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「行くわよ」
「エメアリア?」
3人は外に出ていくのだが、それを見ていた貴族の1人から報告される。
その内容は3人で話し合う為の場所を用意してほしいとのことだったので、
1時間後に用意されることになった。
準備ができるまでの間、エメアリアはバルコニーに出て風に当たっていた。
シュバリアもその横に立っているが何も喋らない。
(どうして私だけこんな扱いを受けるのよ)
正直に言えばエメアリアだって、 自分が美人だという自覚はある。
だからといって男どもにちやほやされるのは納得できない。
エメアリアがそう思ってしまうのには理由があった。
というのも、シュバリアに出会う前のこと。
10歳の時、当時のシュバリアの婚約者に会ったことがある。
当時12歳だった彼女はまだ幼く大人しい子だった。
だけどシュバリアの隣に立つと、まるで本物の恋人同士のような振る舞いを見せたのだ。
彼女はシュバリアの手を握ってエスコートさせたり、
時には自分から抱きついたりしていた光景を今でも覚えている。
それだけでもエメアリアにとっては衝撃的だったのだが、
さらに驚いた事がある。
シュバリアの方は何一つ反応しなかったことだ。
(私がいくらアピールしても全然動じなかったわね)
シュバリアとエメアリアの関係を知るまでエメアリアは全く気付かなかったが、
実はシュバリアの事を好きだった時期があった。
勿論、今の好きではないことは理解しているのだが。
(まさかとは思うけど、私の事が嫌いとかじゃないでしょうね?)
まさかねと思いつつも、 シュバリアの気持ちがわからなくてモヤモヤーっとしてしまう。
ただ、こればかりは本人に直接聞くわけにもいかない。
エメアリア自身はまだ自分の立場を理解していなかった。
何せシュバリアは自分の国の王様なのだ。
そんな人物に恋をしてしまったなんて知られてしまった場合、
最悪の場合は国家間の問題に発展する事になってしまう。
もしそうなってしまった時、自分はシュバリアの足を引っ張る事になるかもしれない。
エメアリアはそんな事態になるのは絶対に嫌だった。
エメアリアの両親は2人の関係は良好だと思っている。
その為にシュバリアの正室として選ばれた事も。
エメアリアとしては複雑な気分であったが、
両親の手前そういう素振りを見せる訳にはいなかった。
それにエメアリア自身もシュバリアの事は好きだ。
例え相手が実の父親であっても、
シュバリアの傍に居たいという想いに変わりはないのだが……。
(どうしたらいいんだか)
エメアリアは頭を悩ませるのだった。
(今日は早く終わったな)
そう思ったシュバリアはエメアリアと一緒にお城に戻ることにした。
2人は一緒に馬車で帰ってくるとそのままお風呂に入り、寝るまでの時間を過ごすのだった。
翌日になると、いつものように起きて支度を終えると2人は食堂へ向かう。
「あら、2人だけ?」
食堂に入ってきた母親にそう聞かれた2人はキョトンとした顔を浮かべたがすぐに事情を理解する。
国王夫妻がいないことで疑問に思っていたらしい。
ちなみに、2人の両親も同席しているので、今ここにいるのは6人である。
6人も座れる椅子はないので5人と夫婦二人で別れることになった。
とは言っても、親子は一緒だけれど、2人に近付くものはいない。
シュバリアは特にそんなつもりはなかったが、エメアリアはシュバリアに
悪い虫がつくのではないかと心配で仕方がないようだ。
そんな様子を周りは呆れた目で見ている。
朝食を食べ終えると2人はすぐにお城を出発する。
「エメアリア、昨日も聞いたがどうした」
「何でもない」
シュバリアはいつもと様子が違うエメアリアに首を傾げるしかなかった。
その後、お城は無事に守られて数日経った頃のことである。
4日間にわたる舞踏会が開かれて盛大に行われることになり、
7日目になった時に最後の行事が行われて終わることになる。
7日目に行われるイベントと言えば、夫婦の営みで
エメアリアとシュバリアは公共の場でセックスを始めると皆に愛し合っていると言うのを
公開しているのだった。
「んっ……あん……」
「エメアリア、出すぞ」
「きてぇ、いっぱい出して」
「うぉおお!」
「ああああああ!」
こうして、シュバリアはエメアリアと最後まですると、
グッタリとしているエメアリアを抱きかかえて部屋に戻った。
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