25 / 33
第2部 草月歌
19 最強(前)
しおりを挟む
白蘭様がいらっしゃいましたと音楽官の一人に告げられたとき、翠菻は驚倒した。
確かに昨日、面紗の代わりになるような布を後で贈ると言っていたが、まさかその翌日、しかも自ら音楽院まで出向いてくるとは思いもしなかった。
とにかく、彼が待っているという応接の間へと馳せ参じると、今日も麗しい白蘭はいきなり訪ねて申し訳ないと翠菻に詫びた。
『いえ、そんな……御用があれば、こちらからお伺いいたしましたのに』
『そういうわけにはいかないよ。礼をする側が出向くのは当然のことだろう?』
にこやかに白蘭は笑い、小脇に抱えていた白い包みを卓の上に置くと、細い指先で包みを広げた。
『装飾院でいろいろ見せてもらったんだけど、これがいちばん君に似合うかなと思って。服を仕立ててもいいように多めにもらってきたよ』
包みの中から現れたのは、案の定、布の束だった。上品な藤色をしていて、手触りもいい。専門外の翠菻にもすぐに最高級品だとわかった。
『まあ……わざわざ装飾院まで行かれたんですか? ありがとうございます』
感激して翠菻は頭を下げた。確かにあそこなら布は山ほどあるだろうが、神殿にもいくらでもあっただろうに。
自分の使い古しの面紗ごときにこれほど高価なものを返されてしまうと、逆に申し訳なく思ってしまう。白蘭はあの何の変哲もない面紗のどこをそれほど気に入ったのだろうか。
『礼には及ばないよ。こちらこそどうもありがとう』
今日の白蘭はたいへん機嫌がいいようだ。白皙の顔から笑みが絶えることがない。
いつもなら、何かよいことでもありましたかと訊ねていただろうが、昨日の御前会議のことが頭に残っている翠菻には、どうしてもその言葉を切り出すことはできなかった。
あの後、黒蘆はこの白蘭と守護天将の御名を受けたばかりのあの男にあの話をしたはずだった。それ以外にあの二人だけを残してする話などない。たやすくそう想像できるだけに、昨日黒蘆様からどんなお話があったのですかと問うこともできなかった。
どうせ打撃を受けるのなら、少しでもその日を先延ばししたい。いずれにしろ同じだろうと人は笑うかもしれないが。
『そういえば、白蘭様。あの歌を歌えるようになりたいとおっしゃっていましたね』
布を片づけながら、ふと思い出して話しかけると、ちょうど考えごとをしていたらしい白蘭は、はっと我に返って翠菻を見た。
『あ、うん。君には到底及ばないだろうけど、せめて通して歌えるようになりたいと思って』
『では、もしお時間があれば、今からお教えいたしましょうか? 白蘭様ならきっとすぐに覚えられると思いますから』
『君だって仕事があるんじゃないのかい?』
『望む方に歌をお教えするのも、私の大切な仕事の一つですわ』
自分にできる最高の笑顔を向けると、白蘭は少し考えてから、子供のように笑った。
『じゃあ、お言葉に甘えて教えてもらおうかな。――ここで?』
『いえ。よろしければ私の部屋で。あそこなら周りに声が漏れませんから』
『ああ、それは重要だね』
過去に何か問題でもあったのか、白蘭は真剣な面持ちでうなずいた。
* * *
神官たちの口は、白蘭のことに関するかぎり、黒蘆の身を縛る縄より堅い。
昨夜、とうとう黒蘆が愛しの白蘭と憎き紅蓮に例の件を伝えたことは、神官独自の情報網により、翌日には全神官の知るところとなったが、無論、彼らはそのことを外部に漏らすことはなかったし、自分たちがすでにそのことを知っていることを、最愛の上司に気取られることもなかった。
昨夜の御前会議が終了した後、白蘭が紅蓮と共に姿を消したことも彼らは承知していたが、断腸の思いで見て見ぬふりをした。もしかしたら今夜初めて無断外泊をされるかもしれないと覚悟していたところ、予想に反して数時間後、白蘭がたった一人で帰ってきた。喧嘩別れしたわけではないことは、夢見るように上気した顔を見れば一目瞭然だったが、真っ先に執務室へ行き、翠菻から譲り受けた面紗を大事そうに抱えて自室へ引き上げようとする彼に、いったいどこまで進展されてしまったのですかと訊ねる勇気は誰一人持てなかった。
今のところ、時折ぼんやりすることはあるものの、白蘭は昨日よりははるかに平常時に近い状態で仕事をこなしていた。午後になって翠菻に届け物をしたいという理由で神殿を出ていったが、気を抜くことのできなかった神官たちにとっては有り難い外出だった。恋愛方面以外は勘のいい白蘭に気づかれないように観察するのは、優秀な神官たちにとっても容易なことではなかったのである。
『あの様子だと、まだ……なのでは?』
これまでの観察の結果から、神官たちはそのような結論を出すに至った。
