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そして彼女は俺に助けを求めて来た。
俺はそんなのは嫌だと断ったのだが、彼女は俺がこの世界に来る前に助けてくれた恩があるから、
という理由でどうしても俺に頼んで来た。
だが、俺はそんなのは御免だったので断ろうとしたが、俺が断ると彼女は泣き出してしまった。
そして俺は仕方なくだが引き受けることにした。
俺は泣き出した女の子を放置しておくことが出来なかったのだ。
そして俺が承諾した途端に彼女は笑顔を見せた。
その瞬間、俺は理解する。
俺は嵌められたのだということを……。
だけどもう遅い。
俺はこれからどうすればいいのだろうか。
俺は彼女の話を聞いて、とりあえず納得することにした。
彼女の話は本当なのだろう。
嘘とは思えないし何より俺自身がそう感じている。
というかこの状況で彼女が冗談を言うとも思えないわけだし信じるしかないのだ。
俺が了承すると、すぐにでも出発して欲しいと言われた。
だが、俺は行くにしても準備が必要だから少し待ってほしいと伝えた。
だがその時、タイミングが良いと言うべきか悪いと言うべきなのか分からないが扉が開かれてしまった。
そして入ってきたのは二人の男女だった、男の方は何やら豪華な衣装を身に纏っている。
女はドレスを身に着けている。
「姫様! 勝手に抜け出すとはどういうことですか!!」
男が叫ぶと同時に女の方は呆れた表情を浮かべるだけだ。
そして男はこちらを見ると怒りの形相に変わるがすぐ後ろに控えていた護衛の騎士達に制止される形でその場に立ち止まることになったようだが、
騎士達は俺に向かって武器を構えようとしたようだが相手がただ者ではないと判断したらしく躊躇しているようだが、俺はその様子を見てため息を吐きたい気分だったが我慢しておいた。
俺は一応は平和主義者だ。争い事は嫌いな方である。
というかこの世界に来てからは戦いとは無縁の生活を送ってきたので俺はそういったことには関わりたくないと思っている。
さすがに命の危険を感じたり、襲われたりした場合は自衛の為に攻撃するが、それでもなるべくなら穏便に済ませたいと思っている。
俺がこの世界に来た時も俺はいきなり魔物に襲われそうになった。
あの時は運が良かったのと、リシアとリーゼロッテという二人との出会いがあったおかげで何とかなったが、もしも彼女たちと出会うことが出来ていなかったとしたならば、
俺は確実に死んでいただろうと確信できる。
だから俺は、俺に害意を持って向かってくる相手に対しては容赦しないつもりだ。
俺が黙ったままでいると、向こうも警戒してか俺に攻撃を仕掛けようとはしてこない。
だがそれも長く続きそうにはない気がした俺は取り敢えず名乗る事にした。
俺が名乗りを上げると二人は驚いた様子だった。そして二人の名前を聞いた俺はその名前が気になった。
なぜなら俺の知っている名前の人物と同じ名前だからだ。
まさかと思い俺は聞いてみた。
するとその人物は俺の予想通りの人物であった。
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