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私は、ウディル様に必要とされているのです。
だから私は、今日もウディル様を求めて、お仕事を頑張ります。
「おい、大丈夫か?」
「はい、少し疲れただけです」
「無理はするなよ」
「はい」
ウディル様に心配をかけないように、私は元気よく返事をするのでした。
「ウディル様、おはようございます」
朝起きて、朝食を食べて、ウディル様に挨拶をする。
いつも通りの一日の始まり。
「今日はいい天気ですね」
「そうだな」
「お洗濯日和ですね」
「そうか」
「お掃除は……」
「いいよ、ゆっくりしていろ」
会話が持ちません。
これでは夫婦として成り立っていないと言われても仕方ありません。
ウディル様は忙しい方で、お家に帰って来てもすぐにお仕事に行ってしまいます。
だから、あまりお話ができませんでした。
それでも私はウディル様の側に居られる事が嬉しかったんです。
「ウディル様、お昼ご飯は何が食べたいですか?今晩のお夕食も私が作りますね」
「いや、自分で作るよ」
「え?」
今まではウディル様は私の料理しか召し上がりませんでした。
だから、私はウディル様が何を食べたいかを聞いて、それを作っていました。
「たまには外食もいいだろ」
「そう、ですけど」
私はウディル様に喜んで頂きたかったんです。
ウディル様の好物を作るのはもちろんですが、それ以外の物も作ってあげたかったんです。
でも、ウディル様のその言葉に私は何も言えなくなってしまいました。
そして、次の日からウディル様のお食事は、私が作ったものだけになってしまいました。
ただでさえ少なかったお話は更に少なくなってしまっています。
私は不安でいっぱいでした。
「おいで」
私を呼んで下さるのです。
私はウディル様の側に行きます。
「ここに座れ」
私は言われた通りに椅子に座りました。
「あ、あの」
「なんだ」
「私、何か悪いことをしてしまったのでしょうか」
「どうして」
「だって……」
「別に怒ってはいないぞ」
ウディル様の言葉に私はホッと乳房を撫で下ろします。
しかし、 ウディル様は私の顎を掴むと顔を近づけて来ます。
私はウディル様の顔を見つめていました。
綺麗なお顔立ちで、とても美しいです。
私の大好きな人です。
ウディル様は私の目を見てきます。
その瞳に吸い込まれそうになります。
私は目を閉じました。
唇に柔らかい感触を感じました。
それは一瞬の事でしたが、
とても長く感じました。
「あの」
「なんだ」
「もう一度して欲しいです」
「わかった」
ウディル様はまた唇を重ねて下さいました。
何度も、何度も。
私は幸せな気持ちに包まれていました。
ウディル様は私を抱きしめてくれます。
私は、その温もりに安心します。
ウディル様に抱きしめられている時が、私は一番幸せを感じる事ができるのです。
「もうすぐだ」
「はい」
「それまで、待っていろ」
「わかりました」
私はウディル様を信じて待ちます。
いつかきっと、ウディル様は私に微笑みかけて下さると信じているからです。
ウディル様がお仕事に出かけた後、私はお家のお片付けをします。
お部屋のお掃除をして、お庭のお手入れをしています。
でも、お家の中でする事なんてすぐに終わってしまうのでした。
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