10 / 39
10.
しおりを挟む
「大丈夫ですよ。安心なさい。貴方は母親として立派な行いをしました。自信を持ちなさい。それに例えどのような結果になろうと決して恨むことは致しません。それよりも今はゆっくりと休んで体を大事にしなくてはなりません。わかりましたか?」
私の考えを読み取ったかのように諭してくる。
そのおかげで少しだけ気持ちが楽になった。
そして数日後に無事に生まれた。
元気な女の子で名前はマリアと名付けた。
こうして私は新たな人生を歩むことになった。
新しい人生を歩み始めて早数年が経過した。
その間にも様々な出来事があった。
まずは娘が生まれて間もなくして第二子が誕生した。
今度は男の赤ちゃんで名をアルフォンスと名付けられた。
この子はすくすくと育ってくれたのでとても嬉しい
それともう一つ嬉しいことがあった。
それは弟が出来たことだ。
つまりは王位継承権第一位を持つ者の誕生ということになる
本来であれば喜ぶべきところなのだけど残念ながら素直に喜んでばかりはいられない
というのも弟の母親は平民の出身で身分が低いので王位を継ぐ権利はないからだ。
そのため継承順位が下がらないかと危惧されている
もちろんそうなった場合は全力を持って阻止するつもりではある
だが今のところその兆候は見られないのでひとまず安堵する
そんなある日のこと。街へ出かけた際にある噂を聞いた。
なんでもこの街の近くにダンジョンが発見されたという話だ。
これまで存在が確認されていなかったのに急に現れたということで話題になっている
興味本位で行ってみたい衝動に駆られるが立場上そういう訳にはいかないのが辛いところではある
しかし諦めきれずにこっそりと抜け出して行くことにした。
ちなみにだが護衛は付けていない
理由は簡単で連れてきたところで足を引っ張るのがオチだしそもそも信用していないからである
一応は信頼のおける人間を厳選した上で選んだつもりではあるがそれでも万が一ということがあるので今回は一人だけで行くことにした。
ちなみにだが同行者は例のあの男である
最初は渋っていたがなんとか説得に成功してついてきてもらうこととなった。
さすがに一人で行かせるのは不味いと判断をしたのだろう
まぁ別にいても邪魔になるだけだから居ない方が良かったんだけど
とりあえず準備を済ませると早速出発することにした。
「本当によろしいのですか? 今ならまだ引き返せると思いますよ」
例の男が確認するように尋ねてくる
「いいえ、構いませんわ。むしろ好都合というものでしょう。あの女に思い知らせてやりましょう」
私は不敵な笑みを浮かべるとそう宣言した。
「そうですね。そう言うと思っていましたが念のための確認でしたので」
男も同意を示す
「それじゃ行きますわよ」
私は意気揚々と歩き出した。
しばらく歩いているとようやく入り口が見えて来た。
「ようやく到着いたしましたか。さっそく中に入りたいところではありますが、まだ早いようです。もう少し待ちましょう」
男がそう告げた直後だった。
突如地響きのようなものを感じた。
一体なんだと思っているとさらに地震のような揺れが起きた。
これはただ事ではないと判断した私たちは急いで外へ出ると周囲を確認する
すると遠くの方から煙が立ち昇っているのを発見した。
いったい何があったというのだろうか?
