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その際に犯人達を倒すことに成功したのは父だったという話を後から聞いた時には正直驚いたものだ。
なぜなら母はおっとりとしておりどこか抜けていておっちょこちょいな面があるのに対して父は真面目一辺倒な人であり性格が全く異なっていたから
とはいえ二人とも優しく接してくれるところは共通していたため大好きな両親であることに変わりはなかった。
そして今回父が命を狙われた理由は他ならぬ自分のせいであるという事を理解していたため酷くショックを受ける事となった。なにせ自分のせいで二人の生命が失われたので私を恨んでいる人がいるという事を改めて理解したため
ただ私にとって不幸中の幸いなのは私の味方になると言ってくれた人たちがいたことだろうか?
最初は信用できなくて疑っていたけどどうやら嘘ではないことが分かり心強い存在であることが分かる。
そして彼らはこの国で権力を持っている者達ばかりでもあったため彼らの協力を取り付けることができたのは非常にありがたいことだった。
その中でも一番重要なのはルパート様の存在である。
彼だけは何故か最初から親身に接してくれていたことが何よりも嬉しく感じた。
他の皆と違って裏切ることがないと思っており信頼できる唯一の人物であることは間違いない。
それにどうやら私に対して恋心を抱かれているのかなと感じたため内心戸惑っている部分はあるものの嫌いではないために悪い気がしなかったのは紛れもない事実だったりする。
その証拠に彼と一緒の時間を過ごすのが楽しく感じるようになっていたから
そんなある日のことである
ついに運命の日が訪れた。
その出来事というのは私が閉じ込められている場所へやって来た彼が私のためにとあるものを用意してくれたことである
そのおかげでようやく自由の身になれたので喜びに満ち溢れていたがその代償は大きくあまりにも辛いものであった。
というのも私と彼を引き裂こうとするかのように現れた女性の存在があったためだ。
彼女は私の元婚約者で現王妃の令嬢にあたる人物であり私の天敵とも言える存在でしかなかった。その女性は私が彼に近づかないようにと監視役を買って出て来たらしく常に付き纏うようになったので非常に困った。というのもある理由から彼女と二人きりになることは絶対に避けたかったからである。
それは彼女の父親による妨害工作が目的であるためだ。
私の父と母の死因について詳しく調べた結果によると暗殺者の犯行だという事が判明したがその際に使われた武器というのが短剣だったために彼女が関わっている可能性が高いと睨んでいた。
というのもその凶器は私が以前使っていたものと同じものだったからである。
そのことから彼女に恨みを抱いている人物がいることはほぼ確実だったのだ。
その人物は恐らく私の母と何らかの関係を持っておりなおかつ私の父とも繋がりのある相手である可能性が極めて高いため警戒しなければならない。
現状は打つ手がないために対策のしようがなかった。
なので仕方なく放置することにしたのだが、その選択をしたのはやはり早計過ぎたかもしれない。
「あなたは一体何をしようとしているのですか?」
その言葉を聞いて私はハッとする。
それはまさに自分が今から行おうとしている行為そのものを咎めているかのような言い方だったからだ。
なので私は焦りを覚えるとともに冷や汗を流しながら苦笑いを浮かべるしかない。
そう、私は目の前にいる相手のことを忘れてしまっていた。
いや正確には違う。
あえて無視していたのである。
その理由は単純明快で私にとっては邪魔な存在であったことと関わりたくない相手だったからに過ぎない。
だから私は素直に従うことにした。
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