54 / 274
3章 活躍する坊主
エリス視点
しおりを挟む
無事帰って来れた、村の入り口の門番を見つけて思わず気が抜けて脱力した。
門番の人に帰還報告をする、一緒に居る二人は森の中で出会った命の恩人だと説明すると、特に問題無く通された、この門は実質モンスター以外は素通しだ、人手が足りない開拓村では、過去を詮索する物はあまり居ない。
まっすぐ二人をギルドに案内した、色々報告しなければならないし、二人の宿も確保しなければならない、義父にもこの二人を紹介しなければ。
「前回クエストを受注した暁の光です、依頼の報告と紹介したい方が居るのでお願いします、出来れば個室で、ギルドマスター呼んでくれると嬉しいです。」
ギルドに入ると周囲が静まり返った、明らかに目立っている、和尚さんと灯さんの服装は目立つし、3人で出た私の所属するPT・暁の光の私を除く二人は将来有望と期待されていたので、顔は知られている、その2人が入れ替わっているのだ、狭い村社会で大体噂が筒抜けに成る、この世界では、聞き耳を立てている野次馬が怖い。
個室に通され、和尚さん達と簡単な作戦会議をする、此処のギルマスは領主代行も兼ねる私の義父だ、こう言う、いざと言う時ぐらいは頼っても罰は当たらないだろう。
部屋に入ってきた義父は、むっつりと真面目な顔をしていたが、少し口角が上がっていたし、挙動が少し軽かった。
私が所属するPT・暁の光が壊滅したこと、私以外死んだこと、私も死ぬ所で、和尚さんと灯さんに助けられた事、ゴブリンの群れはホブとキング含めて和尚さんがあらかた蹴散らした事を話した、ちょっと大げさかもしれないが、嘘はついて居ない。
流石に義父が盛りすぎだろうと和尚さんに模擬戦を申し込んだ、結果として、まるで大人と子供の様に義父が練習場に転がった。挙句の果てに不意打ちを仕込んだと思ったら、あっけなく返し技を使われ、負けを増やした。格好悪い。
義父は膝を壊して引退しているけど、昔は上級冒険者で、現在でも私の婚約者を見極めると言って、私にそっちで言い寄った冒険者や、PTを組もうとした冒険者を陰で打ち負かして勝ち誇っている。他にも色々、当人は私に気づかれていないと思っているが、バレバレである。
おかげで、私とPTを組む男の冒険者は先ず居ない、今回組んでいたのは、義父が見込みがありそうだと言っていたので、そのテストも兼ねていたのだろう。
正直、出来る事なら、家を出たかったのだが、先立つ物が足りない。
それでも、ちゃっかりと和尚さんが勝つ方に登録費用と外食のご飯をかけていたので、二人の冒険者登録後にギルドの外でご飯を食べた。
一緒にお酒を飲んでいた所で、和尚さんと灯さんが結婚相手だと紹介する。最低限あの模擬戦で義父に勝てる事が結婚相手の条件だったので、文句は言わせない。
実際、文句は出なかった。ショックで文句を言う余裕が無かったのかもしれないが。
二人を家に案内する。
帰宅したら義母が感激して抱き着いてきた、私ももう会えないと思ったので嬉しい。
和尚さんと灯さんを結婚相手として紹介する、先に紹介しなさいと怒られたが、どうやっても連絡付けるのは無理なので、しょうがないと思う。
歓迎の印にと、お茶に大量の砂糖を投入していた。砂糖は其れなりに高級品なのだが、来客をもてなすときにはこの砂糖の量で判定する、でも、明らかに入れ過ぎだ、お茶と言うより砂糖水に色が付いてる状態だ、逆に怒られないかと心配した、二人はびっくりしたようだが、文句は言わずに、寧ろ笑みを浮かべて飲み切った。
飲まなかったら問題になる所だったので助かった。
何だかんだで歓迎してくれるようなので、安心した。
そんなこんなで義父が返ってきた。仕事にならないので急いで帰ってきたらしい。
二人がかりというよりも、義母に根掘り葉掘り聞かれた。
孫が欲しいらしい、それは私も子供が欲しいので問題は無い。
和尚さんがちょっと、しどろもどろになったので、助け舟を出しておく。
「近いうちでいい?」
和尚さんと灯さんが驚いた顔をしているが、そこまで驚かなくても良いだろう。