気になって仕方がなかった為様子を見に行くことにする
街の外に出るのは初めての経験だった。
いつも屋敷の中で過ごしているせいなのか外に出た途端に新鮮な空気を吸えたのが何よりも心地よかった。
私の考えを読み取ったかのように諭してくる。
そのおかげで少しだけ気持ちが楽になった。
そして数日後に無事に生まれた。
元気な女の子で名前はマリアと名付けた。
こうして私は新たな人生を歩むことになった。
新しい人生を歩み始めて早数年が経過した。
その間にも様々な出来事があった。
まずは娘が生まれて間もなくして第二子が誕生した。
今度は男の赤ちゃんで名をアルフォンスと名付けられた。
この子はすくすくと育ってくれたのでとても嬉しい
それともう一つ嬉しいことがあった。
それは弟が出来たことだ。
つまりは王位継承権第一位を持つ者の誕生ということになる
本来であれば喜ぶべきところなのだけど残念ながら素直に喜んでばかりはいられない
というのも弟の母親は平民の出身で身分が低いので王位を継ぐ権利はないからだ。
そのため継承順位が下がらないかと危惧されている
もちろんそうなった場合は全力を持って阻止するつもりではある
だが今のところその兆候は見られないのでひとまず安堵する
そんなある日のこと。街へ出かけた際にある噂を聞いた。
なんでもこの街の近くにダンジョンが発見されたという話だ。
これまで存在が確認されていなかったのに急に現れたということで話題になっている
興味本位で行ってみたい衝動に駆られるが立場上そういう訳にはいかないのが辛いところではある
しかし諦めきれずにこっそりと抜け出して行くことにした。
ちなみにだが護衛は付けていない
理由は簡単で連れてきたところで足を引っ張るのがオチだしそもそも信用していないからである
一応は信頼のおける人間を厳選した上で選んだつもりではあるがそれでも万が一ということがあるので今回は一人だけで行くことにした。
ちなみにだが同行者は例のあの男である
最初は渋っていたがなんとか説得に成功してついてきてもらうこととなった。
さすがに一人で行かせるのは不味いと判断をしたのだろう
まぁ別にいても邪魔になるだけだから居ない方が良かったんだけど
とりあえず準備を済ませると早速出発することにした。
「本当によろしいのですか? 今ならまだ引き返せると思いますよ」
例の男が確認するように尋ねてくる
「いいえ、構いませんわ。むしろ好都合というものでしょう。あの女に思い知らせてやりましょう」
私は不敵な笑みを浮かべるとそう宣言した。
「そうですね。そう言うと思っていましたが念のための確認でしたので」
男も同意を示す
「それじゃ行きますわよ」
私は意気揚々と歩き出した。
しばらく歩いているとようやく入り口が見えて来た。
「ようやく到着いたしましたか。さっそく中に入りたいところではありますが、まだ早いようです。もう少し待ちましょう」
男がそう告げた直後だった。
突如地響きのようなものを感じた。
一体なんだと思っているとさらに地震のような揺れが起きた。
これはただ事ではないと判断した私たちは急いで外へ出ると周囲を確認する
すると遠くの方から煙が立ち昇っているのを発見した。
いったい何があったというのだろうか?
気になって仕方がなかった為様子を見に行くことにする
街の外に出るのは初めての経験だった。
いつも屋敷の中で過ごしているせいなのか外に出た途端に新鮮な空気を吸えたのが何よりも心地よかった。
0
お気に入りに追加
210
あなたにおすすめの小説
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~
日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】
https://ncode.syosetu.com/n1741iq/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199
【小説家になろうで先行公開中】
https://ncode.syosetu.com/n0091ip/
働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。
地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?
吸血鬼公爵に嫁いだ私は血を吸われることもなく、もふもふ堪能しながら溺愛されまくってます
リオール
恋愛
吸血鬼公爵に嫁ぐこととなったフィーリアラはとても嬉しかった。
金を食い潰すだけの両親に妹。売り飛ばすような形で自分を嫁に出そうとする家族にウンザリ!
おまけに婚約者と妹の裏切りも発覚。こんな連中はこっちから捨ててやる!と家を出たのはいいけれど。
逃げるつもりが逃げれなくて恐る恐る吸血鬼の元へと嫁ぐのだった。
結果、血なんて吸われることもなく、吸血鬼公爵にひたすら愛されて愛されて溺愛されてイチャイチャしちゃって。
いつの間にか実家にざまぁしてました。
そんなイチャラブざまぁコメディ?なお話しです。R15は保険です。
=====
2020/12月某日
第二部を執筆中でしたが、続きが書けそうにないので、一旦非公開にして第一部で完結と致しました。
楽しみにしていただいてた方、申し訳ありません。
また何かの形で公開出来たらいいのですが…完全に未定です。
お読みいただきありがとうございました。
悪役令嬢なので舞台である学園に行きません!
神々廻
恋愛
ある日、前世でプレイしていた乙女ゲーに転生した事に気付いたアリサ・モニーク。この乙女ゲーは悪役令嬢にハッピーエンドはない。そして、ことあるイベント事に死んでしまう.......
だが、ここは乙女ゲーの世界だが自由に動ける!よし、学園に行かなければ婚約破棄はされても死にはしないのでは!?
全8話完結 完結保証!!
【完結】私の婚約者(王太子)が浮気をしているようです。
百合蝶
恋愛
「何てことなの」王太子妃教育の合間も休憩中王宮の庭を散策していたら‥、婚約者であるアルフレッド様(王太子)が金の髪をふわふわとさせた可愛らしい小動物系の女性と腕を組み親しげに寄り添っていた。
「あちゃ~」と後ろから護衛のイサンが声を漏らした。
私は見ていられなかった。
悲しくてーーー悲しくて涙が止まりませんでした。
私、このまなアルフレッド様の奥様にはなれませんわ、なれても愛がありません。側室をもたれるのも嫌でございます。
ならばーーー
私、全力でアルフレッド様の恋叶えて見せますわ。
恋情を探す斜め上を行くエリエンヌ物語
ひたむきにアルフレッド様好き、エリエンヌちゃんです。
たまに更新します。
よければお読み下さりコメント頂ければ幸いです。
運命の選択が見えるのですが、どちらを選べば幸せになれますか? ~私の人生はバッドエンド率99.99%らしいです~
日之影ソラ
恋愛
第六王女として生を受けたアイリスには運命の選択肢が見える。選んだ選択肢で未来が大きく変わり、最悪の場合は死へ繋がってしまうのだが……彼女は何度も選択を間違え、死んではやり直してを繰り返していた。
女神様曰く、彼女の先祖が大罪を犯したせいで末代まで呪われてしまっているらしい。その呪いによって彼女の未来は、99.99%がバッドエンドに設定されていた。
婚約破棄、暗殺、病気、仲たがい。
あらゆる不幸が彼女を襲う。
果たしてアイリスは幸福な未来にたどり着けるのか?
選択肢を見る力を駆使して運命を切り開け!
「僕は病弱なので面倒な政務は全部やってね」と言う婚約者にビンタくらわした私が聖女です
リオール
恋愛
これは聖女が阿呆な婚約者(王太子)との婚約を解消して、惚れた大魔法使い(見た目若いイケメン…年齢は桁が違う)と結ばれるために奮闘する話。
でも周囲は認めてくれないし、婚約者はどこまでも阿呆だし、好きな人は塩対応だし、婚約者はやっぱり阿呆だし(二度言う)
はたして聖女は自身の望みを叶えられるのだろうか?
それとも聖女として辛い道を選ぶのか?
※筆者注※
基本、コメディな雰囲気なので、苦手な方はご注意ください。
(たまにシリアスが入ります)
勢いで書き始めて、駆け足で終わってます(汗
【完結】私の婚約者を奪おうとした妹は、家が貰えると思っていたようです
しきど
恋愛
妹が私の婚約者と一夜を共にしました。
もちろん純愛ではありません。
妹は私がお父様から継いだ財産を独り占めするため、婚約者はこの屋敷を乗っ取るために私より妹の方が組みやすしと考えたため。つまり、お互いの利害のための情事にすぎなかったのです。
問い詰めると妹は案外あっさり浮気の事実を認め、その代わりとんでもない事を言い出しました。
「アズライ様の事は諦めますが、その代わり慰謝料としてこの屋敷の所有権を頂きます!」
……慰謝料の意味、分かってます?
戦術家として名を馳せた騎士の娘、男爵家の姉妹のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる