元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

210.

それから数日後、無事に教会での挙式は行われた。
神父さんの祝福の言葉を聞きながら、俺は幸せを感じていた。
（まさか、こんな形でミリアと結ばれることになるとはな……）
俺は感慨深くなっていた。
そして…… いよいよ誓いのキスの時間がやってきた。
俺は緊張していたが、なんとか平静を保つことができていた。
まずは、俺からミリアへと口づけをする。
すると、周りからは歓声が上がった。
続いて、今度はミリアが俺にキスをしてくれる。
（おおー！なんかいい感じじゃないか！）
俺は興奮していた。
（よし！次は指輪の交換だな）
俺は少しだけ照れながら、ミリアに手を差し出した。
ミリアは俺の手を取ると、薬指にリングをはめてくれる。
それを見ていた周りの人達が、拍手喝采を送ってくれる。
こうして、無事に終わったのだった。
帰り道、俺は馬車の中でミリアに話しかけてみた。
すると…… どうやら、ミリアも俺と同じことを考えて
いたようだった。
俺は思わず笑ってしまう。
すると、それを見たミリアが不思議そうに首を傾げている。
（ああ……本当に可愛いなぁ）
俺はしみじみとそう思ったのであった。
俺はアリアを連れて、街を歩いていた。
すると、とある店の前で立ち止まった。
そこは、小さなアクセサリーショップで可愛らしい
髪飾りが売っていた。
俺はその店の商品を手に取ってみると……
アリアが俺の袖を掴んできた。
どうやら、欲しいようだ。
俺はアリアの髪を軽く結わえてやる。
（うん！よく似合っている）
俺は満足して店を後にしようとしたのだが……
アリアが動かない……
（まだ、何かあるのか？）
俺はアリアに尋ねることにした。
すると…… どうやら、アリアは迷子になってしまったようだ。
俺は慌てて、アリアを探すことにした。
しばらく探し回っていると、ようやくアリアを
見つけることができた。
アリアは泣きそうな顔をしている。
俺はアリアに近づいていくと、手を繋いで歩き始めた。
それからしばらくして、俺達は目的の場所に辿り着いた。
それは…… 街の広場にある噴水だ。
そこで俺はアリアを抱き上げると、そのまま噴水の縁に座らせた。
そして、アリアに買ってきたものを手渡す。
それは…… 花で作られた冠だった。
アリアは嬉しそうに受け取ると、頭に被せてもらった。
アリアはとても喜んでいる。
（喜んでくれてよかった）
俺はホッとしていた。
そして周りを見るとミリアが歩いてきた。
「見つかってのね？ 良かった」
「心配かけてごめん」
「もう、気をつけないとダメよ」
「はい……」
俺達はミリアの元に戻ると、そっと手を繋ぐことにした。
それからしばらくして、俺達は家に帰ることにした。
家に着くと、ミリアが夕食を作ってくれた。
今日のメニューは、シチューだ。
「美味しい！」
俺は思わず叫んでしまった。
「ありがとう」
ミリアは笑顔を浮かべた。
（やっぱり、ミリアの作る料理は最高だな）
俺は心の底からそう思うのであった。
ある日、俺は久しぶりに冒険者ギルドに来ていた。
理由は単純で、暇潰しのためだ。
最近は仕事ばかりで、なかなか休みが取れなかったのだ。
そこで、今日は1日休んで、好きなことをすることにした。
俺は掲示板を眺めていたが、特に興味を引く依頼はなかった。
そこで、受付に行くと、ある人物に声をかけられた。
それは…… 元勇者パーティーのメンバーであり、今は俺の上司でもある男だった。