元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

238.

そして、ある程度時間が経った後、俺はようやく解放された。
その後ミリアはようやく正気に戻ったらしく、俺の顔を見ると申し訳なさそうにしている。
俺の体の状態を確認すると俺の事を治療しようとしてくれて、魔法で治すことが出来るということなので
ミリアがやろうとしたのだが俺がミリアにお願いするとミリアは快く承諾してくれた。
俺はミリアの治療を受けると体がみるみると癒されていくのが実感でき、とても不思議な感じを受けた。
そして俺とアリアとリリアの三人が無事であることに安堵すると 今後の方針を三人で決める事にした。
その結果としてミリアと俺は二人で行動することを決め その間のミリアの護衛はアリアに頼むことに決まった。
俺はそれから少し休んだ後に、ミリアにこれからの事について詳しく話しておこうと思って話しかけたが、
ミリアはどこか心ここに在らずの様子だったので 俺達は取り敢えずミリアの家に向かうのであったが、
その道中は少し重苦しい空気が漂い続けていたのだった。
ミリアは家で留守番をしていてほしいと言うと渋々了承してくれた。
それから俺が出かけようとするとミリアに止められたのだ。
それから暫くは家の周辺にある森で狩りをしていたのだが、一向に獲物を見つけることが出来ずに
困っていたのだがそこに一匹の巨大な猪が現れ俺に襲い掛かってきた。
だが、俺は落ち着いて相手の攻撃を受け流し逆に反撃をすることで難なく倒す事に成功する。
俺は自分の成長ぶりに喜びを感じつつその場を立ち去ろうとすると後ろから俺を呼び止める声が
聞こえてきた。
俺が振り返ると何故か驚いた表情をしている女性が目に入る。
俺は不思議に思うと同時に警戒心を強めると相手も武器を構えようとしているが俺との距離を考える
といい判断だと言える。
俺達がお互いの出方を窺っている間に俺達に近寄ってきている気配を感じとったので、
俺は素早く剣を構えると彼女はその動作に気付くのが遅れたためか慌てて身構えるが既に遅い。
俺が彼女に斬りかかると俺の一撃が見事に決まり彼女が倒れたところへ更に追撃を加えていき
彼女の抵抗力を奪っていく。
それから少しの間彼女を攻撃し続けていると流石の俺も気が引けてしまい、
このままだと殺めてしまうかもしれないと考えた俺は彼女を拘束して気絶させた。
それから俺はその女性を背負って急いで街に引き返し、衛兵の詰所に向かったのだった。
俺は詰め所に辿り着くと急いで事情を説明して、女性の身柄を引き渡す。
それからしばらくしてから事情聴取を終えたと思われる男性が出てきて対応してくれることに
なり彼の部屋に連れて来られたのだが、まず最初に彼は名乗ってから自己紹介を始めるのだが……
それが本名なのか疑わしい程怪しい人物だと感じさせる男であったのだがその割には随分あっさりとし
た態度を取っているように見えるからこそ
一層違和感を感じるというか怪しさが増していくのだが……
取り敢えず話を続けてみようと思ったのだが男はいきなりこんなことを言い始めたのだ……
「私は君の力を是非買って欲しいと思っているのだが……君は私に協力する義務がある！
君にとっては良い提案だと思うのだが……如何だろうか？」
（何だよこの提案……完全に意味不明過ぎるんだけど！？そもそもお前は何者なんだよ！
それに何故俺の名前を勝手に知ってんだ！！）
俺は困惑していたのだがその男の口ぶりや顔色を見て俺は取り繕うのは止めた方がいいと
判断し正直に答えることにしたのだ。