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しかも、いつ帰るか分からない俺が仕送りなんてするはずもなく……
アリアやロイズの生活を支えなくてはならない。
それには、ミリアが公爵といつ帰る夫を待つより、貢ぐ方が幸せになれるのだ。
俺はそれを分かっていながら、こんな状況になるまで
何もしなかった。
そもそも俺がこの世界に転移させれてしまった時点で、
俺の人生は決まっていたのかも知れない。
俺は どうしたらいい?
俺はどうするのが正解なんだ。
俺はアリアにどうしていいのか聞いてみた。
すると、俺の背中を押してくれる言葉をくれた。
それが例え嘘だとしてもいい。
俺はこの人生で初めて女性を信じようと決めた。
だから俺はこれからの人生を 妻と子の為に捧げようと思う。
それが俺にできる唯一の償いだ。
だから俺は覚悟を決める。
俺の大切な家族が不幸にならない為に。
俺は夜、寝静まった頃にベッドから抜け出して
静かに玄関へと向かって行く。
「ほら、こっちに来るんだ、」
俺の家で俺以外の人間が……。
ミリアのことを呼ぶなんて耐えれなかった。
「公爵、貴様!」
「おや、ユウト、これはこれは、夫としての役割を忘れ妻や
家族よりも自分の名声を取るこんな男をミリアよ、いつまで夫と呼ぶ気か?」
俺は怒りに身を任せて剣を抜き
相手に襲いかかるがあっさりと攻撃をかわされる。
その後も俺が剣を振るうが攻撃が当たらない。
俺が一方的に疲れ果てると、
相手は剣を取り出して俺の首を跳ねようとする。
俺が諦めかけたその時 目の前に突如巨大な斧が降り注いでくる。
相手はそれを間一髪で避けると、
俺に早く逃げるように促してきた。
俺は素直に相手に言われた通りに すると背後から攻撃が来る。
だがそれも避けてしまい相手との距離を詰める。
今度は相手が魔法を放つが、全て跳ね返してしまう。
相手は必死に逃げようとしたが回り込んで
相手を吹き飛ばすと気絶してしまった。
俺はその人物に感謝の言葉を述べてから、
ミリアにバスタオルをかけるとそのまま震える
ミリアの体を抱き上げると馬に乗り自宅に帰った。
「ごめんな、ミリア」
そう言いながら震えるミリアの華奢な弱弱しい体を
抱きしめて優しく背中を撫でてやる。
「何かされたか?」
「公爵にお酒を飲まされました」
俺は苦笑いをしながら 頭をかいて謝った。
本当は酒など飲んで欲しくはないが彼女が
大人ぶっているのでここはあえて水を差さないことにする。
「酒弱いだろう?」
「ううん、貴方そのごめんなさい」
「夫で冒険家はもう無理だな? これからは、別の仕事につこうな」
俺がそういうと何故か悲しげな表情を浮かべていた。
多分この子は本気で俺のことを好きになってしまったの
だろうと感じるようになっていたのだ。
そんな俺の様子に気づいた 俺が怒っていると
勘違いしたミリアは俺に謝罪したが
俺は別に気にしてないと一言だけ言うとミリアを部屋に戻し
布団をかけなおした。
朝起きると俺は、妻であるミレアに食事を出してもらうと
昨日の出来事を話した。
俺は今日から仕事をすることにした。
それは村のために復興の仕事をする事にしたが、
俺の話を聞いたアリアとロイズは俺の邪魔を
したくはないからと、俺の仕事を手伝うと申し出てきた。
そこで俺は妻たちを連れて近くの森に向かった。
そこで俺がしたのは木材集めだが、
そこで木を切る作業に没頭していると
村の住人たちが手伝いに来てくれて
村全体の家を建て直すことにした。
俺達が家を作っているのを村人達は応援してくれて
少しやる気が出て来た。
俺はここで働いて得た金を村に還元するつもりなのだが
村人は俺に対して優しい目で見て来る。
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