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それから数時間ほど経ち、私は、自分の身に何が起きたのかを調べるべく書庫へと足を運ばせていた。
しかし、調べた結果分かったことは、ここがエルメルダ王国であるということだけだったのであった。
(やっぱり夢だったのかな?)
と思いつつ、私は、フィリス様の部屋を訪れると、彼が私を見つけるなり、嬉しそうな声を上げて出迎えてくれた。
その事に私は驚きを隠せないでいたが、なんとか平静を装い、挨拶をする。
フィリス様は、クスッと笑うと私の頭を撫でてきた。
私は、またもや顔が熱くなるのを感じる。
気づかれないように努めていたものの、フィリス様は私の様子がおかしい事に気付いたのか私を抱きしめてくると耳元で囁く様に言ってきた。
「アンナ、大丈夫か? 何かあったのか?」
その声音に私はついつい声を上げそうになるものの、寸前で思いとどまり、なんとか声を上げることはなかった。
私は、ついつい安心してしまうも、次の瞬間、彼の声音が変化した事に私は気づくと、私は、彼の胸に飛び込み抱きついていた。
驚くも私を優しく抱きしめてくれると私の頭を撫でながら優しい声で語りかけてきたのである。
私はその事に、つい声を上げそうになるもののギリギリのところで抑え込むことに成功した。
「ごめんね、怖かったよね。でも何も心配はいら無いよ。俺が付いているだろう。これからは何があろうと必ず守ってあげるよ。
それにしてもどうして一人でこんな所にいるのかい。君はまだ僕の婚約者である事は自覚してる?」
彼からの問い掛けに私は俯くと小さくコクリッと首肯して、そのまま無言を貫いていた。
私に対して王子が、苦笑いをした気配を感じ取っていた。
けれども、今は何を言ったら良いのかわらなかったのだ。
「アンナ、君は今の状況を理解している?」
王子の言葉に私は首を傾げていた。
(状況と言われても……)
私は、今の状況を改めて確認してみた。
私は、ある事に気が付いてしまった。
それは、この部屋に私と王子しかいないということだ。
つまり、二人っきりなのだ。
その事にようやく理解が追いついた私は、途端に恥ずかしさが込み上げてきて顔が熱くなっていくのを感じていた。
そんな私の様子を察した彼は、そっと私の頬を両手で包み込むと私の瞳を見つめると、
「そして、今は二人とも結婚している」
「えっ!?」
私は、その一言に驚いていた。
確かに言われてみると、私は、フィリス様の妻になっている。
そ私を見て、彼は、くすっと微笑むと私の事をそっと抱き寄せる。
そして、そっと私を抱きしめると、私を落ち着かせるようにして背中をポンポンと叩いてくれた。
その事に私は落ち着きを取り戻すと、私は、彼にお礼を言う。
「ありがとうございます。もう、だいじょうぶです」
その言葉を聞いて彼は、ニコッと笑顔を見せると、
「そう? なら良かった」
と言ってくれると同時に私は、彼に抱きしめられていた事に気づいた。
その事に気づいて私は慌てふためくと共に頬を再び真っ赤に染めてしまっていたのだけども、彼は気にする事なく私に話しかけてきました。
私は思わず首を左右に振ってしまうのですけども、彼は、そんな様子の私にくすっと笑みを浮かべるのでした。
彼に私は、からかわれているのだとわかると、少しだけムッとした表情を見せてしまうのですが、
彼は、私の反応を楽しむかのようにしてくすっと笑みを浮かべていました。
私は、その事に少しばかり不満を抱くのですが、彼は、私をそっと放すと、私に近寄ってくるとそっと私の顎をクイッと持ち上げてじっと私の目を見ると、そっと顔を近づけてきました。
私はその事にドキッとしてしまって固まってしまいました。
しかし、調べた結果分かったことは、ここがエルメルダ王国であるということだけだったのであった。
(やっぱり夢だったのかな?)
と思いつつ、私は、フィリス様の部屋を訪れると、彼が私を見つけるなり、嬉しそうな声を上げて出迎えてくれた。
その事に私は驚きを隠せないでいたが、なんとか平静を装い、挨拶をする。
フィリス様は、クスッと笑うと私の頭を撫でてきた。
私は、またもや顔が熱くなるのを感じる。
気づかれないように努めていたものの、フィリス様は私の様子がおかしい事に気付いたのか私を抱きしめてくると耳元で囁く様に言ってきた。
「アンナ、大丈夫か? 何かあったのか?」
その声音に私はついつい声を上げそうになるものの、寸前で思いとどまり、なんとか声を上げることはなかった。
私は、ついつい安心してしまうも、次の瞬間、彼の声音が変化した事に私は気づくと、私は、彼の胸に飛び込み抱きついていた。
驚くも私を優しく抱きしめてくれると私の頭を撫でながら優しい声で語りかけてきたのである。
私はその事に、つい声を上げそうになるもののギリギリのところで抑え込むことに成功した。
「ごめんね、怖かったよね。でも何も心配はいら無いよ。俺が付いているだろう。これからは何があろうと必ず守ってあげるよ。
それにしてもどうして一人でこんな所にいるのかい。君はまだ僕の婚約者である事は自覚してる?」
彼からの問い掛けに私は俯くと小さくコクリッと首肯して、そのまま無言を貫いていた。
私に対して王子が、苦笑いをした気配を感じ取っていた。
けれども、今は何を言ったら良いのかわらなかったのだ。
「アンナ、君は今の状況を理解している?」
王子の言葉に私は首を傾げていた。
(状況と言われても……)
私は、今の状況を改めて確認してみた。
私は、ある事に気が付いてしまった。
それは、この部屋に私と王子しかいないということだ。
つまり、二人っきりなのだ。
その事にようやく理解が追いついた私は、途端に恥ずかしさが込み上げてきて顔が熱くなっていくのを感じていた。
そんな私の様子を察した彼は、そっと私の頬を両手で包み込むと私の瞳を見つめると、
「そして、今は二人とも結婚している」
「えっ!?」
私は、その一言に驚いていた。
確かに言われてみると、私は、フィリス様の妻になっている。
そ私を見て、彼は、くすっと微笑むと私の事をそっと抱き寄せる。
そして、そっと私を抱きしめると、私を落ち着かせるようにして背中をポンポンと叩いてくれた。
その事に私は落ち着きを取り戻すと、私は、彼にお礼を言う。
「ありがとうございます。もう、だいじょうぶです」
その言葉を聞いて彼は、ニコッと笑顔を見せると、
「そう? なら良かった」
と言ってくれると同時に私は、彼に抱きしめられていた事に気づいた。
その事に気づいて私は慌てふためくと共に頬を再び真っ赤に染めてしまっていたのだけども、彼は気にする事なく私に話しかけてきました。
私は思わず首を左右に振ってしまうのですけども、彼は、そんな様子の私にくすっと笑みを浮かべるのでした。
彼に私は、からかわれているのだとわかると、少しだけムッとした表情を見せてしまうのですが、
彼は、私の反応を楽しむかのようにしてくすっと笑みを浮かべていました。
私は、その事に少しばかり不満を抱くのですが、彼は、私をそっと放すと、私に近寄ってくるとそっと私の顎をクイッと持ち上げてじっと私の目を見ると、そっと顔を近づけてきました。
私はその事にドキッとしてしまって固まってしまいました。
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