「私も若くないから早めにね?」
「止めないのか?」
と、義父が困り気味に義母に確認するが、模擬戦で勝てたら私を嫁にやると公言していたので、和尚さんに負けたことも出して。黙らせていた、こういう時の義母は強い。
「和尚さんと灯さん貴方達は今日から私たちの息子と娘になるのだからゆっくり寛いで行って下さいね。」
どうやら無事認められたようだ、一段落したので、来客用の部屋に案内する。
「森の中より疲れた・・・」
和尚さんが呟く、それは言い過ぎだが、確かに疲れた。
横になると疲れが噴出して、3人そろって意識が無くなった。
門番の人に帰還報告をする、一緒に居る二人は森の中で出会った命の恩人だと説明すると、特に問題無く通された、この門は実質モンスター以外は素通しだ、人手が足りない開拓村では、過去を詮索する物はあまり居ない。
まっすぐ二人をギルドに案内した、色々報告しなければならないし、二人の宿も確保しなければならない、義父にもこの二人を紹介しなければ。
「前回クエストを受注した暁の光です、依頼の報告と紹介したい方が居るのでお願いします、出来れば個室で、ギルドマスター呼んでくれると嬉しいです。」
ギルドに入ると周囲が静まり返った、明らかに目立っている、和尚さんと灯さんの服装は目立つし、3人で出た私の所属するPT・暁の光の私を除く二人は将来有望と期待されていたので、顔は知られている、その2人が入れ替わっているのだ、狭い村社会で大体噂が筒抜けに成る、この世界では、聞き耳を立てている野次馬が怖い。
個室に通され、和尚さん達と簡単な作戦会議をする、此処のギルマスは領主代行も兼ねる私の義父だ、こう言う、いざと言う時ぐらいは頼っても罰は当たらないだろう。
部屋に入ってきた義父は、むっつりと真面目な顔をしていたが、少し口角が上がっていたし、挙動が少し軽かった。
私が所属するPT・暁の光が壊滅したこと、私以外死んだこと、私も死ぬ所で、和尚さんと灯さんに助けられた事、ゴブリンの群れはホブとキング含めて和尚さんがあらかた蹴散らした事を話した、ちょっと大げさかもしれないが、嘘はついて居ない。
流石に義父が盛りすぎだろうと和尚さんに模擬戦を申し込んだ、結果として、まるで大人と子供の様に義父が練習場に転がった。挙句の果てに不意打ちを仕込んだと思ったら、あっけなく返し技を使われ、負けを増やした。格好悪い。
義父は膝を壊して引退しているけど、昔は上級冒険者で、現在でも私の婚約者を見極めると言って、私にそっちで言い寄った冒険者や、PTを組もうとした冒険者を陰で打ち負かして勝ち誇っている。他にも色々、当人は私に気づかれていないと思っているが、バレバレである。
おかげで、私とPTを組む男の冒険者は先ず居ない、今回組んでいたのは、義父が見込みがありそうだと言っていたので、そのテストも兼ねていたのだろう。
正直、出来る事なら、家を出たかったのだが、先立つ物が足りない。
それでも、ちゃっかりと和尚さんが勝つ方に登録費用と外食のご飯をかけていたので、二人の冒険者登録後にギルドの外でご飯を食べた。
一緒にお酒を飲んでいた所で、和尚さんと灯さんが結婚相手だと紹介する。最低限あの模擬戦で義父に勝てる事が結婚相手の条件だったので、文句は言わせない。
実際、文句は出なかった。ショックで文句を言う余裕が無かったのかもしれないが。
二人を家に案内する。
帰宅したら義母が感激して抱き着いてきた、私ももう会えないと思ったので嬉しい。
和尚さんと灯さんを結婚相手として紹介する、先に紹介しなさいと怒られたが、どうやっても連絡付けるのは無理なので、しょうがないと思う。
歓迎の印にと、お茶に大量の砂糖を投入していた。砂糖は其れなりに高級品なのだが、来客をもてなすときにはこの砂糖の量で判定する、でも、明らかに入れ過ぎだ、お茶と言うより砂糖水に色が付いてる状態だ、逆に怒られないかと心配した、二人はびっくりしたようだが、文句は言わずに、寧ろ笑みを浮かべて飲み切った。
飲まなかったら問題になる所だったので助かった。
何だかんだで歓迎してくれるようなので、安心した。
そんなこんなで義父が返ってきた。仕事にならないので急いで帰ってきたらしい。
二人がかりというよりも、義母に根掘り葉掘り聞かれた。
孫が欲しいらしい、それは私も子供が欲しいので問題は無い。
和尚さんがちょっと、しどろもどろになったので、助け舟を出しておく。
「近いうちでいい?」
和尚さんと灯さんが驚いた顔をしているが、そこまで驚かなくても良いだろう。
「私も若くないから早めにね?」
「止めないのか?」
と、義父が困り気味に義母に確認するが、模擬戦で勝てたら私を嫁にやると公言していたので、和尚さんに負けたことも出して。黙らせていた、こういう時の義母は強い。
「和尚さんと灯さん貴方達は今日から私たちの息子と娘になるのだからゆっくり寛いで行って下さいね。」
どうやら無事認められたようだ、一段落したので、来客用の部屋に案内する。
「森の中より疲れた・・・」
和尚さんが呟く、それは言い過ぎだが、確かに疲れた。
横になると疲れが噴出して、3人そろって意識が無くなった。
10
お気に入りに追加
227
あなたにおすすめの小説
長女は家族を養いたい! ~凍死から始まるお仕事冒険記~
灰色サレナ
ファンタジー
とある片田舎で貧困の末に殺された3きょうだい。
その3人が目覚めた先は日本語が通じてしまうのに魔物はいるわ魔法はあるわのファンタジー世界……そこで出会った首が取れるおねーさん事、アンドロイドのエキドナ・アルカーノと共に大陸で一番大きい鍛冶国家ウェイランドへ向かう。
魔物が生息する世界で生き抜こうと弥生は真司と文香を護るためギルドへと就職、エキドナもまた家族を探すという目的のために弥生と生活を共にしていた。
首尾よく仕事と家、仲間を得た弥生は別世界での生活に慣れていく、そんな中ウェイランド王城での見学イベントで不思議な男性に狙われてしまう。
訳も分からぬまま再び死ぬかと思われた時、新たな来訪者『神楽洞爺』に命を救われた。
そしてひょんなことからこの世界に実の両親が生存していることを知り、弥生は妹と弟を守りつつ、生活向上に全力で遊んでみたり、合流するために路銀稼ぎや体力づくり、なし崩し的に侵略者の撃退に奮闘する。
座敷童や女郎蜘蛛、古代の優しき竜。
全ての家族と仲間が集まる時、物語の始まりである弥生が選んだ道がこの世界の始まりでもあった。
ほのぼののんびり、時たまハードな弥生の家族探しの物語
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
一般人に生まれ変わったはずなのに・・・!
モンド
ファンタジー
第一章「学園編」が終了し第二章「成人貴族編」に突入しました。
突然の事故で命を落とした主人公。
すると異世界の神から転生のチャンスをもらえることに。
それならばとチートな能力をもらって無双・・・いやいや程々の生活がしたいので。
「チートはいりません健康な体と少しばかりの幸運を頂きたい」と、希望し転生した。
転生して成長するほどに人と何か違うことに不信を抱くが気にすることなく異世界に馴染んでいく。
しかしちょっと不便を改善、危険は排除としているうちに何故かえらいことに。
そんな平々凡々を求める男の勘違い英雄譚。
※誤字脱字に乱丁など読みづらいと思いますが、申し訳ありませんがこう言うスタイルなので。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
婚約破棄は誰が為の
瀬織董李
ファンタジー
学園の卒業パーティーで起こった婚約破棄。
宣言した王太子は気付いていなかった。
この婚約破棄を誰よりも望んでいたのが、目の前の令嬢であることを……
10話程度の予定。1話約千文字です
10/9日HOTランキング5位
10/10HOTランキング1位になりました!
ありがとうございます!!
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる