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第109話 初対面の同性相手にはイキが良い(蔵井夜空視点)
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「良いですねえ、私は遅れたので………」
思わずそんな恨み事が口から漏れた。
「あらら、残念ですね」
思ったより軽い調子だが、気持ちは分イキが良い感じに返された。
「忙しかったんですか?」
「ちょっと仕事詰まってたんで、ちょっと寝てなかったんです」
思わず言い訳が出る。泣き言を言った所で何が有ると言う訳でも無いのに、疲れとかで色々限界だった。
ブラック気味でスケジュールが詰まってしまい、残業フル稼働で片付けて、判定お願いしますとぶん投げ、フィードバック待ちの間に、掲示板で例の画像の話を見つけ、深夜テンションで全力解析し、掲示板に投下した所、連中の反応から色々確定したので大急ぎで予約したのだ、既に後の方が埋まって居たので、咄嗟に予定を開ける為に全然使って居なかった有給休暇の申請を大急ぎで上司のメールに送り付け、明け方に色々済んだと。
電車の待ち時間が有ったので一瞬目を閉じたら意識が飛んで早入りできればと言う余裕時間が消えて、予定時間ぴったりと言うオチである、結局は予定通りなのに負けたと言うのは理不尽だと思うのだ。
負けてるけど。
早目に現着したら明るい内に色々見て回りたいなとか思っていたのが、そのままお風呂直行で、この後ご飯食べたらバタンとする予定である。
辻温泉卓球とかでわいきゃいしたい人生だった。
もはや本命は叶わないという事で、第二目標を立てるのだ!
「でも、多分一回少ないだけで、又ありそうと言うか、多分頼めば行けると思う」
「なんだって?」
聞き捨てならない言葉に、思わずぎゅるんと目線が向く。
「ひえ?!」
ばしゃん。
小さい娘が驚いた様子で一瞬下がり、大きめに波が立った。
小さい娘が大きい娘の陰に隠れる。
「そんなに驚かない、どうせ噛みつかないから大丈夫だって」
「流石に噛みつきゃしませんよ」
言いながら、話に乗って楽し気にぐるるるーと喉を鳴らしてみる。
夜勤明けなのでちょっとテンションが高めだ。
この状態になると本当の限界点までは割と愉快に過ごせるのだ、仕事以外で話せるのはちょっとした癒しだったりもするので、今は結構楽しい。
「ソレはそうと詳しく!」
脱線してる場合じゃない。
「話題に上がってる男の人、翡翠さんはとってもサービス精神旺盛で、女性にも優しくてね?」
「お願いすると抱き締めてくれる感が有ります」
二人で順繰り説明してくれる、仲良いなあ。
「感?」
「感、流石に確定じゃないので」
「そりゃあそうですけど……」
思わず口を尖らせつつ。
「そもそもどんな人でした?」
別の質問も促す
「身長的には。思ったより小さくて可愛い系ですけど」
「私と同じぐらいですね?」
その答えに思わず目線がそっちに行く。
女としても割と小柄だ、抱き心地、収まり感とかどんなもんだろ?
