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ロイズは俺の話を聞いて、勇者の事を考えているようだ。
すると、ロイズは俺の方を向いて
「お父様、勇者って何?」
と俺に尋ねてくる。
俺はロイズに
「勇者は勇者だ」
と答えると、 ロイズは
「勇者は勇者だけど、お父様はお母様のことを愛してますか?」
とロイズに聞かれたので、俺はロイズの目を見て、
アリアを見つめると最後にミリアを見つめてからロイズに
「ミリアを愛しているよ」
と答えるとロイズは嬉しそうな顔をして俺を見てくる。
俺はロイズに
「だから、お前達がいるのだろう? 俺は家族が好きだ」
と言うと、 ロイズは笑顔になり、俺に
「ありがとう」
とお礼を言う。
それからしばらく時間が経ち、辺りも暗くなってきたので
俺達は家に帰ることにした。
帰り道で俺はアリアに
「ロイズの事は頼んだよ」
とアリアに伝えるとアリアは笑顔で
「はい分かりました」
と答えた。
俺がロイズを見ると、ロイズは俺の服の袖を引っ張り
「ねぇ、お父様はどうして勇者にならなかったの?」
と俺に質問をしてきた。
俺はロイズの頭を撫でながら
「勇者がかっこいいかい?」
そう聞けばロイズも大きく頷く。
しかし、アリアも負けじと言う。
「そんなのお父様の方が数倍かっこいいわ」
とアリアは自信満々に答えていた。
俺はそんなアリアの頭を撫でながら
「勇者はね、勇者だから勇者なんだよ」
と俺が言えばアリアは不思議そうに俺を見てきた。
すると、ロイズも俺を見てきたので俺はロイズにも
「勇者は勇者だから勇者なんだよ」
と伝えれば、ロイズはまた俺を見てきた。
俺はロイズに
「ロイズは勇者に成りたいかい?」
と尋ねるとロイズは俺を見つめながら大きく何度も
首を縦に振る。
俺はロイズに
「じゃあ、強くならないとな」
と言えばロイズは俺をじっと見てきた。
「でも、お父様はかっこいいよ」
と俺に言ってくれた。
俺はロイズに
「ありがとう」
とだけ伝えた。
俺達の家はもうすぐそこだ。
今日は子供達と一緒に温泉旅館に泊まる。
子供達は皆で一緒に寝ることが出来るようにと
大きめの布団を用意してくれた。
子供達は疲れてしまったのか、ぐっすりと眠っている。
俺の横では俺の娘アリアが俺に寄り添って眠っていて、
その横には俺の息子ロイズが俺に背中を向けてスヤスヤと
気持ち良さそうに眠りについていた。
俺はアリアの頭とロイズの背中を優しく交互に触り、
二人の温もりを感じている。
すると、ミリアの目が開き、俺を見つめてきた。
俺は微笑みかけながら、ミリアの頭を優しく撫でる。
すると、俺に甘えるようにして擦り寄ってくる。
俺は二人を起こさないよう小声で話し始める。
俺は二人に
「アリアの事よろしくな」
と言うと、二人は笑顔になって
「任せて下さい」
とアリアが言うと、ロイズは俺に
「お父様、大丈夫だよ」
と言ってくれる。
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