元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

148.

「それよりも貴方にはここで死んで貰いますねっ！？」
「い、嫌だ！！  まだ死にたくないんだ……。俺に生きる理由が……。
俺の記憶を取り戻すまでは……。頼む助けてくれないか……。
お前の主人の願いを聞き入れてくれ！」
と俺は土壇場で懇願したのだ。
そうしたら……その女性は……いやその女の人はこう言うのだ。
「……それは……駄目なんです……。私では……。だから諦めていただかないとなりませんので……。
だからお覚悟を決めてくださいませ……。さようならの時間なんですから……せめて……
苦しまぬようにしてあげますから安心なさって下さいな」
と俺に杖を向けて、そして電撃を放ち気絶させて来たのだった……。
俺が抵抗しようとする前にだ。
そんな俺は息絶えて死んでしまうともう人生も終わりかなって思っているのですが、
あの世で神様である【リンデシャル】と出会い、新しい命を授かると俺は生まれ変わって
名前もユウトだったが、そのままでユウトで新しい異世界へと降り立つのであった。
ある日、俺が街道を歩いていると一人の美少女と出会う。
「きゃ～～！   だ、だ、誰ですか貴方は！  というか何者ですか！」
俺はついつい見とれてボーっとしてしまう。
こんな綺麗な娘と出会える日が来るとはと感激したものだ。
俺は彼女と少し会話をしてみることにした。
それで少し打ち解けた後で彼女の家に行くことになり……。
そこで、一緒に食事をすることになり……。その後は、何と二人だけの世界に……。
その事に気づいたのは翌朝になって、俺は彼女を抱きしめながら寝てしまっていた。
しかも、キスしたままだ……。
だが、そんな甘い空気が壊されてしまう出来事が起きる……。
「おはよう、私を起こしに来てくれたの？  ……えっ？  どういう状況なの？  ええぇえええ！」
と言う彼女の声と共に扉が開かれてしまい……。
その後は大変だった。俺と彼女の間に何かが入ってきてそれから俺が押し飛ばされてしまい
壁に頭をぶつけてしまうという事件が起きたのである。
おかげで気を失ってしまい俺は彼女の腕の中で眠ることになった。
朝、目がさめた時何故か俺は胸が温かく感じていて不思議に思うが……。
「ごほん！  取り敢えず事情を説明させてもらってもいいかしら？」
と聞かれたので慌てて離れる。
するとそこには先程の女性が居座っていた。
どうも俺が眠っている間に起きた事を教えてもらった。
つまり彼女は実は俺の妹ではなく義理の妹だということを……。
「それよりも今度ね、とあるパーティーに入ろうとしているんだけどね、
貴方もパーティーに入りませんか？」
そう言われると俺はどんなパーティー何だろうと考える仕草をするのですけど、
それでも気になる俺はこう答える。
「分かったよ、そのパーティーに入ろうじゃないか」
「そう言ってくれると信じていたわ……。ありがとう！」
と言われるとその子の笑顔に見蕩れるのだけど、次の瞬間……。
俺の首根っこを掴んだと思ったその刹那に身体中に雷を流し込んできたのである。
しかも威力が強かったのか、意識を失った。
そう俺が次に目覚めた時には自分の部屋のベッドの上であり窓から見える景色を見てみると
外は既に夜になっていたのだ。