思わず手が伸びる。
「ちょっと失礼」
「ひょえ?」
一言断りを入れて、返事としては変な声が聞こえたけど、そのまま抱きしめた。
ふむふむ、軽いし柔い、だけど良く知ったありふれた女の子な感触だ、コレだったら学生時代によく戯れてやったなあ。
近いけど、社会人に成った今、過去完了形な回想をしつつ、微妙にジタバタするその娘を解放する。
「まったくいきなり何やってるんですか?」
解放されたその娘が、困り気味に口を尖らせる。
「良いじゃないですか、同性だからノーカンノーカン」
やらかしておいてそんな事を言う、我ながらアレな気もするが、同性愛者では無い、フレンド的なのだ、一緒に風呂に入ったら実質姉妹みたいなもんだと思うのだ。
そもそも女同士、お互い多すぎて価値無しで、実質無みたいなものなので、セクハラ的なアレコレは存在しない、痴女とか言われない、ちょっと距離が近い変な人が居た程度の扱いで有る。
男性相手だったら一発有罪なのは言うまでも無いが。
「すいません、同じ大きさと言ったので、つい」
重ねて謝罪する。
「ついで抱き着かれても困るのですよ」
相変わらず口を尖らせているが、言う程拒絶感は無いので無罪だと思う。
「女の娘抱き締めても全然違うから、あんまり参考に成りませんよ?」
大きい方の人が、ちょっと呆れ気味に補足してくれる。
「でしょうねえ……」
思わず沈み気味に応える、寝不足モードはテンションの上下が激しいのだ。躁鬱とは言わない、精神科受診はしてると言われると就職的にアレな扱いされがちなためだ、そもそも受診していないし。
例の男性のハグ祭りは重ね重ね残念だった。
「実物は何と言うか、濡れます」
「そんなにですか?」
「見かけより力強くて、しっかりと抱きしめてくれるのに、不思議と優しくて……」
惚気られている、羨ましい事で。
「良い匂いするし、お腹がキュンキュンします」
「良いなあ……」
羨ましいのリアクションを取って崩れ落ちる。
下はお湯なので、軽くぶくぶく泡を吹きながら沈むだけだが。
「で、誘うと言うのはどんな感じに?」
ざばっと浮上しつつ、乱れた髪を手櫛で纏めつつ、続きを促す。
こっから本題だ。
ざわざわ。
不意にざわざわと声が聞こえる、人が増える気配が有った。
「しかし、遠いところにあるもんですね?」
聞こえた声が強めに響いた。
ん? 声が低い?
同性と言うにはちょっと違うと言うか、何か琴線に響く、まさか例の男の人?
混浴なんかで見つかったら痴女として訴えられてしまうのでは?!
あわあわと一人で驚き慌てて、思わず二人の手を引いて入り口からは見え無さそうな位置取りに退避した。
追申
思ったより寝不足で壊れ気味でした。
コレだけ話しておいてなんだと言われそうですが。初手で何も無ければいくらでも話せるけど、用が無ければあまり話さないし、二回目から段々と口数が何故か減る系。
うっかりしてると台詞消えてる系です。
精神科云々はまあ、そんな世界ですと言うか、現実世界でも男で何々で色々弱くて働けませんと言うと、就職面接で片っ端から落とされますので、男女入れ替わってるだけです。悪しからず。
ファンタジーカップ開催されています、出来れば応援お願いしたします。
思わずそんな恨み事が口から漏れた。
「あらら、残念ですね」
思ったより軽い調子だが、気持ちは分イキが良い感じに返された。
「忙しかったんですか?」
「ちょっと仕事詰まってたんで、ちょっと寝てなかったんです」
思わず言い訳が出る。泣き言を言った所で何が有ると言う訳でも無いのに、疲れとかで色々限界だった。
ブラック気味でスケジュールが詰まってしまい、残業フル稼働で片付けて、判定お願いしますとぶん投げ、フィードバック待ちの間に、掲示板で例の画像の話を見つけ、深夜テンションで全力解析し、掲示板に投下した所、連中の反応から色々確定したので大急ぎで予約したのだ、既に後の方が埋まって居たので、咄嗟に予定を開ける為に全然使って居なかった有給休暇の申請を大急ぎで上司のメールに送り付け、明け方に色々済んだと。
電車の待ち時間が有ったので一瞬目を閉じたら意識が飛んで早入りできればと言う余裕時間が消えて、予定時間ぴったりと言うオチである、結局は予定通りなのに負けたと言うのは理不尽だと思うのだ。
負けてるけど。
早目に現着したら明るい内に色々見て回りたいなとか思っていたのが、そのままお風呂直行で、この後ご飯食べたらバタンとする予定である。
辻温泉卓球とかでわいきゃいしたい人生だった。
もはや本命は叶わないという事で、第二目標を立てるのだ!
