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2章 いちゃつく坊主の冒険者
沼ドラゴン
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なます切りな黒い残骸を見はりつつ、お湯を沸かし直して改めて体を拭く、正直襲撃で騒ぎすぎて性欲も何もあったものではないので、二人ともほぼ裸なのだが、今はそれほど見とれていられる状態ではない。
大き目の尻尾辺りの欠片は未だにビタンビタンと動いている。虚空の蔵に収納できるかとやって見たが、どうやら生きている物は収納できないらしく、唱えても反応が無かった、頭は取れているのだが、動いている限りは生きている扱いなのだろうか?
「多分、沼ドラゴンだとは思いますけど。」
「沼ドラゴン?」
そんな事を考えていると拭き終えて服を直したエリスが口を開いた。
「陸に居るのはトカゲで、水の中に居るのはサラマンダーです。でもって大きいのはまとめてドラゴンになって。居る場所で区別します。」
「出世魚みたいな扱いですね・・・」
灯が呟く、同じく服はしっかりと着なおしている。
俺がちゃんと見てくれない時は脱ぎ損なので着るらしい、そか・・
「むしろイルカとクジラの類か?」
3mまではイルカでそれ以上はクジラ、正直歯クジラと髭クジラを分ける方が重要だ。
「種族名じゃなく俗称何であんまり意味ありませんけどね。」
エリスが申し訳無さそうに言う。
「まあそんなもんだろう、夜じゃ何も見えないから夜が明けてからだな。」
「体色黒くて夜じゃ見えませんしね。」
主電源落としっぱなしのスマホもあるが、既にそのまま電池切れである。
松明で確認するにも結構暗いので明日まで置いて置こう。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」
念の為と、物は試しで九字切結界に閉じ込めておく、長時間起動実験はしていなかったので、何時までつけっぱなしに出来るかな?
「疲れないんですか?」
「それも含めてだな、今のところは大丈夫だ。」
エリスが不思議そうな顔で聞いてくるが、今の所こういったもので疲れるという感覚は無い。小僧時代は一晩中お経唱えっぱなしもあったし・・・
改めて3人そろってツエルトに入って3人ひと塊で寝る、最低限の鳴子は設置していたので最悪誰か起きるだろう。
「お休み。」
「「おやすみなさい」」
目を開けると周囲は明るくなっていた。目の前に顔があるのでとりあえず二人にキスはしておいて、ツエルトから這い出した。(当然だが出入口は狭いし屋根は低いのだ)
昨日九字切結界で閉じ込めた物はやっと動きを止めていた、中に居たのは。
「サンショウウオ?」
ナイルワニとかコモドドラゴン辺りが正体だと思ったが、確かにあの感触は鰐皮やトカゲの鱗ではなかったなと今更ながらに思い返す、確かにこいつらの系統なら半分になっても延々と生きてる。
一先ず結界を収めて改めて観察する。
「おはようございます。」
「おはようございます。熱源逃げないでください。」
ツエルトから灯とエリスが這い出して来て挨拶してくる、灯は謎の八つ当たりもついてきた。
「おはよう、そんなにあったかいか?」
「あの状態で真ん中抜けると隙間風がすごく寒いんです、嫌でも起きます。」
「ソレハスミマセンネ」
棒読みで返しておく。
「で、これが昨日のあれですか?」
「うん、やっと動かなくなった。」
「陸戦モードウーパールーパー?」
ああ、その方向もあったな。
「どっちにしても外にある鰓が無くなった時点でサラマンダー系は見分けつかんな。」
特殊系以外はほぼ黒いし。こいつも黒いし。
「一応この沼に前から居たサラマンダーですね、水が豊富な時は首のあたりにこうふさふさの突起が着いてるんですけど。」
エリスが首のあたりに手を当ててひらひらさせて見せる。サンショウウオ類が幼生の時に付けている外鰓だ。
「水が干上がったり今回みたいに水が汚れたりすると、それが無くなって陸に上がってくるって言いますけど、初めて見ました。」
「普通の大きさは?」
「普通は30センチから1mって所ですけど・・・」
「10mはあるな・・・」
「ヌシかなんかでしょうか?」
「まあ、爬虫類両生類は成長止める因子無いから育つだけ育つって言うけど・・・」
「やりすぎですね・・・」
「胃袋に人が入ってても驚かんぞ・・・」
胴体の切り口を覗き込むと、共食いしたらしく大量の魚とサラマンダーが半消化状態で詰まっていた。ついでにゴブリンらしきものも一緒に詰まっている・・・
「人じゃなくて良かった・・・」
改めて死んでいることを確認してから虚空の蔵に収納する。今度は正式に死んでいたらしく虚空の蔵に消えた。
あたらめて水面を見渡す、どうやら濁りは消えているようだ。
「念の為上行くか?」
エリスが地図を広げて場所を確認する。
「水源はこっちですね、薬品使ってみましょう。」
沼に流れ込んでいる小川の水は澄んでいる様子だ、瓶を取り出してサンプルを取り、試薬を垂らしてみる・・・
「まだ駄目か。」
「大分鮮やかな紫色ですね。」
灯が嫌そうな顔で結果を告げる。
「濁りと毒は別の問題か・・・」
濁りは多分この沼でさっきのサンショウウオが暴れて泥が舞い上がった分だろう。
解決するのか怪しい雰囲気が漂うが、依頼であるので諦めよう。
「じゃあもっと上ですね。」
エリスの掛け声を聞き、改めて上流を目指すことになった。
大き目の尻尾辺りの欠片は未だにビタンビタンと動いている。虚空の蔵に収納できるかとやって見たが、どうやら生きている物は収納できないらしく、唱えても反応が無かった、頭は取れているのだが、動いている限りは生きている扱いなのだろうか?
「多分、沼ドラゴンだとは思いますけど。」
「沼ドラゴン?」
そんな事を考えていると拭き終えて服を直したエリスが口を開いた。
「陸に居るのはトカゲで、水の中に居るのはサラマンダーです。でもって大きいのはまとめてドラゴンになって。居る場所で区別します。」
「出世魚みたいな扱いですね・・・」
灯が呟く、同じく服はしっかりと着なおしている。
俺がちゃんと見てくれない時は脱ぎ損なので着るらしい、そか・・
「むしろイルカとクジラの類か?」
3mまではイルカでそれ以上はクジラ、正直歯クジラと髭クジラを分ける方が重要だ。
「種族名じゃなく俗称何であんまり意味ありませんけどね。」
エリスが申し訳無さそうに言う。
「まあそんなもんだろう、夜じゃ何も見えないから夜が明けてからだな。」
「体色黒くて夜じゃ見えませんしね。」
主電源落としっぱなしのスマホもあるが、既にそのまま電池切れである。
松明で確認するにも結構暗いので明日まで置いて置こう。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」
念の為と、物は試しで九字切結界に閉じ込めておく、長時間起動実験はしていなかったので、何時までつけっぱなしに出来るかな?
「疲れないんですか?」
「それも含めてだな、今のところは大丈夫だ。」
エリスが不思議そうな顔で聞いてくるが、今の所こういったもので疲れるという感覚は無い。小僧時代は一晩中お経唱えっぱなしもあったし・・・
改めて3人そろってツエルトに入って3人ひと塊で寝る、最低限の鳴子は設置していたので最悪誰か起きるだろう。
「お休み。」
「「おやすみなさい」」
目を開けると周囲は明るくなっていた。目の前に顔があるのでとりあえず二人にキスはしておいて、ツエルトから這い出した。(当然だが出入口は狭いし屋根は低いのだ)
昨日九字切結界で閉じ込めた物はやっと動きを止めていた、中に居たのは。
「サンショウウオ?」
ナイルワニとかコモドドラゴン辺りが正体だと思ったが、確かにあの感触は鰐皮やトカゲの鱗ではなかったなと今更ながらに思い返す、確かにこいつらの系統なら半分になっても延々と生きてる。
一先ず結界を収めて改めて観察する。
「おはようございます。」
「おはようございます。熱源逃げないでください。」
ツエルトから灯とエリスが這い出して来て挨拶してくる、灯は謎の八つ当たりもついてきた。
「おはよう、そんなにあったかいか?」
「あの状態で真ん中抜けると隙間風がすごく寒いんです、嫌でも起きます。」
「ソレハスミマセンネ」
棒読みで返しておく。
「で、これが昨日のあれですか?」
「うん、やっと動かなくなった。」
「陸戦モードウーパールーパー?」
ああ、その方向もあったな。
「どっちにしても外にある鰓が無くなった時点でサラマンダー系は見分けつかんな。」
特殊系以外はほぼ黒いし。こいつも黒いし。
「一応この沼に前から居たサラマンダーですね、水が豊富な時は首のあたりにこうふさふさの突起が着いてるんですけど。」
エリスが首のあたりに手を当ててひらひらさせて見せる。サンショウウオ類が幼生の時に付けている外鰓だ。
「水が干上がったり今回みたいに水が汚れたりすると、それが無くなって陸に上がってくるって言いますけど、初めて見ました。」
「普通の大きさは?」
「普通は30センチから1mって所ですけど・・・」
「10mはあるな・・・」
「ヌシかなんかでしょうか?」
「まあ、爬虫類両生類は成長止める因子無いから育つだけ育つって言うけど・・・」
「やりすぎですね・・・」
「胃袋に人が入ってても驚かんぞ・・・」
胴体の切り口を覗き込むと、共食いしたらしく大量の魚とサラマンダーが半消化状態で詰まっていた。ついでにゴブリンらしきものも一緒に詰まっている・・・
「人じゃなくて良かった・・・」
改めて死んでいることを確認してから虚空の蔵に収納する。今度は正式に死んでいたらしく虚空の蔵に消えた。
あたらめて水面を見渡す、どうやら濁りは消えているようだ。
「念の為上行くか?」
エリスが地図を広げて場所を確認する。
「水源はこっちですね、薬品使ってみましょう。」
沼に流れ込んでいる小川の水は澄んでいる様子だ、瓶を取り出してサンプルを取り、試薬を垂らしてみる・・・
「まだ駄目か。」
「大分鮮やかな紫色ですね。」
灯が嫌そうな顔で結果を告げる。
「濁りと毒は別の問題か・・・」
濁りは多分この沼でさっきのサンショウウオが暴れて泥が舞い上がった分だろう。
解決するのか怪しい雰囲気が漂うが、依頼であるので諦めよう。
「じゃあもっと上ですね。」
エリスの掛け声を聞き、改めて上流を目指すことになった。
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