元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

216.

俺は彼女の話を黙って聞いていた。
どうやら、俺に会いに来たのは偶然のようだ。
俺は納得すると、
「俺のところに来るなら事前に連絡してくれればよかったのに……」
と、思わず口にしてしまう。
すると、彼女は申し訳なさそうな顔をして、こう返してきた。
どうやら、サプライズで驚かせようとしたらしい。
（まあ、そういうこともあるか）
俺はそう思うと、苦笑しながら、こう返した。
それからしばらくして、俺はアリアと別れることにした。
アリアは最後まで駄々を捏ねていたが、なんとか諦めてくれたようだ。
こうして、俺はアリアと別れた後、ミリアと合流するのだった。
俺がアリアと別れて、ミリアと合流した時、ミリアはなぜか不機嫌だった。
理由を聞いてみたが、教えてくれなかった。
（なんだろう？）
俺は不思議に思っていたが、気にしないことにする。
こうして、俺とミリアは家に帰るのだった。
俺がアリアと別れて、ミリアと合流してから数時間後。
俺達はアリアの家に向かって歩いていた。
ミリアは俺の腕に抱きついているが、どこか不満そうだ。
その理由は分からないが、とりあえず、家に帰ったら聞いてみることとする。
しばらく歩いていると…… どうやら、アリアの家にたどり着いたようだ。
俺達は家の中に入ると、ソファーに座った。
すると、ミリアが俺に抱きついてくる。
俺はミリアの頭を優しく撫でながら、話しかけた。
「どうしたんだ？」
俺がそう尋ねると、ミリアはこう答えてきた。
どうやら、アリアと離れたくないようだ。
「そういえば、ミリアが母親としてアリアに何かしたいと言っていたな）
俺はそう思うと、ミリアにこう告げた。
「今度、アリアに何かしてあげたら？」
「なら、私、アリアの為に、魔法の杖、買ってあげる」
「ずるい、アリアもママに武器買ってあげたい」
どうも親子で張り合いだしている様で
微笑ましい。
アリアは俺に意見を求めてきていたので、俺はアリアのやりたいようにやればいいと答えた。
2人は早速出かける準備を始めた。
俺達はアリアの案内の元、街に買い物に出かけた。
街の中を歩くと、アリアが嬉しそうに駆け回る。
ミリアが横を歩きながら
「あ、貴方、待って」
その恰好で貴方は道行く人が立ち止まるので出来れば止めて欲しいのだが
「ねぇ、聞いている？」
「ああ、聞いているよ、我が妻よ」
かっこよくそう言えば納得した様に周りが歩き出す。
そして俺達も目的地に向かう。
この国で一番人気なのは武具店だ。
何故ならばこの国で最高の鍛冶師がいるからだ。
そう、俺である。
俺は2人を店内に招き入れると店主を呼んだ。
「二人の最高の業物を頼む」
俺の言葉にミリアとアリアは驚いた顔を見せた。
それもそのはず、俺がこの店で購入した物は最高級品なのだ。
そんなものを娘と妻に与えるのだから驚くのも無理はない。
だが、俺には確信があった。
アリアはその歳で高位魔導師だ、ミリアに至っては武術剣術では、俺を上回っている、
なのでしっかりとそれなりのモノを身に着けさせておきたいのだ。
そんな俺の考えを知ってか知らずか二人は目を輝かせて選んでいた。
そんな二人を見ながら俺は思った。
（まぁ、しばらくはこの世界で楽しく暮らせそうかな）
そう思いながら俺はミリアとアリアの買い物に付き合うのであった。
「夜は何処かに食べに行くか？」
俺がそう言うとミリアとアリアは喜んだ。
どうやら、家で食べたかったようだ。
そんなこんなで楽しい一日は過ぎていくのであった。
俺が国王になってから数年が経過した。
俺の目の前には沢山の書類が積まれている。