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第13話 見張り中に考え事をしてはいけない
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それから、周回すること十五回。
疲れたら交代し、集まってきた体力回復薬を飲み、とうとうボス部屋も枯れた。十五分を過ぎても出なくなったのだ。
レアドロップアイテムは、睾丸四つの他、恐らく大当たりであろう稀少肉を二つ手に入れた。
宝箱は一回だけ大当たりがあった。
見るからにキラキラした高級そうな薬だ。明らかに低級の体力回復薬とは違う。一言で言うと、高そう。
「……さすがに疲れたから、夕飯にしようぜ」
「……おう」
ほぼほぼエドウィンが倒していたので、エドウィンはグッタリしていた。
お詫びと言ってはなんだが、ベースキャンプは俺が全部セットする。
ダンジョン用の簡易安全地帯作成魔道具を起動、これは、結界、魔物避け、ダンジョン呑み込まれ防止が全部セットになっている。空間魔法を応用したなんちゃらかんちゃららしい。
夕飯は……俺も疲れているし、バーベキューでいいだろ。
吊り下げ式の網をセットして、下で火をおこす。
持ち込んだ野菜をスライスしてタレを塗り、あとはオーク肉だ。
通常ドロップのオーク肉とレアドロップの稀少肉をカットして、通常ドロップ肉はタレに漬け込んで揉み込み、稀少肉は塩とスパイスのみにした。
「よーし、出来たぞー」
「おっしゃあ!」
伸びていたエドウィンが勢いよく立ち上がった。
「…………!」
「…………ヤベェ」
稀少肉は、マジでやばかった。
レスティブボアのレアドロップ肉も美味かったが、こっちは別次元で美味い。
一つはあっさりして柔らかく、一つはほどよい歯ごたえと甘味のある脂身とが渾然一体になっている。
オーク肉も味付けしたのでそれなりに美味かったが、段違いの味わいだった。
「……明日、オークは復活してるかね?」
「一晩待ってやるんだ、根性見せろよダンジョン!」
エドウィンがダンジョンを励ましているよ。
……さすがに、アイテムハンターを目指すのにレアドロップの肉を渡さないのはまずい。だから、自分たち用を確保するため明日も周回したい。
頼む、明日は復活してくれ!!
疲れているエドウィンを先に寝かし、俺が見張りをする。
遠征やダンジョンの時、ユーノは当然のように俺に夜通しの見張りをさせていた。ユーノが起きる時間が出発の時間。俺は寮に着くまで一睡も出来ない。ユーノが泊まりがけを好まず二泊以上は絶対に受けないため二徹以上したことはないが、三徹はキツいだろうな。
ただ、プロになったら何日間も徹夜で戦い続けることもあるかもしれないと思い、その訓練になると思って何も言わなかった。
思えば、ユーノといたことでいろいろ鍛えられていたな。
理不尽だと思うこともあったが、結果俺はアカデミー入学前よりも段違いに強くなっている。ユーノといることで、一人で戦う経験も積めたし、他にもいろいろと経験した。
……俺としてはいいが、俺に任せっきりだったユーノはどうなのか。
アイツは俺を使い潰すつもりでいたのに、エドウィンたちのせいで解消させられた。アカデミーではもう二度とチームを組むことは出来ない。
アイツ、どうするつもりなんだろう。義母ほどではないかもしれないが俺を憎んでいるのだから、今の俺の状況を受け入れるはずがないんだが……。
つらつらと思い悩んでいると、衝撃が走った。
「ッ!? ……なんだよ!」
エドウィンがいつの間にか起きていて、俺を蹴ったらしい。
「テメェ、何暗い顔してんだよ? あと、なんで起こさねーんだよ!?」
ふと時間を確認したら、もう朝に近い時間だった。
「……あぁ、悪い、考え事してたらボーッとして……もうこんな時間か」
「チッ!」
舌打ちすると、顎をしゃくった。
