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ミリアは魔法で攻撃を始める。
どうやら風属性魔法のようだ。
しかし、次の瞬間アリアの声が響いた。
アリアがミリアに声を掛けたようだ。
ミリアがアリアを見るがどうやらアリアは既に
詠唱に入っているようだ。
ミリアは仕方なく自分の目の前にいる敵を蹴散らし始めた。
(ミリアは何を考えているんだ?)
(アリアの魔法に合わせて魔法を放つつもりなのか?)
(いや、それは無理だろ)
(いくらなんでも、タイミングを合わせるなんて)
(しかし、ミリアの奴本気だな)
(アリアも負けじと張り合っているし)
(これは、もうどうにもならないな)
(二人共楽しそうだし、いいか)
俺は二人の戦闘を見ながら、傍観していたのだった。
ミリアとアリアの戦闘を見ていると
二人共凄く楽しそうにしているのが良く分かる。
(二人が楽しんでくれるのが一番だよな)
(それにしても……なんだこの状況……)
俺が見つめているのは、ミリアとアリアが戦っている
場所の周りの状況だった。
ミリアが魔法を使うと、周りの木々が吹き飛ばされたり、
地面に穴が空いたりと、とんでもないことになっている。
それに対して、アリアは地面や周りに被害が出ないように
結界を張っているようだ。
さらにアリアは、母親であるミリアの暴走して
しまった魔法を軌道修正して当てている。
そうすると、
ミリアの魔法によって出来たクレーターに
アリアの魔法が合わさって、大きな爆発が起こる。
その光景に唖然としながらも、
俺はミリアとアリアの 戦いを眺めていた。
そうして、しばらくするとミリアが膝をつく。
「数がおおいいよ」
どうやら、魔力切れを起こしたみたいで、息も上がっている。
アリアはミリアに近寄ると、ミリアの頭を撫でながら、
笑顔で話しかけてきた。
「ママ、偉い偉い」
ミリアは嬉しそうにアリアの顔を見ると
恥ずかしそうにして、アリアに抱きついた。
そんなミリアの頭をアリアは優しく撫でるのだった。
ミリアの呼吸が落ち着いてきたところで、俺
が二人に 声を掛けると、二人は俺に視線を向ける。
そして俺が何かを言う前に、ミリアが俺に飛び付いてきた。
俺もミリアを抱き締め返すと、
ミリアは満足したのか離れて行った。
すると今度はアリアが俺の袖を掴んでくる。
どうやら、寂しかったようだ。
俺は苦笑いを浮かべてアリアを慰めるようにしながら
二人を宥めて、先に進むのであった。
(そろそろ俺の出番があっても良いと思うのだが……)
(まぁ、仕方ないか)
(二人共可愛いからな)
それから森の奥へと進んで行くと、オークの集落を発見する。
どうやら、ここが今回の目的地のようだ。
オークの数は100匹近くいる。
(思ったよりも数が多いな)
(しかし、どうするか)
(二人にやらせるか?)
俺が悩んでいると、ミリアが提案してくる。
どうやら、二人で協力してオーク達を倒すらしい。
しかし、アリアはミリアの言葉を聞いて首を横に振る。
どうやら、アリアもミリアも譲れないものがあるようだ。
そうして、ミリアとアリアがオーク達に向かって走り出す。
アリアが先に詠唱に入る。
ミリアがオーク達に突っ込んでいく。
俺がミリアを見ると、ミリアがこちらを向いて
微笑みかけて来た。
俺もミリアに応えるように笑みを返しながら、
ミリアに指示を出す。
すると、ミリアは俺の指示に従って、
俺の固有スキルを発動する。
【俺の嫁】が発動して、俺のステータス画面に
俺の使える魔法が表示される。
その中から、俺が覚えている中で最強と思われる
魔法を選択する。
そして、俺の身体が光り輝く。
アリアが詠唱を終えると、オーク達の足下から
炎が噴き上がる。
オーク達は次々と焼かれていく。
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