悪役令嬢はお嫁に行けません！～身代わりとしてなぜか婚約者から溺愛されて困っています〜

12.

私は思わず頬を膨らませると、ヒリス王は言いました。
ヒリス王は、私にこう提案してきたのでした。
ヒリス王の婚約者になってみないかと。
私は思わず驚いて、固まってしまいました。
「え？　私がヒリス王の」
「そうすれば君がどれだけ、サディエルに大切にされているか分かるはずだよ」
私が驚いていると、更に続けてきました。
それは、私が王太子の事をどう思っているか知っているかのような言い方でした。
私が驚いて何も言えないでいますと、ヒリス王は言いました。
私は、それを聞いて思わず笑ってしまってしまいました。
何故なら、私が一番欲していたものだったのです。
（私はずっと、誰かに愛されたかった）
私は、そう思ってました。
ただ、それだけでした。
だから、私は迷わずに答えました。
私は、私の大切な人の為になるのならば、 喜んでお受け致しましょう。
私はそう言いました。
私は、それからすぐに準備を始めました。
まずは、ドレスです。
私は、今まで着ていた地味な色の服を脱ぎ捨てました。そして、クローゼットの中から一番豪華な物を引っ張り出してきました。
私は、鏡の前で自分の姿を見て思わず笑ってしまいました。
何故なら今からやる私は、ゲームの中のリリアーナ・アウローラが最も得意な行為だからです。
私は、これから悪役令嬢ではなく、ヒロインを目指すのです。
私は、悪役令嬢リリアーナ・アウローラから、 王太子の婚約者としてふさわしいリリアーナ・アウローラへと生まれ変わるのです。
私は、早速王妃教育が始まりました。
私は、元々勉強は好きでしたので、苦ではありませんでした。
でも、一つだけ問題がありました。
私は、マナーが苦手だったのです。
私は、必死に練習しました。
でも、どうしても上手くいきませんでした。
私は、焦りました。このままだと、 私は何もできない悪役令嬢になってしまうからです！
でも……私は気づいていました……
本当はわかっていたのです……。
私が、どんなに頑張っても……努力しても……
一向に成長できないのでした。
一方その頃
王太子である、サディエルは唖然としていたリリアーナが与えたお屋敷の何処にもいない。
「どこ行った」
「リリアーナ!」
そう叫んでお屋敷の中をどんどん探しているのです。
でも、どこにもいません。
サディエルは、段々イラついてきて、とうとう探し回るのをやめてしまいます。
サディエルは、椅子に座ってため息を吐いてしまいます。
サディエルは、一体何をやってしまったのでしょう。
「リリアーナ何処に行ったんだよ」
そう叫ぶと涙を流すのでした、次に王太子がした事は皆が驚く事だったのです。
王太子が使い魔を大量に召喚すると
「探せ、リリアーナをここに連れてこい」
そう命じたのです。
一斉に黒鉛の猫たちが走り出すのです。
一等一等が隊長クラスなのです。
私は、王太子の使い魔の一匹である、白毛のペルシャネコの大尉に案内されて、とある場所に到着しました。
そこは、王太子のお部屋でした。