75 / 133
第75話 彩羽の作戦会議(彩羽視点)
しおりを挟む「で、どんな感じですか?」
チェックイン後、案内された部屋でお茶とか駅で買って来たご当地名物の笹団子とかエキソンパイとか奢りつつ情報を引き出す。
「ありえないLVの当たり枠」
そんな大げさなと言いたい所ですが、容姿に関してはライブカメラ勢が嗅ぎつけてます、低解像度でも可愛いと!
「容姿に関してはもう、可愛い、その上に性格が良い」
「そんなパーフェクトヒューマン的な?」
「いやむしろ天使とかで良い」
「そんな大げさな」
「こっちの要求とか、妄想とか、ぜーんぶ見こした上で、笑いながら相手してくれる」
「ふへえ」
思わず変な声が出る、もう、思い出しただけでうっとりしている様子だ。
「そんな都合が良い話、有る筈が」
「有ったんだ」
思わずの否定に被せる様に重ねて肯定して来る、天空城は有ったんだ位の目のきらっきら具合である、コレはもう惚れてる系?
「未だこっち来たばっかりで、慣れてないと言うか、健康診断とか色々済んで無いっぽいから私等に夜這いはしてくれないけど、他は有る、かもしれない」
「他?」
「お風呂から上がって来たのを見たって人が居る」
「風呂上り?」
湯上りほこほこな男の子、ソレは見るだけで体調が良くなりそうな。
是非とも加湿器として、少年から出てくる湯気とかシュッと吸いたい。
きっと万病とかに効く。
「個室の?」
混浴なんて処女の夢だが、現実では妄想である。
「混浴に成ってる大浴場」
「ひゃい?!」
思わず変な声が出た、嘘だあ?!
「こんな感じに、護衛の娘と手を繋いで混浴の大浴場から」
テーブルの上に出していた手を適当に掴まれ、指を絡ませられる。
「女同士じゃアレだけど、男女で?」
女同士じゃ色気も何もありゃしない、無感動ににぎにぎしてみるが、新しい感動とかそんなのは湧いてこない、男同士だったらまあ美味しいかもだけど。
「男女で」
きっとやってるとかだ、都市伝説みたいなあれだけど。
「もうやってる?」
「多分やってりゅ、あの距離感はただ事じゃない」
「ただ事じゃないのか、そうかあ………」
まともにそんなのに出くわした事すら無いので、もはや理解の外だ。
お金払えばどうにか成ると言われる風俗なんかも法律の底に半分潜って居るので、お金を払ってもまともな保証は無く、下手に手を出すのも怖い、結局がちがちの処女である。
「籍入れは3人確定で、この3人の誰かが常について歩いてる」
「じゃあ、チャンスは無い感じ?」
「いや、今無いってだけで、ゆくゆくは三助やらせたいような事言ってる」
「ちょっと早かったかあ……」
先走り過ぎた感は有ると。
「でも、早くて良かったと思うよ、私はあの人、翡翠さん見つけた瞬間に目いっぱい連泊手続きしたから未だ泊まれるけど、もう宿泊料金1.5倍で2か月埋まってるでしょ? 公式発表付いたら10万まで値上がりして、それでも1年待ちとか有りえる」
「そんなに?」
「そんなに、アレはヤバい、見てるだけで健康になる」
「つやっつや?」
「てっかてか、元からここ美人の湯ついてるけど、それどころじゃない」
見ただけで惚れて女性ホルモンドバドバとかかなあ、本当に大げさな。
あ、でもこのすべすべな肌艶は本当? いや、温泉が良いだけの可能性も。
いや、でもこいつは労働者にしても半分趣味みたいなライターだから、元から肌艶良い筈だし、そもそも気にする年齢だっけ?
確認しようと無意識に手をスリスリしてみる。
「そっちの趣味は無いよ?」
「私も有りませんよ」
ムスッと返す、未だ同性に興奮するような変態じゃない。まだそこまで追い詰められていないのだ。
「これ、しょうがないなあってやってくれる男の子が他に居ると思う?」
手が離され、代わりにスマホを操作して、画面をこちらに向けてきた。
「……?!」
思わず絶句する。
文句なしに可愛い男の子が、何だかしょうがないなあって苦笑交じりに言った後で、異様にきわどい前かがみポーズを決めていた。
「これ、のーぶら?」
「のーぶら、目線バレて、確認した後で、何か不都合ある? って心底不思議そうに首傾げられた」
「いやいやいやいや……」
着崩れた浴衣から、先端が見えていた、思わず鼻血でも出ないかと口元に手をやる。
「って事で、お楽しみに~」
そんな事を言いながらスマホを手元に引き寄せて、ポケットにしまわれる。
「その画像……」
「今は拡散禁止、だから色々解禁後ね?」
ちくしょう、こういう時はガードが堅い。
思わずちょうだいと言う前にキャンセルされてしまった。
「泊った以上、チャンスは有る筈だから、現物を見なさい、多分お風呂にも来るはず」
「ほんとだね?!」
思わず身を乗り出して確認する。
「検証班の人柱なんだから、自力で確認しなさい」
溜め息交じりに窘められた、ソレはそうだった。
追申
カイロスの前髪、いわゆるチャンスの神様の前髪、本名のほうがマイナーな悲しい神様。
恐らく子供たちに対しては一番有名な、同名のクワガタに関しては、ポケモン初代赤緑だとめっちゃ逃げるので、多分その辺から。 なお、AIだと概念を認識できない様子です、対話形式で調べると正しいサイトをコレですね? って出してきますが、画像にしてと言うと変なモノが出てきます。
そんな訳で、この娘がファーストアタックちゃん、改め彩羽(いろは)ちゃん。
相変わらず、この容姿で売れ残るんか? ですが、この世界ではしゃあないという事で。
シュッと吸うモジョに関してはまあ、そんなのです。ネットに巣食う謎の妖怪、お察し。
良かったら「感想」とか「いいね」10連打とか「お気に入り登録」とか、ご協力お願いします。
38
お気に入りに追加
183
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
貞操観念が逆転した世界に転生した俺が全部活の共有マネージャーになるようです
卯ノ花
恋愛
少子化により男女比が変わって貞操概念が逆転した世界で俺「佐川幸太郎」は通っている高校、東昴女子高等学校で部活共有のマネージャーをする話
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
女を肉便器にするのに飽きた男、若返って生意気な女達を落とす悦びを求める【R18】
m t
ファンタジー
どんなに良い女でも肉便器にするとオナホと変わらない。
その真実に気付いた俺は若返って、生意気な女達を食い散らす事にする
男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る
電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。
女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。
「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」
純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。
「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる