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俺はそのまま、彼女の正体を尋ねることにした。
意外な言葉が返ってくる。
今まで隠していた理由だった。
俺はそれを聞くと納得した上で、改めて挨拶をした。
本題に入る前に気になっていたことを聞いてみる。
それは、なぜ俺のことを知っているのかということだ。
「あなたは覚えていないでしょうけど、幼い頃に会っているのよ」
俺はその言葉を聞いても思い出せなかったが、確かに言われてみればどこかで見たような気がしてきた。
だけど、どうしても思い出すことができない。
そんなことを考えているうちに話が進んでいく。
俺が記憶を失っていることは知っているらしく、それについて教えてくれるという。
「まず最初に言っておくけれど、あなたが失ったのは記憶だけじゃないの。
正確には、感情や感覚といったもの全てが失われてしまっているの」
それを聞いてショックを受けたものの、不思議と落ち着いていられた。
それよりも気になることがあったからだ。
それは、これから何をしようとしているのかということだった。
すると、彼女は笑みを浮かべて答えた。
「簡単なことよ。あなたには、もう一度、人間になってもらうの」
その言葉を聞いた途端、俺は愕然とした。
まさかそんなことを言われるとは思いもしなかったからだ。
しかし、それは俺にとっては願ってもないことだった。
なぜなら、俺はもう、人間には戻れないと思っていたからだ。
だから、俺が戸惑っていると、
「どうしたの? 早く、やってみせて?」
と、言われてしまった。
仕方なく、俺は、言われた通りにした。
俺は、元の姿に戻った。
そして、再び、服を着た。
その時、ふと疑問が浮かんだ。
「父さん」
「何をしているんだ」
俺の問いかけに、父は驚いた様子で振り返る。
「いや、ちょっと気になって……」
俺はそう言いながら、父の背後に回る。
すると、父の足元に、小さな女の子が倒れているのが見えた。
女の子の年齢は、六歳くらいだろうか。
黒い髪を肩まで伸ばしており、肌の色は褐色だ。
服装は白いワンピースを着ており、頭頂部には三角形の耳が二つ生えている。
猫のような耳だ。
おへそが見えるくらいの丈の長さのスカートからは、細くしなやかな脚が伸びていて、 足には、黒のニーソックスと、赤い靴を身に着けている。
「父さん、これは」
「なんでお前が人の姿に戻っているんだ?」
父が慌てたように言うと、すぐに、俺を捕まえようとしてきた。
しかし、俺は、その手をかわして逃げると、自分の部屋へと駆け込んだ。
ドアを閉めると鍵をかける。
それから、急いで服を着替えると、窓から外へ飛び出した。
家の裏にある森に向かって走ると、木々の間を縫うように走り抜けていく。
しばらく進むと、少し開けた場所に出たので、そこで立ち止まると、大きく息を吐いた。
それから、森の中を進み始めた。
途中、何度か魔物に襲われたが、その度に、撃退していった。
やがて、森の出口が見えてきたので、そこを通り抜けると、草原に出る。
さらに進んで行くと、大きな街が見えたので、中に入る。
そして、街の人々に道を聞きながら、目的地を目指した。
辿り着いた場所は、冒険者ギルドと呼ばれる施設だった。
冒険者登録を済ませると、依頼掲示板を見る。
その中から、薬草採取の依頼書を手に取ると、受付に持って行く。
手続きを終えて、外に出ると、門を出て、街道に沿って歩いていく。
しばらくすると、分かれ道に突き当たったので、右の道を進む。
しばらく歩くと、前方に、洞窟の入り口が見えてきたので、そちらに向かう。
入り口の前で、立ち止まって、中を覗き込むと、薄暗い空間が広がっているのが見えた。
「よし、行くぞ」
そう言って、一歩踏み出そうとしたところで、突然、声をかけられた。
驚いて振り返ると、そこには、ニーナが立っていた。
彼女はこちらの顔を見るなり、嬉しそうな表情を浮かべると、駆け寄ってきた。
「俺のハーレムに入るか?」
リュートが訪ねると、ニーナは、一瞬戸惑ったような表情を浮かべた後で、小さく頷いた。
それから、ニーナは立ち上がると、ゆっくりと服を脱ぎ始める。
リュートが見ている前で、一糸まとわぬ姿になると、恥ずかしそうに目を伏せる。
その姿を見ていると、胸の奥底から熱い衝動が込み上げてくるのを感じた。
気がつくと、手を伸ばしていた。
そして、最後までしてしまい、俺は
(やっちゃったな)
でも、後悔はなかった。
むしろ、幸せな気分だった。
こうして、俺とクロードは結ばれたのだった。
その後、俺達は、二人で暮らすようになった。
クロードは、とても優しくて、俺のことを大切にしてくれた。
俺も、クロードのことを愛していた。
ずっと、このままでいたいと、そう思っていた。
だけど、そんな生活も長くは続かなかった。
ある日、クロードが、病気になってしまったのだ。
医者によると、余命いくばくもないらしい。
それを聞いた時、目の前が真っ暗になった。
どうして、こんなことになってしまったのだろう。
そう思いながら、クロードを見つめる。
「ごめんね」
彼はそう言うと、泣き出してしまった。
それを見て、胸が締め付けられるような気持ちになる。
なんとかしてあげたいと思ったものの、俺にはどうすることもできなかった。
ただ、彼の傍にいてあげることしかできなかった。
それでも、できることならなんでもしたいと思い、彼に言った。
「何かしてほしいことはない?」
すると、彼は、しばらく考えた後で、こう答えた。
「一緒にいてほしい」
そう言われて、嬉しくなった。
もちろん、断る理由なんてない。
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