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6章 変な石とその後の話
第255話 番外 殺伐とする薬用植物と家族計画
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領地移動する前、クリスが未だ御手付きされてない頃です。若干アレなシモネタかもしれません。
「しかしアレです、心が殺伐としますね」
何とも言えない顔で、白紫のまだら模様と言う不思議な色をした小さなミニトマトサイズの鬼灯(ほおずき)の実を剥きつつ、口の中に放り込む、避妊薬というか、堕胎薬の一種だ、コンドーム式に羊の腸を着けて受精しないようにする方も有るのだが、お腹に例の液体が入っていると、独特の幸福感があるので、こっちの鬼灯がメインとなっているのだが、出来ていそうなときにコレを食べるというのは、平たく言うと胎児を殺している訳なので、其れを考えてしまうと結構辛い。
産んだら直ぐ次では、母体に負担が大きく、産後の肥立ちが悪いので、この鬼灯で流してでも母胎を休ませたいって言うのが大前提らしいが、マイナス方向の毒と考えてしまうともう辛い。
この鬼灯自体の味は甘酸っぱくて栄養豊富で有るらしく、実際味としては美味しいのだが、その薬効がエグすぎるのだ。
そんなわけで、後味の苦さばかりが妙に強く残る。
いや、最終的にやっている事は避妊と考えると、コンドームや何やらと変わらないのだが、変な罪悪感が妙に強く残る。
思わず学校の保健体育の授業で見せられた、中絶手術のアレコレがフラッシュバックする、掃除機的な物で胎児を潰す様にして取り出すアレだ、アレはトラウマ物だった。
其れを考えると、ダメリカ当たりで中絶手術反対と騒ぐ一神教の方々の騒ぎようも理解できるが、アレはアレとして別だと思う、私のコレは人に強要するわけでは無く、自分自身の願望、いや、欲望? 衝動?
「お財布的には何人産んでも平気ですよね?」
思わずエリスちゃんに財政状況を確認する。
「そう言う意味でなら平気です、びくともしません」
エリスちゃんが断言する。よし、言質取った。
「そもそも、お財布と蓄えを考えてから産むかどうか考えるのってのも、不思議な話ね?」
アカデさんが少し困り気味に首をかしげた。
「私の故郷では、全部準備してからじゃ無いと産んじゃいけないとか言われてたんですよ」
「どれぐらい準備すると?」
参考までにとエリスちゃんが聞いてくる。
「子供の学校に行く資金、この世界基準で一人頭金貨200枚の貯金か、稼ぐアテ、何時でも休めるお仕事、養ってくれる旦那、子供の預け先、そもそもの住処・・・・・・」
指折り数えて上げてみる。
「えっと・・・・・・」
エリスちゃんがなんとも行けない顔を浮かべた。
「そんなこと言ってると、この世界の人間は子供産む資格さえ無いんじゃない?」
アカデさんも呆れ気味だ。
「そんな訳で、産む人が少なくなって、子供があんまり生まれなくなりました、少子高齢化って言うそうです」
「誰が得するのよ・・・・・・?」
呆れ気味にため息をつかれた。
「そんな様子見ばっかりして、良い時期逃すんだったら、先に産んでしまいなさい」
私はもう駄目なんだからと言う言葉を、言外に飲み込まれた。
「そうですね、気が済むまでやっちゃった方が良さそうです」
何も言わずに、まだまだ細いクリスちゃんに自分が残した分を押し付けた。
良いんですか? と言う目を向けてくるが、気にせず食べちゃえと、小さく頷いて促す。
クリスちゃんはまだ御手付き状態でもないので、ただの甘酸っぱい果物野菜と言う事で、食べることに躊躇はない。
いっぱい食べて程良く肥りなさい。
女の私から見ても。健康的と言うにはまだまだ細かった。
「産むのは女だから、男としては分かったとしか言えんが、産む自体ノーリスクじゃないんだからな?」
和尚さんが何とも言えない顔で言う。
「ゴウノトリは観てたんで、わかっては居るんですけどね?」
ゴウノトリは出産を担当する産婦人科での悲哀を描いた群像劇だ、綺麗では無く、感動的で、優しくなく、とてもエグい。
「産まれてない子供より、今居る灯の方が大事だからな?」
大事にされているようなので、其れは嬉しい。
「多分、アレですね、加護に引っ張られるってヤツですね?」
子供の世話自体は人を頼りまくり。ぬーさんや義母様やらクリスやら何やらに預けまくっているが、自分でも大分産む前後で価値観やら何やらずれた感がある、元の世界でも人の人格なんて簡単に変わるモノなのでソレだけでは無いはずだが、影響自体を否定する要素は無いので、言い訳としては上等だ。
「アカデさんもですからね?」
此方の言葉に反応して、後ろで居心地悪くして居そうなアカデさんがビクリと動く。
「分の悪い賭けで倒れられても困ります、貴方もかなり必要なんですからね?」
初夜の際に色々言われたが、万一で子宮外妊娠やら何やらして、母子共に死亡なんかされても困るのだ、先日うっかり死にかけた此方の言としては説得力が無いのだが。
「・・・・・・はい」
名指しで言われた事で、居心地の悪さが多少解消されたのか、薄く笑みを浮かべた。
後日、なんやかんや、それぞれ無事に子供は結構増えた。
追伸
そんな訳で、このメンバーは余り避妊とか考えていません。
ドライフルーツとして割と通年保管できるので、オフシーズンも意外と流通はある感じ。
現実世界でも、糖度的に観賞用の若干毒性が強いモノでも割と甘いです、後味苦いですけどね。