『これは意外でしたね。あの赤猿なら、その日のうちに事に及ぶかと思っていましたが』
『きっとじっくり攻めていく腹づもりなのでしょう。奴が焦る必要はまったくないわけですから』
『ああ、そうですわね……黒蘆様公認の許婚ですものね……邪魔する者は誰もいない……』
『許婚などと言わないでください。まだ正式に発表されていないでしょうが』
『とにかく、今しばらくは白蘭様に気づかれないように全力で見守りましょう。何か動きがあったらすぐに知らせるように。いいですね?』
『はい、神官長様』
おそらく今、神官たちの連帯は、神殿の歴史が始まって以来最強だった。
* * *
音楽院を出た後、白蘭はこのまま神殿に帰ることをためらった。
――否。いま羽を広げたら、神殿ではなく別の場所へ飛んでいってしまいそうで怖かった。昨日、親友から許婚に変わったばかりのあの男のいる場所へ。
一応、白蘭なりのけじめとして、用事がなければ紅蓮を訪ねないようにはしていた。たとえ、その用事が捏造されたものであったとしても。
そうしなければ、自分は際限なく会いにいってしまう。相手にも周りにも、迷惑をかけてしまう。
でも、会いたい。今すぐ会いたい。許婚になったら、ますますこの気持ちが強まってしまった。
できるものなら、自分も軍事院に属して、ずっと紅蓮のそばにいたい。
紅蓮はきっとこんなことを考えたりはしないだろう。自分のほうが何倍も何十倍も紅蓮のことが好きだ。昨日別れた瞬間から、もう会いたくてたまらなくて、翠菻の面紗を抱いて寝た。
そのせいで、また翠菻に対する罪悪感のようなものがぶり返してきて、今日さっそく布を見繕って届けにきたわけだが、神殿の外へ出たのは失敗だったかもしれない。仕事をしていれば何とか気を紛らすこともできたのに。
――せめて同じところで暮らせたらな。
天卓の十三人になれば、神殿に自室を持つことができるが、紅蓮の職業と性格から考えて、そこを生活の拠点にするはずもない。
もし天母などでなかったら、他の一般の天人たちのように、二人きりで暮らすことができたかもしれないのに。――いや、自分が天母でなかったら、紅蓮が許婚になることもなかったのか。ずっと親友でいるのと、どちらのほうがよかっただろう。
深い溜め息を吐き出した白蘭は、羽で飛ばずに歩いて――と言っても、彼は常に地からわずかに浮いている――神殿に帰ることにした。時間はかかるが、その間に頭を冷やすこともできるだろう。
だが、少しばかり歩を進めたところで、白蘭は頭上から念波を受けた。
『白蘭様!』
反射的に顔を上げてみれば、下級神官の一人が空中で静止していた。
腕自体が翼であるこの小柄な神官は、神殿の中で最も飛ぶのが速く、伝令役として重宝がられていた。この神官に回されるはずの仕事もいくらか白蘭は奪い取っていたかもしれない。
『ああ、よかった。まだいらっしゃった』
ほっとしたように呟くと、白蘭の前に降り立ち、膝を折る。
『ああ、君か。いったいどうしたの? 神殿で何かあった?』
のんびりと訊ねた白蘭――これがいつもの彼だった――に、いえ、神殿ではないのですがと神官は言いよどんだ。
『先ほど軍事院から神殿に一報が入りまして。詳細はまだよくわからないのですが、白蘭様にもお知らせしておいたほうがよろしいかと』
『軍事院?』
とたんに白蘭は顔色を変えて神官に詰め寄った。
『内容は!』
『は、はい……それが、蒼芭様が紅蓮様に決闘を申しこんだとのことで……どのような経緯でそうなったかは、まだ確認がとれておりません……』
『決闘?』
思いもしなかった単語を聞いて白蘭は一瞬唖然としたが、すぐに我に返って神官を見すえた。
『その知らせが入ったのはいつ?』
『本当に、つい先ほど……』
『二人は今どこに?』
『練兵場だそうです』
そう聞いたが早いか、白蘭はもう羽を広げて飛び立っていた。
取り残された神官は、もう何も見えなくなった空を見上げながら独りごちた。
『うわあ……俺より速いや』
確かに昨日、面紗の代わりになるような布を後で贈ると言っていたが、まさかその翌日、しかも自ら音楽院まで出向いてくるとは思いもしなかった。
とにかく、彼が待っているという応接の間へと馳せ参じると、今日も麗しい白蘭はいきなり訪ねて申し訳ないと翠菻に詫びた。
『いえ、そんな……御用があれば、こちらからお伺いいたしましたのに』
『そういうわけにはいかないよ。礼をする側が出向くのは当然のことだろう?』
にこやかに白蘭は笑い、小脇に抱えていた白い包みを卓の上に置くと、細い指先で包みを広げた。
『装飾院でいろいろ見せてもらったんだけど、これがいちばん君に似合うかなと思って。服を仕立ててもいいように多めにもらってきたよ』