「ちょっと、仮眠しとけ。あと、見張り中にボーッとすんじゃねぇよ。それが危険なのはお前の方がよくわかってんだろうが」
エドウィンのセリフを聞いた俺は、膝から崩れ落ちた。
「……バカに真っ当な説教をされてしまった……」
「あァ!? ざけんなよテメェ! いいから寝とけボケ!」
エドウィンに罵られつつ、落ち込んだ俺は仮眠を取った。
三時間ほど眠り、起きた。
エドウィンはベースキャンプから出て、槍を振り回している。
俺は手早く朝食を用意した後、ベースキャンプを出てエドウィンに声をかけた。
「悪いな、起きた」
「おう。雑魚も復活してきたから、ボスも復活してんじゃねーか?」
ドロップアイテムが散乱している。
「そりゃ良かった。じゃ、朝食を食ったらさっそくトライしようぜ。美味い肉が出るまで」
俺は風吹魔法でドロップアイテムを集めるとエドウィンの肩を叩き、ベースキャンプに戻った。
ちなみに朝食も肉。鉄板で肉を焼き、その横でバターをたっぷり塗ったパンを焼く。パンの上にチーズを乗せ、その上に焼いた肉、そしてさらに焼いたパンを重ねてプレス。
紙に包んで完成。これと野菜スープだな。
「美味そうじゃねーか!」
「ハハッ。男の料理だな、肉ばっかだ。かろうじてスープが野菜」
「いいんだよ! 肉食った方が元気が出るんだぜ!」
二人でかぶりついた。うん、確かに肉を食った方が元気になるな!
再度トライした結果。
十六回トライ出来て、そこで復活しなくなった。
「チッ! もっと根性出せよ!!」
エドウィンがダンジョンに当たっている。
「……まぁ、なんとか出たからいいだろ」
最後の最後で稀少肉が出た。宝箱の方は三つほど出ているので、これが噂の物欲センサーというものかもしれない。
このダンジョンは、ボス部屋を通過して最奥から外に出られる。
雑魚処理するのが面倒だったので、奥から出ることにした。
疲れたら交代し、集まってきた体力回復薬を飲み、とうとうボス部屋も枯れた。十五分を過ぎても出なくなったのだ。
レアドロップアイテムは、睾丸四つの他、恐らく大当たりであろう稀少肉を二つ手に入れた。
宝箱は一回だけ大当たりがあった。
見るからにキラキラした高級そうな薬だ。明らかに低級の体力回復薬とは違う。一言で言うと、高そう。
「……さすがに疲れたから、夕飯にしようぜ」
「……おう」
ほぼほぼエドウィンが倒していたので、エドウィンはグッタリしていた。
お詫びと言ってはなんだが、ベースキャンプは俺が全部セットする。
ダンジョン用の簡易安全地帯作成魔道具を起動、これは、結界、魔物避け、ダンジョン呑み込まれ防止が全部セットになっている。空間魔法を応用したなんちゃらかんちゃららしい。
夕飯は……俺も疲れているし、バーベキューでいいだろ。
吊り下げ式の網をセットして、下で火をおこす。
持ち込んだ野菜をスライスしてタレを塗り、あとはオーク肉だ。
通常ドロップのオーク肉とレアドロップの稀少肉をカットして、通常ドロップ肉はタレに漬け込んで揉み込み、稀少肉は塩とスパイスのみにした。
「よーし、出来たぞー」
「おっしゃあ!」
伸びていたエドウィンが勢いよく立ち上がった。
「…………!」
「…………ヤベェ」
稀少肉は、マジでやばかった。
レスティブボアのレアドロップ肉も美味かったが、こっちは別次元で美味い。
一つはあっさりして柔らかく、一つはほどよい歯ごたえと甘味のある脂身とが渾然一体になっている。
オーク肉も味付けしたのでそれなりに美味かったが、段違いの味わいだった。
「……明日、オークは復活してるかね?」
「一晩待ってやるんだ、根性見せろよダンジョン!」
エドウィンがダンジョンを励ましているよ。
……さすがに、アイテムハンターを目指すのにレアドロップの肉を渡さないのはまずい。だから、自分たち用を確保するため明日も周回したい。
頼む、明日は復活してくれ!!
