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「あの人は誰なのですか?」
そう聞くとエレシアから意外な返事が返ってきた。
どうやら彼女の弟だという事で驚いたものだ。
確かに言われてみれば顔立ちなどが似ていたがまさか血縁関係を持っているとは思ってなかったからだ。
それを証明するように彼女もまた驚きの表情を見せていた。
そして彼女は詳しい事を知っているようでその辺の情報を引き出すべく情報を聞き出したところ彼は
かつて住んでいた世界では冒険者をしており腕の立つ人物として有名で彼女と同じ孤児院で幼少期を
過ごしていたが数年前に突如として失踪してしまいそれ以来の行方については不明だったが
この世界で無事に生活しているとの情報を耳にしてその真偽を確かめるためにこの地まで
訪れたという経緯があったという。
「本当にあいつが来ているのかね?」
「あたしが直接会ったわけじゃないから分からないけど彼がここにやって来たという情報が
確かなものだとすれば間違いなくこの村に滞在中のはず。ただどこに滞在してるかまでは不明。
もしかするとこの世界の何処かかもしれないし他の国かも知れないしあるいはこの世界には
存在しない可能性もある」
「ふむ……そういえばリーザさん。以前見かけた時は男を何人か連れていたの
ですが……それにしてもかなり若そうでしたが」
「あれはみんな奴隷商が雇っていた者達です。年齢は20~30代と結構幅広いですが
どれも若く見えるでしょうが実際はもっと歳いってて、大体15年くらい前には
成人したばかりの子を連れ歩いていたと記録されています。
だから若い見た目であっても実際の年齢はかなりいっていて下手したら40台突入済みかも」
リーザさんの説明を受けたことでなんとなく理解できた気がする。
要するにそいつは見た目こそ子供だが実際には自分の意思を封じられ大人達の都合に振り回されている憐れな存在で
あるという訳だと解釈できたのでこれ以上この件に関しては突っ込むのをやめるのが賢明だと考えたのである。
「まあいいか。エレシアも会いたいと言っていることだし。
ところで君たちこの街にいる間は何をする予定なんだ?
もし良ければ協力するが」
と聞けばすぐに街の外に出向いてモンスター討伐に向かうつもりだと答えてきたのですぐに同行することにした。
何故こうもすぐに行動を起こせるかと言えばその理由というのは単純なもので彼女達の強さを
確認する目的があったからに他ならない。
そもそも戦闘の経験がない人間がいくら努力したところで簡単に成長など出来るものじゃないからであって実際に
剣を持たせて振るわせてみたりしたのだが予想以上に才能があることを痛感させられてしまった。
特にエレシアに至っては魔法の才能もあると判明していて火と水の2つの魔法を扱うことが出来たため、
「これはとんでもない掘り出し物かも……」
と思わず口にしてしまったのは内緒である。
それからしばらくして昼食をとることになったのでそれぞれ注文した後料理が来るまでの間に
雑談を交わしながら食すことにした。
「しかしどうしてそこまで強いのですか」
「うーん、実はあたしら昔は盗賊団に所属していたの。その経験もあって戦い慣れしているのよね」
と言われればなるほどと思えるものがあるが……何せ俺は元の世界でもゲームはそれなりに遊んできた身なのだから
ある程度の実力がどの程度のものか判断は出来ていたが改めてその事実を本人の口から語られた事により実感が沸くと共に何より強さに興味を抱いてしまった。
ただ戦うことが好きなわけではない。
そう聞くとエレシアから意外な返事が返ってきた。
どうやら彼女の弟だという事で驚いたものだ。
確かに言われてみれば顔立ちなどが似ていたがまさか血縁関係を持っているとは思ってなかったからだ。
それを証明するように彼女もまた驚きの表情を見せていた。
そして彼女は詳しい事を知っているようでその辺の情報を引き出すべく情報を聞き出したところ彼は
かつて住んでいた世界では冒険者をしており腕の立つ人物として有名で彼女と同じ孤児院で幼少期を
過ごしていたが数年前に突如として失踪してしまいそれ以来の行方については不明だったが
この世界で無事に生活しているとの情報を耳にしてその真偽を確かめるためにこの地まで
訪れたという経緯があったという。
「本当にあいつが来ているのかね?」
「あたしが直接会ったわけじゃないから分からないけど彼がここにやって来たという情報が
確かなものだとすれば間違いなくこの村に滞在中のはず。ただどこに滞在してるかまでは不明。
もしかするとこの世界の何処かかもしれないし他の国かも知れないしあるいはこの世界には
存在しない可能性もある」
「ふむ……そういえばリーザさん。以前見かけた時は男を何人か連れていたの
ですが……それにしてもかなり若そうでしたが」
「あれはみんな奴隷商が雇っていた者達です。年齢は20~30代と結構幅広いですが
どれも若く見えるでしょうが実際はもっと歳いってて、大体15年くらい前には
成人したばかりの子を連れ歩いていたと記録されています。
だから若い見た目であっても実際の年齢はかなりいっていて下手したら40台突入済みかも」
リーザさんの説明を受けたことでなんとなく理解できた気がする。
要するにそいつは見た目こそ子供だが実際には自分の意思を封じられ大人達の都合に振り回されている憐れな存在で
あるという訳だと解釈できたのでこれ以上この件に関しては突っ込むのをやめるのが賢明だと考えたのである。
「まあいいか。エレシアも会いたいと言っていることだし。
ところで君たちこの街にいる間は何をする予定なんだ?
もし良ければ協力するが」
と聞けばすぐに街の外に出向いてモンスター討伐に向かうつもりだと答えてきたのですぐに同行することにした。
何故こうもすぐに行動を起こせるかと言えばその理由というのは単純なもので彼女達の強さを
確認する目的があったからに他ならない。
そもそも戦闘の経験がない人間がいくら努力したところで簡単に成長など出来るものじゃないからであって実際に
剣を持たせて振るわせてみたりしたのだが予想以上に才能があることを痛感させられてしまった。
特にエレシアに至っては魔法の才能もあると判明していて火と水の2つの魔法を扱うことが出来たため、
「これはとんでもない掘り出し物かも……」
と思わず口にしてしまったのは内緒である。
それからしばらくして昼食をとることになったのでそれぞれ注文した後料理が来るまでの間に
雑談を交わしながら食すことにした。
「しかしどうしてそこまで強いのですか」
「うーん、実はあたしら昔は盗賊団に所属していたの。その経験もあって戦い慣れしているのよね」
と言われればなるほどと思えるものがあるが……何せ俺は元の世界でもゲームはそれなりに遊んできた身なのだから
ある程度の実力がどの程度のものか判断は出来ていたが改めてその事実を本人の口から語られた事により実感が沸くと共に何より強さに興味を抱いてしまった。
ただ戦うことが好きなわけではない。
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