包みの中から現れたのは、案の定、布の束だった。上品な藤色をしていて、手触りもいい。専門外の翠菻にもすぐに最高級品だとわかった。
『まあ……わざわざ装飾院まで行かれたんですか? ありがとうございます』
感激して翠菻は頭を下げた。確かにあそこなら布は山ほどあるだろうが、神殿にもいくらでもあっただろうに。
自分の使い古しの面紗ごときにこれほど高価なものを返されてしまうと、逆に申し訳なく思ってしまう。白蘭はあの何の変哲もない面紗のどこをそれほど気に入ったのだろうか。
『礼には及ばないよ。こちらこそどうもありがとう』
今日の白蘭はたいへん機嫌がいいようだ。白皙の顔から笑みが絶えることがない。
いつもなら、何かよいことでもありましたかと訊ねていただろうが、昨日の御前会議のことが頭に残っている翠菻には、どうしてもその言葉を切り出すことはできなかった。
あの後、黒蘆はこの白蘭と守護天将の御名を受けたばかりのあの男にあの話をしたはずだった。それ以外にあの二人だけを残してする話などない。たやすくそう想像できるだけに、昨日黒蘆様からどんなお話があったのですかと問うこともできなかった。
どうせ打撃を受けるのなら、少しでもその日を先延ばししたい。いずれにしろ同じだろうと人は笑うかもしれないが。
『そういえば、白蘭様。あの歌を歌えるようになりたいとおっしゃっていましたね』
布を片づけながら、ふと思い出して話しかけると、ちょうど考えごとをしていたらしい白蘭は、はっと我に返って翠菻を見た。
『あ、うん。君には到底及ばないだろうけど、せめて通して歌えるようになりたいと思って』
『では、もしお時間があれば、今からお教えいたしましょうか? 白蘭様ならきっとすぐに覚えられると思いますから』
『君だって仕事があるんじゃないのかい?』
『望む方に歌をお教えするのも、私の大切な仕事の一つですわ』
自分にできる最高の笑顔を向けると、白蘭は少し考えてから、子供のように笑った。
『じゃあ、お言葉に甘えて教えてもらおうかな。――ここで?』
『いえ。よろしければ私の部屋で。あそこなら周りに声が漏れませんから』
『ああ、それは重要だね』
過去に何か問題でもあったのか、白蘭は真剣な面持ちでうなずいた。
* * *
神官たちの口は、白蘭のことに関するかぎり、黒蘆の身を縛る縄より堅い。
昨夜、とうとう黒蘆が愛しの白蘭と憎き紅蓮に例の件を伝えたことは、神官独自の情報網により、翌日には全神官の知るところとなったが、無論、彼らはそのことを外部に漏らすことはなかったし、自分たちがすでにそのことを知っていることを、最愛の上司に気取られることもなかった。
昨夜の御前会議が終了した後、白蘭が紅蓮と共に姿を消したことも彼らは承知していたが、断腸の思いで見て見ぬふりをした。もしかしたら今夜初めて無断外泊をされるかもしれないと覚悟していたところ、予想に反して数時間後、白蘭がたった一人で帰ってきた。喧嘩別れしたわけではないことは、夢見るように上気した顔を見れば一目瞭然だったが、真っ先に執務室へ行き、翠菻から譲り受けた面紗を大事そうに抱えて自室へ引き上げようとする彼に、いったいどこまで進展されてしまったのですかと訊ねる勇気は誰一人持てなかった。
今のところ、時折ぼんやりすることはあるものの、白蘭は昨日よりははるかに平常時に近い状態で仕事をこなしていた。午後になって翠菻に届け物をしたいという理由で神殿を出ていったが、気を抜くことのできなかった神官たちにとっては有り難い外出だった。恋愛方面以外は勘のいい白蘭に気づかれないように観察するのは、優秀な神官たちにとっても容易なことではなかったのである。
『あの様子だと、まだ……なのでは?』
これまでの観察の結果から、神官たちはそのような結論を出すに至った。
『これは意外でしたね。あの赤猿なら、その日のうちに事に及ぶかと思っていましたが』
『きっとじっくり攻めていく腹づもりなのでしょう。奴が焦る必要はまったくないわけですから』
『ああ、そうですわね……黒蘆様公認の許婚ですものね……邪魔する者は誰もいない……』
『許婚などと言わないでください。まだ正式に発表されていないでしょうが』
『とにかく、今しばらくは白蘭様に気づかれないように全力で見守りましょう。何か動きがあったらすぐに知らせるように。いいですね?』
『はい、神官長様』
おそらく今、神官たちの連帯は、神殿の歴史が始まって以来最強だった。
* * *
音楽院を出た後、白蘭はこのまま神殿に帰ることをためらった。
――否。いま羽を広げたら、神殿ではなく別の場所へ飛んでいってしまいそうで怖かった。昨日、親友から許婚に変わったばかりのあの男のいる場所へ。
