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お湯に浸かっていると、先程の事を思い出してしまい、思わず涙を流してしまったのです。
お風呂から出て着替えていると扉をノックする音が聞こえたので
誰かと思い扉を開けるとそこにはカナエが立っていたのです。
カナエは申し訳なさそうな表情を浮かべてこう言うのです。
「ミレナ様、スティラ王子から勲章を授与する儀式が始まるから大広間に来て欲しいと言われていますが、
行けますでしょうか?」
ミレナはスティラに会いたくなかったのですが、行かないわけにはいかないので、仕方なく行く事にしました。
大広間に行くと、既にスティラは待っていてくれました。
「ミレナ、こっちに来てくれないか」
ミレナはスティラの前まで来ると、スティラは勲章の入った箱を取り出しました。
「ミレナ、この勲章を君に授けよう」
「ありがとうございます」
「これからも頑張れ」
「はい」
スティラはミレナの頭に勲章を付けてあげると、ミレナはお辞儀をします。
「スティラ王子、ご苦労様でした」
「ミレナ、君は本当によく頑張ったな」
「いえ、そんな事は」
「謙遜する必要はない。
本当に立派になったと思う」
「スティラ王子、本当にありがとうございます」
ミレナは嬉しくなって、つい笑顔になってしまいました。
スティラはそんなミレナを見て微笑んでいます。
「ミレナ、俺は君の事を心から愛している」
「私も貴方を愛しております」
ミレナはスティラに抱きついて、二人は見つめ合うと、自然と二人の距離は縮まり、
やがてキスをするのでした。
それから、ミレナはスティラと愛し合いながら幸せな日々を過ごしました。
スティラはミレナの事が大好きで、ミレナはスティラの事が大好きなのです。
ミレナはスティラの子供を妊娠していました。
ミレナは子供の名前をどうしようかなと悩んでいると、スティラがこう提案してきました。
「女の子ならアリンナ、男の子ならスティラって名前はどうだろうか」
「良い名前ですね」
こうしてミレナは無事に出産をすると、その子供が無事に生まれたのを確認したスティラは安心して眠りにつきますが、
ミレナは心配なので、ずっとスティラに付き添っているのでした。
カナエはミレナの事が心配だったので様子を見に来たら、二人とも寝ていたので安心してその場を離れます。
ミレナは赤ちゃんが心配で眠れないので、カナエに話しかけます。
「カナエさん、私、赤ちゃんが心配で眠れないのです」
「そうですか」
「カナエさん、私、どうしたら良いのでしょう?」
「そう言われましても、私にもわかりません」
「そうですよね」
「取り敢えず、今はゆっくり休んでください」
「はい」
ミレナはベッドに横になると目を閉じて眠る事にしました。
次の日の朝、ミレナは目が覚めると、隣に眠っているはずの赤ちゃんがいない事に気づきます。
ミレナは慌てて起き上がると、部屋の中に赤ん坊の姿が見えなかったので、ミレナは慌てて探します。
ミレナは屋敷の中を探し回りますが、何処にもいないので、ミレナは屋敷の外に出て、探す事にしました。
ミレナは屋敷から出ると、屋敷の周りを探し始めました。
屋敷の周りには塀があるので、そこから外に出る事は出来ないはずなのに、
何故か、塀の上に足跡があるのを見つけました。
ミレナは不思議に思いながらも、赤ん坊の行方を探す為に歩き続けました。
暫く歩いていると、ミレナは何かの気配を感じて立ち止まります。
すると、上から声がしたので、上を見上げると、
そこに居たのはなんとスティラでした。
「スティラ王子?」
「ミレナ、俺と一緒に来てくれないか?」
「え?」
「さあ、早く」
ミレナは突然の出来事に頭が追いつかずに困惑していると、
スティラはミレナの腕を掴むとそのまま引っ張り上げます。
そして、ミレナをお姫様抱っこすると、空を飛び始める。
ミレナはあまりの速さに怖くなり、スティラに抱きつきました。
「大丈夫だ。
俺を信じてくれ。
絶対ミレナの事を傷つけたりはしないから」
「本当ですか?」
「勿論だ」
ミレナはスティラの言葉を信じる事にした。
しばらく飛んでいると、辺りの風景が変わってきたので、
ミレナは何が起きたのか理解できなくて混乱していた。
スティラはミレナの事を抱き寄せてこう言う。
「もうすぐ着くぞ」
「ここは?」
「俺の国だよ」
「え?」
ミレナは下を見ると、そこは見知らぬ土地だった。
ミレナは不安になってスティラに聞く。
「スティラ王子、ここどこなんです?」
「俺のお屋敷だよ」
「私達、一体どこに居るんです?」
「俺の国」
「国?  それじゃあ、私は今から帰る所なのね」
「違うよ」
「どういう事なの?」
「ミレナ、君を国から連れ出したんだよ」
「どうして私を誘拐したの!?」
「言ったじゃないか、ミレナ、俺は君を愛しているんだ」
ミレナはスティラの言っている意味がわからなかった。
「何を言ってるのよ!  私が貴方と愛し合ったのはあの時だけじゃない!」
「そうだっけ?」
「そうよ!」
ミレナはスティラの事を睨みつける。
スティラはそんなミレナに対してこう言う。
「でも、ミレナだって楽しかっただろう。
あんな気持ちの良い経験は生まれて初めてだったんじゃないか?」
「ふざけないで!」
「ミレナ……君はもう逃げられない」
「何ですって?」
「今更、元の生活に戻れると思っているのか?」
「それは……」
確かに今となっては、もう手遅れかもしれない。
ミレナのお腹の中にはスティラとの子供が宿っているのだ。
ミレナはどうすればいいのかわからなくなってしまい、
その場に座り込んでしまった。
そして、ミレナは涙を流して泣き出してしまった。
「ううううううーーーーーー!」
ミレナは泣いた。
大声で叫んだ。
泣いて叫んで叫びまくった。
やがて、ミレナは疲れて眠ってしまった。
ミレナが目を覚ますと、そこにはスティラが居た。
ミレナはスティラの顔を見て、反射的に悲鳴をあげてしまった。
「きゃああああああ!」
ミレナは咄嵯に逃げようとしたが、
スティラに捕まってしまいました。
ミレナは必死に抵抗したが、
スティラの力には敵わず、
あっさりと拘束されて、またお仕置きされてしまうのでした。
ミレナはスティラに犯されながら、涙を流してこう言う。
「もうやめて下さい」
「お前が悪い子だからいけないんだ」
「許して下さい」
「駄目だ」
スティラはミレナの事を抱きしめると、
ミレナの唇を奪いました。
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