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3章 活躍する坊主

第115話 フラグの回収 灯視点

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爆発 ああ、コレが例のフラグを全部拾った状態と言う事ですか。
 夢の中で和尚さんが一人で戦っていた下りの意味がやっと分かった。
 私たちが基本的に3人一緒で居ると言うのに、何故夢の中で一人だったのか。
 純粋に、それぞれが持ち場を離れられなかったのだろう。
 エリスちゃんはお義母さんの出産で身動きが取れず、私は恐らく壁の辺りで九字切り結界使える壁役として。工事での壁の強化が出来ずに、他の冒険者に預け切るにはあまりにも頼りがいが無かったりして、やはり余裕が無かったりして。
 で、結局大物殺し出来るのも、おとりが出来るのも、和尚さんだけしかいなかったっと言う事で、きっと一人で飛び出したと。
 そして、何時までも帰って来なかったから心配に成って2人で追いかけて行ったと。
 まあ、死亡フラグでは無かったのだとは思うのだけど、心配する状態だったのは確かだ。
 初期状態の1人ならともかく、今は3人居るのだ、負けはしない筈。だけど。
「数が多すぎませんか?!」
 思わず八つ当たり気味に叫んだ。
「其れは最初から分かってた!数については諦めろ!」
 和尚さんが、諦めろと言う様子で怒鳴り返す。
「終わったらご褒美を要求します!」
 エリスちゃんが何時も通りにイチャイチャタイムを要求する。基本的に3人でいる間はエリスちゃんの方が抱き着いて居たり張り付いて居たりする時間が長い、何もしなくても、お互いの体温があるだけで満足らしく、幸せそうにしているのだが、足りないのだろうか?
 まあ、楽しい内は何やっても楽しいし、嬉しい内は何やっても嬉しいので、私も混ざろう。子供も生まれたけど、まだまだ新婚と言うか、恋人気分でいちゃいちゃと・・・
「って、微妙に死亡フラグじゃないですか!?」
 思わず叫んだ。
「気にするな!」
 分かってはいたらしい。
「帰ったらしよう」は鉄板過ぎる。
「死神の上の冥王の次、エリスだからフラグ位へし折ると期待してる!」
「本気で誰が解るんですかその駄洒落!」
 冥王星が準惑星に格下げに成った後、冥王星の次に回って居る比較的大きな準惑星、“エリス”が惑星に格上げされる予定と。水金地火木土天海冥の最後の冥がエリスに成ると言う、語呂が酷いニュースが流行った、高校受験の時に流行った物だから、テスト範囲?時事ネタ扱いで出るんじゃないか?と理科の授業で冗談半分に教えられていたのだ。なお、出なかったとだけ言って置く。ついでに、準惑星エリスの名前自体知らない人の方が多いし、話題にすら上がらなかった。
 ついでに、その理科教師の期末テストでは当然の様に出た、教科書に出なくて答えが簡単で、授業を聞いて居るかの確認を言う意味では良問だったらしい。
 個人的には、和同開珎と富本銭の方が歴史の教科書的に範囲だったので大騒ぎだった。あの辺はテスト範囲としても丁度かぶったのだ。
「灯が分ってくれるなら十分だ!」
「突っ込みに疲れます!」
 変な方向から解説が必要なボケが飛んで来ると言う無駄に難易度の高い突っ込み合戦をしながらゴブリンを屠る。
「いざと言う時は向こうに置いて来た結界解除してこっちで張り直すから!無理するな!」
「そっちはまだ余裕です!」
 無言で黙々と削るよりは大分気がまぎれるので良い、こうして生き物を殺すことに抵抗が無いと言う事に内心驚いたりもするが、此処で頑張らないと愛する我が子が危ないと考えれば、無理しない訳にも行かないので、必死である。
「そういえば、色々一段落したら正式に結婚式でも上げないかってお義父さんが言ってました!」
 エリスちゃんが突然トンデモフラグを持ち出して来た。
「これが終わったらは禁止です!」
 流石にフラグが大きすぎるので全力で突っ込みを入れる。
「この際、死亡フラグと伏線てんこ盛りにして、ぶっ千切って生き残る流れにしようか!?」
 和尚さんまで乗って来た。
「いちいち張らないで下さい!」
 何時の間にか私がツッコミ担当だ、二人がかりでボケ倒すのは止めて欲しい。

「飽きた!」
 和尚さんが唐突に叫んだ。
「何か欲しい物考えて置いて!」
 しりとりとかのノリで時間を潰したいらしい。
 当然だが、手と足、体捌きは一切止まって居ない、各々が死角を守る形で、余り回り込まれない様に崖も背にしているので、目の前の敵を狩るだけ、遠距離攻撃が来そうな時には、和尚さんが超反応で小刀を投げて迎撃している。囲まれて居ても意外と余裕があるのだ。
「花か石の付いた飾り物お願いします!」
 和尚さんの提案に、エリスちゃんが間髪入れずに答えた。
「わかった、探しとく!」
 和尚さんが深く考えずに答える。
 多分、愛の告白的なアレだ、指輪みたいなのがしたいのだと納得した。
「私のも其れでお願いします!」
 取り合えずその方向で混ざる。
「了解!」
 和尚さんは相変わらず深く考えずに了承する。
「愛の言葉も付けて下さい!」
 エリスちゃんが追加要求を付ける。
「其れで良ければ幾らでも!」
 どんな恥ずかしい言葉が聴けるか楽しみだ、エリスちゃんがパス繋げっぱなしにしているお陰で、意識すればお互い筒抜けに成る関係で良く聴いて居る気もするが、実際に声で聴くのは格別なのだ。好きでも無いに人に言われると虫唾が走るのは当然だし、聴き慣れないと初めて聞いた時の様に噴き出してぴくぴくする羽目に成るけど、アレはアレで良い物なのだ。後からでも思い出し笑いが出て、にやにやする羽目になる。
「楽しみにしておきます!!」
 お互い笑って居るのは顔を見なくても良く分かる。
「っと!お替りが来たぞ!」
 次の集団がゴブリン寄せの匂いに釣られたのか、こっちに向かってきた、未だ休めないらしい。
「あー!もう!いい加減に!本気で角生やしますよ?!」
 鬼子母神の鬼モード実装をあの時延期にしたのを少し後悔した。笑うネタと叫ぶネタは有っても、このメンバーでセット行動では、あれほど怒るネタが無い、多分、私たちの子共達も、ぬーさんのお母さんが居る限りは多分安泰だ、子供のご飯もお義母さんに任せて置いて大丈夫だし・・・でも、出来る限り早く帰りたいですね?
 我ながら変なタイミングとトリガーで爆発した・・
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