妊娠出産は時代とか技術考えると、成人したら即結婚、毎年産む前提として30代ぐらいで色々ガタガタ、尚且つ子供は産む端からぽろぽろ死ぬという殺伐位なので、和尚の手元に居るから出来る話です。世知辛い。
「しかしアレです、心が殺伐としますね」
何とも言えない顔で、白紫のまだら模様と言う不思議な色をした小さなミニトマトサイズの鬼灯(ほおずき)の実を剥きつつ、口の中に放り込む、避妊薬というか、堕胎薬の一種だ、コンドーム式に羊の腸を着けて受精しないようにする方も有るのだが、お腹に例の液体が入っていると、独特の幸福感があるので、こっちの鬼灯がメインとなっているのだが、出来ていそうなときにコレを食べるというのは、平たく言うと胎児を殺している訳なので、其れを考えてしまうと結構辛い。
産んだら直ぐ次では、母体に負担が大きく、産後の肥立ちが悪いので、この鬼灯で流してでも母胎を休ませたいって言うのが大前提らしいが、マイナス方向の毒と考えてしまうともう辛い。
この鬼灯自体の味は甘酸っぱくて栄養豊富で有るらしく、実際味としては美味しいのだが、その薬効がエグすぎるのだ。
そんなわけで、後味の苦さばかりが妙に強く残る。
いや、最終的にやっている事は避妊と考えると、コンドームや何やらと変わらないのだが、変な罪悪感が妙に強く残る。
思わず学校の保健体育の授業で見せられた、中絶手術のアレコレがフラッシュバックする、掃除機的な物で胎児を潰す様にして取り出すアレだ、アレはトラウマ物だった。
其れを考えると、ダメリカ当たりで中絶手術反対と騒ぐ一神教の方々の騒ぎようも理解できるが、アレはアレとして別だと思う、私のコレは人に強要するわけでは無く、自分自身の願望、いや、欲望? 衝動?
「お財布的には何人産んでも平気ですよね?」
思わずエリスちゃんに財政状況を確認する。
「そう言う意味でなら平気です、びくともしません」
エリスちゃんが断言する。よし、言質取った。
「そもそも、お財布と蓄えを考えてから産むかどうか考えるのってのも、不思議な話ね?」
アカデさんが少し困り気味に首をかしげた。
「私の故郷では、全部準備してからじゃ無いと産んじゃいけないとか言われてたんですよ」
「どれぐらい準備すると?」
参考までにとエリスちゃんが聞いてくる。
「子供の学校に行く資金、この世界基準で一人頭金貨200枚の貯金か、稼ぐアテ、何時でも休めるお仕事、養ってくれる旦那、子供の預け先、そもそもの住処・・・・・・」
指折り数えて上げてみる。
「えっと・・・・・・」
エリスちゃんがなんとも行けない顔を浮かべた。
「そんなこと言ってると、この世界の人間は子供産む資格さえ無いんじゃない?」
アカデさんも呆れ気味だ。
「そんな訳で、産む人が少なくなって、子供があんまり生まれなくなりました、少子高齢化って言うそうです」
「誰が得するのよ・・・・・・?」
呆れ気味にため息をつかれた。
「そんな様子見ばっかりして、良い時期逃すんだったら、先に産んでしまいなさい」
私はもう駄目なんだからと言う言葉を、言外に飲み込まれた。
「そうですね、気が済むまでやっちゃった方が良さそうです」
何も言わずに、まだまだ細いクリスちゃんに自分が残した分を押し付けた。
良いんですか? と言う目を向けてくるが、気にせず食べちゃえと、小さく頷いて促す。
クリスちゃんはまだ御手付き状態でもないので、ただの甘酸っぱい果物野菜と言う事で、食べることに躊躇はない。
いっぱい食べて程良く肥りなさい。
女の私から見ても。健康的と言うにはまだまだ細かった。
「産むのは女だから、男としては分かったとしか言えんが、産む自体ノーリスクじゃないんだからな?」
和尚さんが何とも言えない顔で言う。
「ゴウノトリは観てたんで、わかっては居るんですけどね?」
ゴウノトリは出産を担当する産婦人科での悲哀を描いた群像劇だ、綺麗では無く、感動的で、優しくなく、とてもエグい。
「産まれてない子供より、今居る灯の方が大事だからな?」
大事にされているようなので、其れは嬉しい。
「多分、アレですね、加護に引っ張られるってヤツですね?」
子供の世話自体は人を頼りまくり。ぬーさんや義母様やらクリスやら何やらに預けまくっているが、自分でも大分産む前後で価値観やら何やらずれた感がある、元の世界でも人の人格なんて簡単に変わるモノなのでソレだけでは無いはずだが、影響自体を否定する要素は無いので、言い訳としては上等だ。
「アカデさんもですからね?」
此方の言葉に反応して、後ろで居心地悪くして居そうなアカデさんがビクリと動く。
「分の悪い賭けで倒れられても困ります、貴方もかなり必要なんですからね?」
初夜の際に色々言われたが、万一で子宮外妊娠やら何やらして、母子共に死亡なんかされても困るのだ、先日うっかり死にかけた此方の言としては説得力が無いのだが。
「・・・・・・はい」
名指しで言われた事で、居心地の悪さが多少解消されたのか、薄く笑みを浮かべた。
後日、なんやかんや、それぞれ無事に子供は結構増えた。
追伸
そんな訳で、このメンバーは余り避妊とか考えていません。
ドライフルーツとして割と通年保管できるので、オフシーズンも意外と流通はある感じ。
現実世界でも、糖度的に観賞用の若干毒性が強いモノでも割と甘いです、後味苦いですけどね。
妊娠出産は時代とか技術考えると、成人したら即結婚、毎年産む前提として30代ぐらいで色々ガタガタ、尚且つ子供は産む端からぽろぽろ死ぬという殺伐位なので、和尚の手元に居るから出来る話です。世知辛い。
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