一応、白蘭なりのけじめとして、用事がなければ紅蓮を訪ねないようにはしていた。たとえ、その用事が捏造されたものであったとしても。
そうしなければ、自分は際限なく会いにいってしまう。相手にも周りにも、迷惑をかけてしまう。
でも、会いたい。今すぐ会いたい。許婚になったら、ますますこの気持ちが強まってしまった。
できるものなら、自分も軍事院に属して、ずっと紅蓮のそばにいたい。
紅蓮はきっとこんなことを考えたりはしないだろう。自分のほうが何倍も何十倍も紅蓮のことが好きだ。昨日別れた瞬間から、もう会いたくてたまらなくて、翠菻の面紗を抱いて寝た。
そのせいで、また翠菻に対する罪悪感のようなものがぶり返してきて、今日さっそく布を見繕って届けにきたわけだが、神殿の外へ出たのは失敗だったかもしれない。仕事をしていれば何とか気を紛らすこともできたのに。
――せめて同じところで暮らせたらな。
天卓の十三人になれば、神殿に自室を持つことができるが、紅蓮の職業と性格から考えて、そこを生活の拠点にするはずもない。
もし天母などでなかったら、他の一般の天人たちのように、二人きりで暮らすことができたかもしれないのに。――いや、自分が天母でなかったら、紅蓮が許婚になることもなかったのか。ずっと親友でいるのと、どちらのほうがよかっただろう。
深い溜め息を吐き出した白蘭は、羽で飛ばずに歩いて――と言っても、彼は常に地からわずかに浮いている――神殿に帰ることにした。時間はかかるが、その間に頭を冷やすこともできるだろう。
だが、少しばかり歩を進めたところで、白蘭は頭上から念波を受けた。
『白蘭様!』
反射的に顔を上げてみれば、下級神官の一人が空中で静止していた。
腕自体が翼であるこの小柄な神官は、神殿の中で最も飛ぶのが速く、伝令役として重宝がられていた。この神官に回されるはずの仕事もいくらか白蘭は奪い取っていたかもしれない。
『ああ、よかった。まだいらっしゃった』
ほっとしたように呟くと、白蘭の前に降り立ち、膝を折る。
『ああ、君か。いったいどうしたの? 神殿で何かあった?』
のんびりと訊ねた白蘭――これがいつもの彼だった――に、いえ、神殿ではないのですがと神官は言いよどんだ。
『先ほど軍事院から神殿に一報が入りまして。詳細はまだよくわからないのですが、白蘭様にもお知らせしておいたほうがよろしいかと』
『軍事院?』
とたんに白蘭は顔色を変えて神官に詰め寄った。
『内容は!』
『は、はい……それが、蒼芭様が紅蓮様に決闘を申しこんだとのことで……どのような経緯でそうなったかは、まだ確認がとれておりません……』
『決闘?』
思いもしなかった単語を聞いて白蘭は一瞬唖然としたが、すぐに我に返って神官を見すえた。
『その知らせが入ったのはいつ?』
『本当に、つい先ほど……』
『二人は今どこに?』
『練兵場だそうです』
そう聞いたが早いか、白蘭はもう羽を広げて飛び立っていた。
取り残された神官は、もう何も見えなくなった空を見上げながら独りごちた。
『うわあ……俺より速いや』
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
完結・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら、激甘ボイスのイケメン王に味見されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
孤狼のSubは王に愛され跪く
ゆなな
BL
旧題:あなたのものにはなりたくない
Dom/Subユニバース設定のお話です。
氷の美貌を持つ暗殺者であり情報屋でもあるシンだが実は他人に支配されることに悦びを覚える性を持つSubであった。その性衝動を抑えるために特殊な強い抑制剤を服用していたため周囲にはSubであるということをうまく隠せていたが、地下組織『アビス』のボス、レオンはDomの中でもとびきり強い力を持つ男であったためシンはSubであることがばれないよう特に慎重に行動していた。自分を拾い、育ててくれた如月の病気の治療のため金が必要なシンは、いつも高額の仕事を依頼してくるレオンとは縁を切れずにいた。ある日任務に手こずり抑制剤の効き目が切れた状態でレオンに会わなくてはならなくなったシン。以前から美しく気高いシンを狙っていたレオンにSubであるということがバレてしまった。レオンがそれを見逃す筈はなく、シンはベッドに引きずり込まれ圧倒的に支配されながら抱かれる快楽を教え込まれてしまう───
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる