上 下
86 / 134

86.

しおりを挟む
「そこばっかりダメですぅ!  おかしくなるくらいイっちゃうから許してください」
しかし、そんな訴えは聞き入れてもらえず、ますます動きが激しくなっていった。
「嫌なら辞めるけどどうする?」
突然そんな事を言われてしまい戸惑ってしまう。
バレッド様は私が感じ過ぎているから止めて欲しいと思ったのだと思い込んでしまったのでしょう。
本当はバレッド様が相手してくれるのが嬉しくてつい我を忘れてしまっていただけなのに。
だからと言って止める事はできないので、バレッド様に誤解されたまのでも別に構わなかった。
「続けてください」
と言うものの、内心では不安で仕方がなかった。
だってバレッド様との初めての行為を邪魔されているような気分になってしまうから。
そんな私の気持ちを見透かすかのようにバレッド様は私の身体に刺激を与えてくる。
激しい突き上げは痛みを伴う事もあったけど段々とそれが気持ちよく感じるようになってきた。
そんな事を考えてしまっている自分が恥ずかしくなりながらも、次第に頭の中が白く染まっていった。
気持ちいいってこういう感覚なんだと知りつつも、初めての性行為の余韻に
浸る時間はとても甘くて幸せに満ちていた。
「はははははは!」
何度目かも分からない絶頂を迎えさせられた私を嘲笑うバレッド様。
どうしてこんな事にと悔やんでさえみても遅い。
今の状況を受け入れざるを得なかった。
「どうしたんだいマリアベル。俺を求めてくれたらまた愛してあげるのになぁ」
バレッド様に言われた瞬間。あの夜のことを思い出し、思わず子宮が疼いてしまった。
バレッド様に犯され続けていた頃の話。
「愛していますよ。私だけの王子様」
私がそう口にすると彼も同じ想いを抱いてくれていたのが分かった。
バレッド様の背に両手を回して抱きつき、彼を求めるように腰を動かしていた。
互いの性器が擦れあい、淫らで濃密ないやらしい水音を立てていく。
「あんっ、気持ち良いですわ。大好きな人との行為はこうまで心が満たされるものなんですね」
彼に全てを委ねるだけで何もする必要がなくとても楽だ。
こうして彼に任せていれば簡単に高みへと昇り詰められる。
ただ一点を除いて。
彼から与えらえれる甘い痺れるような悦びとは違う。
自ら欲する衝動を抑えられない。
「お願いします。貴方の子種を私に下さい。何でも言うことを訊きますから」
バレッド様との子供が出来ればきっと幸せな家庭を築いていく事ができるだろう。
それどころか彼の優秀な血を宿すのはこの世界で自分一人しか存在しないのだ。
それは選ばれた存在であると自惚れても良い筈だ。
「そんなに子種が欲しいのならおねだりして見せろ」
「はい。どうか私の膣内にあなたの白濁液を注いで孕ませて頂けませんか?」
私は躊躇わずに言った。
だがそれを聞いてバレッド様の目は更に冷たいものになった気がしたのだが気のせいだろうか?
ともあれ私の一言によりバレッド様のモノは更に硬さを増して天高くそそり立っていたのだった。
早くアレを突っ込みたいと思わせる程に魅力的に見えてきて私の心臓はどきんどきんと
大きく鼓動を繰り返していたのである。
(さぁいつでも準備はできていますわ)
「ふふ。そうか。そこまで堕ちる程の変態に成り下がったのか、お前は」
そう言って彼は蔑むような視線を浴びせてくるが、今の私にはむしろ快楽を与えるための材料でしかなかった。
何故ならば私はもう既に彼の言いなりに成らざるを得ない存在になってしまっていたからだ。
そしてそれを見透かしているかの様に彼は私の突起を摘んできたのであった。
「んんん~♡」
待ち望んでいた強い快楽を与えられたことにより、喜びの声が漏れ出てしまう。
もはや抵抗することなんてできるはずもなかった。
「お前が変態なせいで俺のがこんなになっているんだよな、まぁ、奉仕してくれ」
「かしこまりました。バレッド様」
彼の前にひざまずき、そのモノを口に含む。
「んちゅ、はっはやくぅ」
そして私は我慢出来なくなり、そのまま口の中で果てさせてしまった。
私の体液を飲み込んだバレッド様は上機嫌そうな顔をしていてくれたので安心してしまった。
「どうだ?」
と言われ私はすぐに肯定してしまうが もっといじめられたいと思ってしまいさらに
媚を売ってしまう始末であった。
「はい凄かったです、気持ち良かったですわ」
「ははっ、素直なのは可愛がられて育ってきた証拠だよな」
「私そんなの初めて」
「そうかい。そいつは何より」
「じゃあ続きするか」
「はいっ」
「ほらベッドの上でうつ伏せに寝転んで」
「はい」
私はバレッド様に指示されるまま体勢を変えようと思い起き上がる。
バレッド様も私の上に覆い被さるような形になっていた。
これでバレッド様と密着することができると密かに喜んだのも束の間――
急に強く肩を押さえつけられたかと思うと仰向けにさせられてしまった。
目の前にはとても満足げなバレッド様の顔があった。
一瞬、何をされたのかわからなかったけれど次の言葉で理解することになった。
つまりキスされたの。
それも触れるだけではなく舌を入れられるタイプの濃いやつだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

旦那様、王太子だからといって思い通りにはさせません

おてんば松尾
恋愛
政略結婚で隣国から嫁いできた王女ステラは王太子との初夜を迎えていた。 寝室に入ったとたん「では子づくりを」と王太子に言われたステラ。 妻に対するおもいやりも気遣いも感じられない態度に、ステラは二人の仲を深めるために先に話をしましょうと提案する。 王太子は初夜を拒否されたと思い、政略結婚というものの説明をする。 すれ違い、なかなか上手く噛み合わない二人だが、世継ぎをつくるという使命だけは果たさなければならない。 愛のない夜伽を試みるが…… **私は溺愛が上手く表現できないのですが、なんとか頑張って書いています。

貴方にとって、私は2番目だった。ただ、それだけの話。

天災
恋愛
 ただ、それだけの話。

別れた婚約者が「俺のこと、まだ好きなんだろう?」と復縁せまってきて気持ち悪いんですが

リオール
恋愛
婚約破棄して別れたはずなのに、なぜか元婚約者に復縁迫られてるんですけど!? ※ご都合主義展開 ※全7話  

優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~

日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。 もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。 そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。 誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか? そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。

無理です!僕は絶対にこんな屑駄目王子の嫁になりませんからね?

竜鳴躍
BL
見た目と才能を隠していた第二王子と第一王子の婚約者候補のラブコメ?王家ざまあ。番確定なのに未成熟で分かってない主人公(受)とすれ違いの攻。あげく第一王子は変装した弟に恋をするし、たいへんです。 ※前半あらすじ? 「なんでウチは公爵なのぉ!?」ハイリ5歳は絶望した。ちょっと顔が綺麗なだけで傲慢な第一王子。外面が良いだけの悪魔の婚約者候補に選ばれてしまう。ハイリは男の子だけどΩでお嫁に行く。だから女の子に混じって、実家の爵位と年齢から選ばれてしまった。死にそうになったところを助けてしまったり、あまりのアホさにやらかす男を助けてしまい、なんとか自分だとバレないように裏工作するハイリ。見た目と才能をひた隠しにして、どうにかこうにか誰かに第一王子を押し付けようとするのだった。 ☆短編になりました。

本物の恋、見つけましたⅡ ~今の私は地味だけど素敵な彼に夢中です~

日之影ソラ
恋愛
本物の恋を見つけたエミリアは、ゆっくり時間をかけユートと心を通わていく。 そうして念願が叶い、ユートと相思相愛になることが出来た。 ユートからプロポーズされ浮かれるエミリアだったが、二人にはまだまだ超えなくてはならない壁がたくさんある。 身分の違い、生きてきた環境の違い、価値観の違い。 様々な違いを抱えながら、一歩ずつ幸せに向かって前進していく。 何があっても関係ありません! 私とユートの恋は本物だってことを証明してみせます! 『本物の恋、見つけました』の続編です。 二章から読んでも楽しめるようになっています。

虐げられた落ちこぼれ令嬢は、若き天才王子様に溺愛される~才能ある姉と比べられ無能扱いされていた私ですが、前世の記憶を思い出して覚醒しました~

日之影ソラ
恋愛
異能の強さで人間としての価値が決まる世界。国内でも有数の貴族に生まれた双子は、姉は才能あふれる天才で、妹は無能力者の役立たずだった。幼いころから比べられ、虐げられてきた妹リアリスは、いつしか何にも期待しないようになった。 十五歳の誕生日に突然強大な力に目覚めたリアリスだったが、前世の記憶とこれまでの経験を経て、力を隠して平穏に生きることにする。 さらに時がたち、十七歳になったリアリスは、変わらず両親や姉からは罵倒され惨めな扱いを受けていた。それでも平穏に暮らせるならと、気にしないでいた彼女だったが、とあるパーティーで運命の出会いを果たす。 異能の大天才、第六王子に力がばれてしまったリアリス。彼女の人生はどうなってしまうのか。

運命の選択が見えるのですが、どちらを選べば幸せになれますか? ~私の人生はバッドエンド率99.99%らしいです~

日之影ソラ
恋愛
第六王女として生を受けたアイリスには運命の選択肢が見える。選んだ選択肢で未来が大きく変わり、最悪の場合は死へ繋がってしまうのだが……彼女は何度も選択を間違え、死んではやり直してを繰り返していた。 女神様曰く、彼女の先祖が大罪を犯したせいで末代まで呪われてしまっているらしい。その呪いによって彼女の未来は、99.99%がバッドエンドに設定されていた。 婚約破棄、暗殺、病気、仲たがい。 あらゆる不幸が彼女を襲う。 果たしてアイリスは幸福な未来にたどり着けるのか? 選択肢を見る力を駆使して運命を切り開け!

処理中です...