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第49話 絶対エーギル支部!

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 ……と、面接みたいな質疑応答を繰り返していたら、面接官みたいな会長が顎を撫でながら呟いた。
「そうか。君は母親似なのか。確かに、見た目もアリア・モーガン夫人に似ているしな」
 俺は驚いて、セイバーズ協会会長を見た。

「彼女を面接したのは私だからね、よく覚えている。自分を卑下して、『支援魔法しか使えない』と言っていた。実際に試験で実技を見せてもらったが、なぜ謙遜するのかわからないくらいに非常に多彩な魔法を使いこなしていた。……どうも、アカデミー時代はバディに恵まれなかったとわかったので、『魔法を何種類も使いこなせる者は、現役のセイバーズにもそういない』と告げたら驚いていたのを思い出す」

 ……なるほど。母さんが俺にそう教えたのは、この人に言われたからか。
「……俺も母さんにそう言われたんですが……。エドウィンも使いこなしています。しかも、俺より強力なんです」
 ちょっとふてくされて言ったら笑われた。
「何言ってんだよ、俺は槍を使わねぇと発動しねぇぞ?」
 と、エドウィンが反論する。
「……槍を使えばなんでも出来るだろうが! 俺が苦労して習得した魔法を簡単にコピーしときながら何言ってんだよ!」
 小声で言い返したら、また笑われた。
「仲が良くて何よりだ。そのままセイバーズ協会に入会してくれることを願っているよ。少なくとも、一年生でキマイラを討伐できるのなら、実力としてはじゅうぶんだ」
 と、肩を叩かれた。

 支部長と受付担当の人とはそこまで話していない。
「ボージャー・アイロンだ。君たちの入会を心待ちにしているよ」
「ナタリー・サリーンよ。三年後、担当になるのを楽しみにしているわ」
 と、挨拶を交わしたくらい。
 基本的に、希望した支部の配属になると言うので……俺もエドウィンも、エーギル支部を希望するだろうな、って思った。
 特にエドウィン。コイツ、絶対年上好きだ。

 そこでようやく解放された……。
 ジェイド学長は、さらに顔つなぎしたいらしく、今度は三年生を連れてセイバーズ協会の人たちに紹介している。大人って大変だな。
 ただ、三年生も入会がかかっているから積極的に挨拶している……と思われる。

 俺はエドウィンを蹴飛ばした。
「イテッ! な、なんだよ」
「お前もセイバーズになる気あんなら、もっと前に出ろよ! 三年生を見習え! セイバーズの入会試験はチームじゃなくて個人だっつってただろうが! 俺が受かってもお前が落ちたら組めないんだぞ!」
「わーってる。つか、エーギル支部に行きてーから頑張るわ」
 やっぱ言ったよ。

 ……と、【スーパースターズ】の二人がやってきた。
「おつかれさん」
「どーだよ?」
 と聞かれたので、真顔で言った。
「美人ですよね」
「ぜってーエーギルだな」
 エドウィンも真顔で言った。
「「だよな」」
 【スーパースターズ】の二人も即同意した。
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