「でも、多分一回少ないだけで、又ありそうと言うか、多分頼めば行けると思う」
「なんだって?」
聞き捨てならない言葉に、思わずぎゅるんと目線が向く。
「ひえ?!」
ばしゃん。
小さい娘が驚いた様子で一瞬下がり、大きめに波が立った。
小さい娘が大きい娘の陰に隠れる。
「そんなに驚かない、どうせ噛みつかないから大丈夫だって」
「流石に噛みつきゃしませんよ」
言いながら、話に乗って楽し気にぐるるるーと喉を鳴らしてみる。
夜勤明けなのでちょっとテンションが高めだ。
この状態になると本当の限界点までは割と愉快に過ごせるのだ、仕事以外で話せるのはちょっとした癒しだったりもするので、今は結構楽しい。
「ソレはそうと詳しく!」
脱線してる場合じゃない。
「話題に上がってる男の人、翡翠さんはとってもサービス精神旺盛で、女性にも優しくてね?」
「お願いすると抱き締めてくれる感が有ります」
二人で順繰り説明してくれる、仲良いなあ。
「感?」
「感、流石に確定じゃないので」
「そりゃあそうですけど……」
思わず口を尖らせつつ。
「そもそもどんな人でした?」
別の質問も促す
「身長的には。思ったより小さくて可愛い系ですけど」
「私と同じぐらいですね?」
その答えに思わず目線がそっちに行く。
女としても割と小柄だ、抱き心地、収まり感とかどんなもんだろ?
思わず手が伸びる。
「ちょっと失礼」
「ひょえ?」
一言断りを入れて、返事としては変な声が聞こえたけど、そのまま抱きしめた。
ふむふむ、軽いし柔い、だけど良く知ったありふれた女の子な感触だ、コレだったら学生時代によく戯れてやったなあ。
近いけど、社会人に成った今、過去完了形な回想をしつつ、微妙にジタバタするその娘を解放する。
「まったくいきなり何やってるんですか?」
解放されたその娘が、困り気味に口を尖らせる。
「良いじゃないですか、同性だからノーカンノーカン」
やらかしておいてそんな事を言う、我ながらアレな気もするが、同性愛者では無い、フレンド的なのだ、一緒に風呂に入ったら実質姉妹みたいなもんだと思うのだ。
そもそも女同士、お互い多すぎて価値無しで、実質無みたいなものなので、セクハラ的なアレコレは存在しない、痴女とか言われない、ちょっと距離が近い変な人が居た程度の扱いで有る。
男性相手だったら一発有罪なのは言うまでも無いが。
「すいません、同じ大きさと言ったので、つい」
重ねて謝罪する。
「ついで抱き着かれても困るのですよ」
相変わらず口を尖らせているが、言う程拒絶感は無いので無罪だと思う。
「女の娘抱き締めても全然違うから、あんまり参考に成りませんよ?」
大きい方の人が、ちょっと呆れ気味に補足してくれる。
「でしょうねえ……」
思わず沈み気味に応える、寝不足モードはテンションの上下が激しいのだ。躁鬱とは言わない、精神科受診はしてると言われると就職的にアレな扱いされがちなためだ、そもそも受診していないし。
例の男性のハグ祭りは重ね重ね残念だった。
「実物は何と言うか、濡れます」
「そんなにですか?」
「見かけより力強くて、しっかりと抱きしめてくれるのに、不思議と優しくて……」
惚気られている、羨ましい事で。
「良い匂いするし、お腹がキュンキュンします」
「良いなあ……」
羨ましいのリアクションを取って崩れ落ちる。
下はお湯なので、軽くぶくぶく泡を吹きながら沈むだけだが。
「で、誘うと言うのはどんな感じに?」
ざばっと浮上しつつ、乱れた髪を手櫛で纏めつつ、続きを促す。
こっから本題だ。
ざわざわ。
不意にざわざわと声が聞こえる、人が増える気配が有った。
「しかし、遠いところにあるもんですね?」
聞こえた声が強めに響いた。
ん? 声が低い?
同性と言うにはちょっと違うと言うか、何か琴線に響く、まさか例の男の人?
混浴なんかで見つかったら痴女として訴えられてしまうのでは?!
あわあわと一人で驚き慌てて、思わず二人の手を引いて入り口からは見え無さそうな位置取りに退避した。
追申
思ったより寝不足で壊れ気味でした。
コレだけ話しておいてなんだと言われそうですが。初手で何も無ければいくらでも話せるけど、用が無ければあまり話さないし、二回目から段々と口数が何故か減る系。
うっかりしてると台詞消えてる系です。
精神科云々はまあ、そんな世界ですと言うか、現実世界でも男で何々で色々弱くて働けませんと言うと、就職面接で片っ端から落とされますので、男女入れ替わってるだけです。悪しからず。
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