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「ははは」
「なんだ、不満か」
「いえ、そう言うわけでは」
「ならいい」
「はい」
「今日は一日ゆっくり休め」
「はい」
「それと、明日は朝から忙しいからな、覚悟しておくといい」
「えっ、どういう意味ですの?」
「さてな、俺はもう行くが、大人しく寝ていろよ」
「はい」
「それじゃあな」
と、言って陛下は部屋から出ていきました。
私は一人になると、溜息を尽くのです。
レイアンはこんなにウディル程の独占欲は無いでしょう。
「勝手に帰ったら怒られるかしら」
少しはむかってやろうと思い愛馬を取りに行くのです。
「フィリア様、どちらに」
兵士に見つかったのでチップを握らせて見過ごさせて貰うと水の都市、アイシルクに向かうのです。
「フィリア様、お待ちください」
「うるさいですね、私は今機嫌が悪いんです、話しかけないで下さい」
「ですが、その格好で外に出るのは危険です」
と、兵士が言ってくるので私は自分の格好を見てみました。
そう言えば、ドレスのまま飛び出してきたんでした。
まぁ、いいでしょう。
私は気にせず、馬を繋げている場所まで向かうと、 そこに一頭の馬が居ました。
私はその馬の前まで来ると、その馬は私にすり寄ってきてくれました。
私は嬉しくて、つい頬ずりをしてしまいます。
「あら、久しぶりね、元気にしてたの?」
と、聞くと、彼女は嬉しそうな表情を浮かべて鳴いてきます。
「ふふ」
「ちょっと待っていてね」
と言ってから私は彼女の首に腕を回してから、跨がると、 彼女が走り出しました。
「きゃー」
私は思わず悲鳴を上げてしまいましたが、すぐに慣れたので、彼女にお願いをして、
アイシルクに向かいました。
アイシルクに着く頃には日が落ちていました。
私は急いで城に戻ることにしました。
すると、城門の前で誰かが立っているのが見えました。
私はその人に近づいていくと、その人は私に気づいて手を振ってくれました。
その人は叔父のリエル国王だった。
「叔父様、お久しぶりでございます」
「フェリア、家出だろうと思ってね」「申し訳ありません」
と、私は頭を下げます。
すると、叔父は私の肩に手を置いてから言いました。
「謝る必要はない、それにしても、随分と男前になったじゃないか」
と、言われてしまいました。
私はつい恥ずかしくなって俯いてしまう。
すると、叔父は私に言いました。
「今夜は泊まっていけ」
「よろしいのですか?」
「勿論だとも、それより、陛下はどうされた?」
「陛下は……」
「やはり家出か? 封円満では無かったのか」
そう聞かれて俯く。
「アロン王国から恨まれそうだな」
「アイシルクに迷惑かけてごめんなさい」
「全く、養子にしたのはお前の父さんの頼みだから仕方ないにしても」
「フィリア・アイシクルよ、少しは安心させてはくれないのか」
そのお転婆ぶりに複雑な表情を見せる叔父様にホントに心から感謝をするのです。
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