疲れているエドウィンを先に寝かし、俺が見張りをする。
遠征やダンジョンの時、ユーノは当然のように俺に夜通しの見張りをさせていた。ユーノが起きる時間が出発の時間。俺は寮に着くまで一睡も出来ない。ユーノが泊まりがけを好まず二泊以上は絶対に受けないため二徹以上したことはないが、三徹はキツいだろうな。
ただ、プロになったら何日間も徹夜で戦い続けることもあるかもしれないと思い、その訓練になると思って何も言わなかった。
思えば、ユーノといたことでいろいろ鍛えられていたな。
理不尽だと思うこともあったが、結果俺はアカデミー入学前よりも段違いに強くなっている。ユーノといることで、一人で戦う経験も積めたし、他にもいろいろと経験した。
……俺としてはいいが、俺に任せっきりだったユーノはどうなのか。
アイツは俺を使い潰すつもりでいたのに、エドウィンたちのせいで解消させられた。アカデミーではもう二度とチームを組むことは出来ない。
アイツ、どうするつもりなんだろう。義母ほどではないかもしれないが俺を憎んでいるのだから、今の俺の状況を受け入れるはずがないんだが……。
つらつらと思い悩んでいると、衝撃が走った。
「ッ!? ……なんだよ!」
エドウィンがいつの間にか起きていて、俺を蹴ったらしい。
「テメェ、何暗い顔してんだよ? あと、なんで起こさねーんだよ!?」
ふと時間を確認したら、もう朝に近い時間だった。
「……あぁ、悪い、考え事してたらボーッとして……もうこんな時間か」
「チッ!」
舌打ちすると、顎をしゃくった。
「ちょっと、仮眠しとけ。あと、見張り中にボーッとすんじゃねぇよ。それが危険なのはお前の方がよくわかってんだろうが」
エドウィンのセリフを聞いた俺は、膝から崩れ落ちた。
「……バカに真っ当な説教をされてしまった……」
「あァ!? ざけんなよテメェ! いいから寝とけボケ!」
エドウィンに罵られつつ、落ち込んだ俺は仮眠を取った。
三時間ほど眠り、起きた。
エドウィンはベースキャンプから出て、槍を振り回している。
俺は手早く朝食を用意した後、ベースキャンプを出てエドウィンに声をかけた。
「悪いな、起きた」
「おう。雑魚も復活してきたから、ボスも復活してんじゃねーか?」
ドロップアイテムが散乱している。
「そりゃ良かった。じゃ、朝食を食ったらさっそくトライしようぜ。美味い肉が出るまで」
俺は風吹魔法でドロップアイテムを集めるとエドウィンの肩を叩き、ベースキャンプに戻った。
ちなみに朝食も肉。鉄板で肉を焼き、その横でバターをたっぷり塗ったパンを焼く。パンの上にチーズを乗せ、その上に焼いた肉、そしてさらに焼いたパンを重ねてプレス。
紙に包んで完成。これと野菜スープだな。
「美味そうじゃねーか!」
「ハハッ。男の料理だな、肉ばっかだ。かろうじてスープが野菜」
「いいんだよ! 肉食った方が元気が出るんだぜ!」
二人でかぶりついた。うん、確かに肉を食った方が元気になるな!
再度トライした結果。
十六回トライ出来て、そこで復活しなくなった。
「チッ! もっと根性出せよ!!」
エドウィンがダンジョンに当たっている。
「……まぁ、なんとか出たからいいだろ」
最後の最後で稀少肉が出た。宝箱の方は三つほど出ているので、これが噂の物欲センサーというものかもしれない。
このダンジョンは、ボス部屋を通過して最奥から外に出られる。
雑魚処理するのが面倒だったので、奥から出ることにした。
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