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結局、相談しても解決策にはならず、寧ろ余計にバレッド様の為に子を産みなさいと言われ、
私は嬉しいのですけれど、本当にこのまま産んでいいのか、どうかも分からず、困惑しているのは事実で
しょうがない私は直接、愛する夫のバレッド様にご相談するしか御座いません。
「あのねバレッド様、私は子供を授かったの、それでね、私はどうしたらいいの?
私、赤ちゃんを産む自信が無いわ」
正直に言うとバレッド様は真剣な眼差しを向けてから一言こう告げられました。
「俺に任せて欲しい」
と。私にとっては嬉しい言葉ですのに素直に受け止めることができずにいて、
どう反応すればいいのかも理解できてはいませんでした。
それからというものの私はずっと不安に苛まれながらもバレッド様との生活を続けることになるのでございます。
バレッド様と結婚してからも暫くの間、私は彼との行為が一切出来ない状況に。
原因は私の肉体にあったわけですけど。
実はバレッド様は私のことを妻にする前に一度手を出している女性がいるらしいのですが、
その時は相手の女性は正真正銘処女だったという話で。
つまり私だけが純潔を保ったままだったとか。
まあバレッド様のお話では過去に私のお母様と面識があるということでしたが、
それでもやはり私からすると許せるものではないでしょう。
しかし、バレッド様にお願いされたら私としては嫌とは言えないでしょうから、
我慢するしかないですね。
ですが私を本当に好いていたとなれば別ですけれども、本心では愛されていなかった。
「バレッド様、私の事を真剣に愛して下さい、そろそろ貴方の子も産まれるんですよっ!?」
「それは無理なことだ、俺は君を愛しているが君の方は俺のことを
そこまで深く愛してくれていないだろう?
それに君のその感情が冷めるように色々と仕組んでいたつもりなんだよ」
「嘘、貴方のせいで私はもう普通の女の子の感情がなくなってしまい
どう表現すればよいのかも分かんなくなっているの」
「ふーん、じゃあどうなるのか試してみるとするか」
「どうするつもりなの?」
「そうだねえ、じゃあ例えばの話なんだが」
「はい」
彼はそう切り出す。
すると彼の腕が勝手に動き出したかと思えば胸元へと向かっていった。
そして指先が突起を捉えたと思った直後、強烈な刺激が脳裏を焼き尽くしていった。
私は今までの比にならない快楽に襲われていき、あまりの激しさに思わず喘ぎ、
悲鳴に近い声を漏らしてしまった。
だがバレッド様の手は私のことを容赦なく責め立てるため、
私は絶頂を何度も迎え、ついには気絶してしまうのであった。
目が覚めた時にはベッドの上に寝かされており、
「大丈夫かい、マリアベル」
優しい口調で語りかけてくる。
その様子を見ていて先程の光景が幻覚であることに気が付き安心したのだが
バレッド様がとんでもないことを言うのでまた驚かされてしまう。
というのも彼は私との行為をもう一度したいと言い出してきたからだ。
私としても断る理由が見当たらないため承諾をした。
こうして私は再び彼を受け入れたのである。
彼の性欲はかなりのもので私が意識を失っても尚続行しようとするほどのもの。
私は途中で失神してしまい次に目を開けたのは翌日だった。
そして彼は疲れ果てているにも関わらずまだ足りないようで私を求めてくるので応じることにした。
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