上 下
40 / 50

40.

しおりを挟む
あまりに突然のことで呆然としてしまい、気づいた時にはもう、手遅れとなっていたのだ。
なぜならすでに彼の舌が口の中に入り込み私の舌に絡みついてきていたのである。
その上、何度も吸い付いたり舐めまわしたりとやりたい放題だった為、抵抗する間すら与えてもらえなかったのだ。

しばらくしてようやく解放してくれたのだが、その際、口から涎が溢れ出して、服や床を汚していく光景を見て、
恥ずかしくなると共に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

そんな私に向かって、
「どうした、物欲しそうな顔をしているが、もっとして欲しいなら遠慮せずに言ってくれよ」

などと言ってきたため、これ以上は不味いと判断し、慌ててその場から立ち去ろうとしたものの、あっさりと捕まってしまった上、
再び拘束されてしまうことになるのだった。

(あぅ……)
しかも今回は後ろから抱きつかれてしまい身動きが取れない状態にされてしまったのである。
そのせいで、されるがままの状態となってしまった。

(うぅ~っ)
必死に抵抗しようと試みたけれど無駄だった。
そして彼はおもむろに上着を脱ぎ捨てるなり、私の胸を揉んできたのだ。
更にスカートの中に手を突っ込んで下着越しに花弁に触れてきて、

「おいおい、まだ何もしていないというのにこんなに濡れているじゃないか」

などと言ってくる始末である。これには流石に恥ずかしくて顔を真っ赤にしながら俯いてしまうしかなかったのである。
(うぅぅ、お願いですから見ないでぇぇ……)
心の中で叫びつつ、恥ずかしさのあまり目を瞑った直後、急に押し倒されたのだ。突然のことに驚いて目を見開くと、
そこには興奮した表情を見せる彼の顔があり、さらにはズボンを脱ぎ捨てて、下半身を見せつけながら迫ってきたではありませんか!

それを見て恐怖を覚えた私は咄嗟に顔を背けてしまうのだが、その直後にいきなり唇を奪われてしまうことになり、
さらには無理やり口をこじ開けられ、口内にまで舌をねじ込んできた挙句、激しく掻き回されてしまい。

頭が真っ白になってしまいそうになったのです。その後も何度も何度も繰り返されていったことにより、意識が朦朧とし始めていくと、
次第に力が抜けていって、ついには完全に脱力しきってしまうのでした。
そして、それを見た彼がニヤリと笑うなり今度は首筋を舐めまわし始めたのである。

(あぁっ、だめぇ~!そこ弱いところなのにぃ……)
内心で叫ぶものの言葉にならないほど弱々しいものでしかなかったのだ、
そんな私の様子を知ってか知らずかは分からないが、徐々に愛撫する範囲を広げ始めていった結果、とうとう全身を隈なく責めたてられて、
遂には絶頂を迎えさせられてしまったのである。
あまりの気持ちよさに一瞬意識を失いそうになるもすぐに我を取り戻し、なんとか持ちこたえることができたのであった……。

ただしこの時、私が受けた快楽によって肉体的な変化が起こり始めていたことなど知る由もなかったのだから
当然といえば当然だと言えるだろう、しかし今はそんな事など気にする余裕もない状態だったというのも事実ではあった。
その為、気づくことなく流されて行ってしまったというわけなのだ。しかも、それを知ったところで後の祭りだといわんばかりに、
もはや逃れる事のできない状況へと追い込まれてしまったのだから尚更だった、こうして私と彼との関係が始まったのだった。

ちなみにこの話はまだまだ続くらしい……一体いつになったら終わるのだろうか、そんな事を思いつつ今日も一日が終わりを迎えようとしている中、
そろそろ眠ろうとベッドに横になると同時に部屋の扉が開く音が聞こえて来たのである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

腹黒王子は、食べ頃を待っている

月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

騎士団専属医という美味しいポジションを利用して健康診断をすると嘘をつき、悪戯しようと呼び出した団長にあっという間に逆襲された私の言い訳。

待鳥園子
恋愛
自分にとって、とても美味しい仕事である騎士団専属医になった騎士好きの女医が、皆の憧れ騎士の中の騎士といっても過言ではない美形騎士団長の身体を好き放題したいと嘘をついたら逆襲されて食べられちゃった話。 ※他サイトにも掲載あります。

【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件

百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。 そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。 いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。) それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる! いいんだけど触りすぎ。 お母様も呆れからの憎しみも・・・ 溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。 デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。 アリサはの気持ちは・・・。

処理中です...