなだめつつ三人は店をあとにし、しばらく歩いてからジーナが尋ねた。
「……それにしても……。あのキラキラは何だったんですか? 魔術師用のステッキを使うとああなるんですか?」
エドワードは首を横に振る。
「俺も魔術師専用の道具を使ったことがないからな……。魔術騎士団は使っているが、ステッキじゃなかった」
「あのキラキラは、前つかってたひとの魔力です」
シルヴィアが唐突に言った。
「私がつかうことになったので、でていきました」
「「…………」」
説明されたのだろうが、サッパリわからない。
わかったのは、もともと誰かが使っていたものだ、ということだ。
そして、シルヴィアが使うことになったから起きたのであって普通は起きないんじゃないかとも考えた。
「ま、いいか。とにかく、見た目九割を突破するような服を手に入れた。明日、抜き打ちでメイヤーに会いに行くから、鋭気を養おう」
「はい!」
エドワードが言うと、ジーナは張り切って返事をした。
「けっこう栄えているな」
「そうですね。綺麗だし、とても雰囲気が良い感じです」
エドワードとジーナが感想を言い合う。
シルヴィアは特に思うところはないようで、ジーナに手を引かれながらボーッと歩いていた。
しばらく歩くと、エドワードが立ち止まって二人を見た。
「じゃ、俺は情報収集してくるから、二人は日用品の買い出しをしていてくれないか?」
「…………? 私がまじゅ」「わかりました! さぁシルヴィア様、行きますよ!」
シルヴィアが何か言いかけるとかぶせてジーナが返事をして、シルヴィアをズルズルと引っぱって行ってしまった。
エドワードはさりげなく市場観察をしつつ、町の人々と会話し、情報を聞きだした。
どうやら税は納められているようだ。
となると、公爵家から派遣された税徴収官が取りに来ている……の前に、この城塞都市のメイヤーが徴収しているはずだ。
「メイヤーに会って話を聞くべきだな」
そのためには準備をしなければ、と、エドワードはやるべきことを脳裏に書き出した。
*
「まずは服装です。人は見た目で九割を判断します」
エドワードは、シルヴィアたちを捕まえると今後の計画を話し始めた。
今の『どう見ても平民』という格好をしている三人では、たとえシルヴィアが契約書を見せたとしても誰にも城主として認めてもらえないだろう。
「そういうことでシルヴィア様、服飾店に行き、ふさわしい服を手に入れましょう」
エドワードはそう言うと、二人を連れて服飾店に出向いた。
服飾店に入ると、ジーナはウキウキしながら服をあれこれ見始めた。
エドワードは、やはり女の子は服が好きなんだなと微笑ましく思いつつ、店主と話した。
「……申し訳ありません。需要がないもので……お時間をいただければ、デザインを取り寄せて、オーダーで作ることは可能ですが……」
エドワードの注文に、申し訳なさそうな顔で店主は謝った。
エドワードはため息をついた。
予測はしてなかったといえば嘘になる。
ここは公爵領でも南西の半島に位置している。先ほど地図で確認したところ、公爵領からはいったん隣国を通り行くか、城塞から吊り橋を下ろして通るかしか出来ないのだ。
そんな不便な場所に貴族が行くわけがない。
恐らく、この町ですべてが完結しているか、交流があっても隣国とだろう。
貴族らしい服が手に入らないのは困ったことだが、逆に考えればメイヤーは貴族を知らないだろう。
金をかけた服を着れば誤魔化せるかもな、とエドワードが考えていたら、いつの間にかジーナが傍に寄ってきていた。
「それならば、この服とこの服とこの服。これらと、これらに使った布、そして工房を貸してください」
ジーナが急にキッパリと言いきった。
啞然とする店主とエドワードに、ジーナは胸を叩いてみせる。
「シルヴィア様の侍女たる者、私服くらい仕立てられて当たり前ですから! 今回は時間がないので、これらの服をリメイクしてふさわしい衣装に仕立て直します!」
工房に行くと、ジーナはテキパキと指示をする。
「エドワード様用の騎士服は、確実に手と足の長さが足りません。裾出しくらいは出来ますよね? シルヴィア様は今回ドレスではなく動きやすさと威厳を出すためにキュロットパンツにしましょう。私は侍女服ですが、公爵家の正規のではなく、あくまでもシルヴィア様の侍女、ということでアレンジさせていただきます」
エドワードは呆気にとられていたが、隙を見てジーナに話しかけた。
「……なんで公爵家の衣装を知っているんだ?」
ジーナがエドワードを振り返り、溌剌と笑いかけた。
「私、この間まで服飾店の下請けをやっている工房で働いていたんです。工房では公爵家の使用人の服はもちろん、公爵家の方々の領内での私服もパターンから縫製まですべてを手がけていました。ですので、時間があれば一から作ることも可能なんです」
エドワードは驚いてジーナをまじまじと見てしまう。
ジーナはいたずらっぽく笑った。
「――これ、本当は秘密なんですけどね。有名な服飾店は、たいてい下請けをいくつも抱えています。そして服飾店自体では縫うどころかパターンを起こすことすらしていません。うちの工房は、界隈では実力のある工房として有名だったので、公爵家の服を全部任せてもらっていたんです」
そう言いながらジーナは当時を振り返る。
(たまーに、とんでもないデザインのパターンをやらされて、しかも納期が短いとかで、何日も徹夜したなぁ……しかも私だけ!
旦那様も奥様も調子よく受けて、やるのは私。遅いと能無し呼ばわりされたな……。
私がいなくなったから自分たちでやるんだろうけど、そのときに私の苦労を思い知ればいい!)
と、今さらながら理不尽な仕打ちに憤った。
ジーナは軽く頭を振り過去にされた仕打ちを頭殻追い出し、また指示を出しつつパターンを書いていく。
エドワードはそれを見ながら、これだけ実力のある少女が追っ手を気にする一人旅をしていた理由をぼんやりと考えた。
エドワードとシルヴィアは採寸され、仮縫いで何度か服を着替えさせられ、ジーナの手腕に舌を巻いた店主はジーナと二人で盛り上がりながらリメイクを進めていった。
結果、ありえないスピードで服が出来上がった。
「……見覚えのある騎士服が……」
「エドワード様に見覚えがあるのは当たり前でしょうが」
ジーナが即ツッコむ。
エドワードの視線の先に、公爵家の騎士服とソックリの服があった。
ジーナの侍女服も、それっぽい仕上がりだ。
圧巻はシルヴィアだ。ドレスではなくキュロットパンツにしたため、いかにも幼いながらも城主に任命された少女、という雰囲気になった。
「見た目九割、確保出来ましたか?」
こっそりとジーナがエドワードに尋ね、エドワードは苦笑しながらうなずいた。
帰りがけにエドワードがふと目にしたのは、何気なく飾られていた小さなステッキだ。
「シルヴィア様。このステッキ、いつも持っていたあの棒き……エヘン、杖に似ていませんかね?」
エドワードがシルヴィアに手渡すと、シルヴィアがボーッと受け取り、トントン、と床を叩く。
「おぉ、お目が高いですな。それは、魔術師用のステッキです。注文を受け取り寄せたのですが、キャンセルされましてな……。気に入ったのでしたら、お近づきの印と言ってはなんですがプレゼントいたします。品質は保証しますぞ!」
シルヴィアは無言でトントンと床を叩き続けている。すると、次第にキラキラしたものが地面から湧き上がってきた。
「「「え?」」」
キラキラが湧き上がり、店中に金粉を撒いたかのように漂い、しばらくして消えた。
「もらいます」
何事も起きなかったかのようにシルヴィアは平坦な声で言った。
「ぜひともウチで働いてほしい!」
と、ジーナに熱いラブコールを送る店主をなだめつつ三人は店をあとにし、しばらく歩いてからジーナが尋ねた。
「……それにしても……。あのキラキラは何だったんですか? 魔術師用のステッキを使うとああなるんですか?」
エドワードは首を横に振る。
「俺も魔術師専用の道具を使ったことがないからな……。魔術騎士団は使っているが、ステッキじゃなかった」
「あのキラキラは、前つかってたひとの魔力です」
シルヴィアが唐突に言った。
「私がつかうことになったので、でていきました」
「「…………」」
説明されたのだろうが、サッパリわからない。
わかったのは、もともと誰かが使っていたものだ、ということだ。
そして、シルヴィアが使うことになったから起きたのであって普通は起きないんじゃないかとも考えた。
「ま、いいか。とにかく、見た目九割を突破するような服を手に入れた。明日、抜き打ちでメイヤーに会いに行くから、鋭気を養おう」
「はい!」
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