56 / 737
56.
しおりを挟む
「んーやってみるか」
ということで実験を
開始することにしました。
といっても、さすがに街中ではやばいと判断したので人気のない場所に
移動して行う。
幸いにもそこは廃墟になった建物で人の気配は全く感じられなかった。
そこで早速取り掛かる。
使用するのは以前作ったオリジナルレシピのポーション類である。
その数は100以上に及ぶ。
それらを全部分解して、必要な成分を抜き取る作業を繰り返し行うことで
遂に完成した。
所要時間はおよそ5分と
いったところである。
「ま、こんなもんでしょう」
ちなみに出来たものの効果だが、
端的に言ってしまえば自身の魔力を一時的に増やすものになる。
つまりドーピングのようなものである。
この世界にはステータスを上げるための道具がいくつか存在しており、そういうものを揃えることで自身を強化していこうという考えである。
他にも属性付与が可能なもの、毒を無効化するものなど様々なバリエーションが
存在している。
そのあたりは追々、考えてみるとしてひとまず今は戻るとします。
帰りはもう面倒だったので普通に帰ろうと門を通り過ぎてそのまま通り抜けて村まで
帰ってきた。
その道中に思ったのが、どうせならレベルをもっと上げたいということだ。
今のままでもいいといえばいいのだが、
「やっぱり高い壁があるなら越えたくなるのが人間の心理だよな?」
なんてことを言いながら森に入ると先日の教訓を活かしてより慎重に進んでいく。
途中で何度かモンスターに遭遇することもあったが難なく倒すことが出来ていた。
そして夜が明けた頃にはレベルが8まで上昇していた。
相変わらず体力や筋力といったパラメーターの伸びが悪いが、それもじきに慣れていくことだろう。
そう思いつつ次の日の朝を迎えた。
この日は朝早くから行動を開始した。
というのも早くしないと売れてしまう可能性が高くなるからである。
その店は郊外にあり、立地的にはそこまで恵まれているわけではなく、更にはその店が扱っている商品の種類がまた特殊なためなのかあまり知名度は高くないみたいで、
「あまり良い買い手が見つからないですね」
店員の女性が呟く。
ちなみに店主でもある彼女がここの責任者のようである。
一応、前情報によれば商品自体はちゃんとしていて質も良いと評判なんだとか。
それでも売り切れてしまいそうなのでこうして足を運んでいる次第。
そして店内には多種多様な商品が並べられているが お目当てのものは
まだ発見できていない。
だがここで諦める訳にはいかないので、店員さんに案内されて店の奥へ。
「これとこれを」
そういわれて指差されたのは一組の指輪。
銀色に輝くシンプルなデザインをした代物で、石には赤色の輝きを放つ宝石が
使われている。
「ほうこれはなかなか。ではこれでお願い致します」
「かしこまりました」
こうして目的のブツを手に入れてほくそ笑むのであった。
あれから数日が経過したが、特に問題が起きることなく日々が平和に流れていった。
村で過ごして分かったことはここは意外と田舎ということだ。
人口はそれなりにいるが、人外による被害が目立つことから住人同士の距離感が非常に近くて皆で助け合いの精神が
根付いているようだ。
しかもその関係で小さな子供の面倒を見たりしていることも多く、中には赤ん坊を抱えている母親の姿も見受けられた。
ということで実験を
開始することにしました。
といっても、さすがに街中ではやばいと判断したので人気のない場所に
移動して行う。
幸いにもそこは廃墟になった建物で人の気配は全く感じられなかった。
そこで早速取り掛かる。
使用するのは以前作ったオリジナルレシピのポーション類である。
その数は100以上に及ぶ。
それらを全部分解して、必要な成分を抜き取る作業を繰り返し行うことで
遂に完成した。
所要時間はおよそ5分と
いったところである。
「ま、こんなもんでしょう」
ちなみに出来たものの効果だが、
端的に言ってしまえば自身の魔力を一時的に増やすものになる。
つまりドーピングのようなものである。
この世界にはステータスを上げるための道具がいくつか存在しており、そういうものを揃えることで自身を強化していこうという考えである。
他にも属性付与が可能なもの、毒を無効化するものなど様々なバリエーションが
存在している。
そのあたりは追々、考えてみるとしてひとまず今は戻るとします。
帰りはもう面倒だったので普通に帰ろうと門を通り過ぎてそのまま通り抜けて村まで
帰ってきた。
その道中に思ったのが、どうせならレベルをもっと上げたいということだ。
今のままでもいいといえばいいのだが、
「やっぱり高い壁があるなら越えたくなるのが人間の心理だよな?」
なんてことを言いながら森に入ると先日の教訓を活かしてより慎重に進んでいく。
途中で何度かモンスターに遭遇することもあったが難なく倒すことが出来ていた。
そして夜が明けた頃にはレベルが8まで上昇していた。
相変わらず体力や筋力といったパラメーターの伸びが悪いが、それもじきに慣れていくことだろう。
そう思いつつ次の日の朝を迎えた。
この日は朝早くから行動を開始した。
というのも早くしないと売れてしまう可能性が高くなるからである。
その店は郊外にあり、立地的にはそこまで恵まれているわけではなく、更にはその店が扱っている商品の種類がまた特殊なためなのかあまり知名度は高くないみたいで、
「あまり良い買い手が見つからないですね」
店員の女性が呟く。
ちなみに店主でもある彼女がここの責任者のようである。
一応、前情報によれば商品自体はちゃんとしていて質も良いと評判なんだとか。
それでも売り切れてしまいそうなのでこうして足を運んでいる次第。
そして店内には多種多様な商品が並べられているが お目当てのものは
まだ発見できていない。
だがここで諦める訳にはいかないので、店員さんに案内されて店の奥へ。
「これとこれを」
そういわれて指差されたのは一組の指輪。
銀色に輝くシンプルなデザインをした代物で、石には赤色の輝きを放つ宝石が
使われている。
「ほうこれはなかなか。ではこれでお願い致します」
「かしこまりました」
こうして目的のブツを手に入れてほくそ笑むのであった。
あれから数日が経過したが、特に問題が起きることなく日々が平和に流れていった。
村で過ごして分かったことはここは意外と田舎ということだ。
人口はそれなりにいるが、人外による被害が目立つことから住人同士の距離感が非常に近くて皆で助け合いの精神が
根付いているようだ。
しかもその関係で小さな子供の面倒を見たりしていることも多く、中には赤ん坊を抱えている母親の姿も見受けられた。
0
お気に入りに追加
1,203
あなたにおすすめの小説
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!
理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。
ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。
仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる