元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音

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目的はもちろんアリアの誕生日プレゼントを買うためだ。
今日は平日なので、ミリアの仕事が終わるまで待っていると……
 突然、目の前が真っ白になり、気がつくと見知らぬ場所にいた。
(なんだここは?)
周りを見渡しても何も見当たらない。
(とりあえず、歩くしかないな)
俺はそう判断すると、前に向かって歩き始めた。
しばらく歩いていくと、前方に人影が見えてくる。
(あれは……?)
俺は警戒しながらも近づいていくと、
その人物が女性だとわかった。
女性は俺の姿を見つけると、近づいてきた。
そして…… いきなり、俺の頬をビンタしてくる。
俺は咄嵯に避けようとしたが、間に合わなかった。
その一撃をまともに喰らってしまったのだ。
俺は地面に倒れ込むと、意識を失ったのだった。
目が覚めると、俺はベッドの上で寝ていた。
どうやら、気絶させられた後に運ばれたようだ。
俺は起き上がると、部屋の外に出る。
(どこだ?ここ)
俺は周りを見ながら考える。
(見た感じ、どこかの屋敷みたいだけど……)
その時…… 扉が開くと、そこから女性が入ってきた。
俺はその女性に見覚えがない。
(誰だ?)
俺がそう思っていると、その女性が話しかけてきた。
どうやら、俺のことを看病してくれていたようだ。
「どなたかは存じませんが、親切な人、どうもありがとうございます」
そういうとそっと微笑むと右を見つめたのでそちらを見て驚いた。
「ミリア、アリア」
「今寝たところなの、起こさないであげてちょうだい」
女性はそういうと
「癒えるまでここにいなさいな、私はちょっと出かけてきます」
そういうと出ていった。
俺は部屋に戻ると、アリアの隣に横になって眠ることにした。
(そういえば……)
俺はふと疑問に思ったことがある。
それは、俺がどうして気絶したのかだった。
「俺は手練の冒険者だ、なのに、なんで? それにあの女性は一体……」
俺は考えているうちに、眠りに落ちてしまった。
次に目を開けた時には、既に夕方になっていた。
隣ではアリアが眠っている。
(よく眠れたな……)
俺はそう思いながら立ち上がると、伸びをする。
そして、隣の部屋に移動してドアを開けると、
ミリアが勝手に何か作っていた。
俺がそれを見ていると、ミリアがこちらに気づいたようで、
慌てて料理を隠そうとする。
俺はそれを見ると、ニヤリと笑う。
そして、ミリアに近づくと、強引に引き剥がす。
ミリアは抵抗するが、所詮は女の力だ。
「ミリア、見せろよ、どうせシチューだろう?」
そう言ってからあれっと声をあげた。
ミリアが涙を浮かべているからだ。
(やり過ぎたかな?)
俺は反省すると、ミリアを抱き寄せる。
ミリアは最初は驚いていたが、すぐに大人しくなった。
どうやら、機嫌が直ったようだ。
(良かった)
俺はホッとしていた。
しばらくしてから、ミリアが口を開いた。
どうやら、俺が倒れた原因について話してくれるようだ。
ミリアによると、俺が倒れた原因は、魔力切れによるものらしい。
なんでも、回復魔法を使いすぎたことによるものだそうだ。
(なるほど…… そうか、そうだったのか……)
「無理したらダメなんだからね」
なんだ? このツンデレ展開は?
「ミリア、お前、そんなキャラだったけ?」
顔を崇めると
「バカ、ユウト、最強ユウト伝説もここまでね?」
そんな皮肉を叩くくらい心配かけさせてしまったのだろう?
「ごめんなさい、ミリア、俺を許してくれ」
「ママ、パパをいじめたらダメなの」
そう言いながらドカッとなぜかすごい音がした。
「え? 大丈夫か? 頭から行ったけど」
そう、ミリアのお腹にアリアがタックルしたのだ。
しかも、頭から突っ込んで行っていた。
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