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第61話 寝起きの攻防

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 チュンチュン
「ふぅ……すぅ………」
 小鳥の鳴き声と、小さく自分以外の寝息が聞こえて目が覚めた、昨日はガッツリ寝たおかげか、大分すっきりとしている。
 熱が出て居そうな違和感とかも感じない。
 治ったと見て良いだろうか?
(しかし近いなあ)
 ハチクマさんの寝顔を覗き込む、寝ていても、かなりの美人さんだった。
 昨晩は強引に添い寝に持ってきたのだが、二人でのぼせる程温まったおかげも有り、一瞬で寝落ちしてしまい、それ以上は無かった。
 書類的には二番のお嫁様なハチクマさんなのだが、未だ遠慮とかが先に立つらしい。
(まあ、風邪ひいちゃってたこっちが悪いか)
 我ながら自分の虚弱っぷりに呆れる。
(襲ってくれても構わなかったんだけどなあ)
 そういう意味では、ヤタちゃんがやたらと都合が良く、こちらの心も読んでいるかの如く搾り取りに来るのだが、現状、特にハチクマさんがココに居る状態でソレは無いし、考えるだけでもマナー違反だろう。
 口説く時、いちゃつく時は極力目の前の相手だけ見るべきだと思うのだ。
(それなら、手を出すならこちらからか)
 優しく前髪をすくい上げ、おでこにキスをする。
 触れた手が暖かい、湯たんぽみたいだ。
 唇が触れた瞬間、ハチクマさんがびくりと震えた。
「起こしました?」
 起きていないフリをするには、リアクションが大きかった。

「…………はい」
 ばつが悪そうに、ゆっくりとタメてから、目を開け、返事が返って来た。
「ところで、昨日のキスで風邪うつったりしてません?」
 考えたら、風邪ひき人間にキスされてうつされるとか、普通に嫌である。
「大丈夫です、私、平熱で37.5℃在りますから、風邪ひいた試しは無いです!」
「たか………」
 力強く断言され、思わず絶句した。
 人間の免疫はプラスの1℃違うと、倍以上は上がると言われている、うちのは風邪なんかうつらないと言うトキさんの台詞はそう言う事か。
「深部なら38℃在りますよ?」
「熱そう……」
 調子に乗ってか、補足が来た、風邪で上がっての38℃と、平熱38℃は天地の差である、平熱が高いのは羨ましい。
 中熱いのか、気持ち良さそう………
「健康そうで何よりです………所で、こっちのが、そろそろ準備出来てますけど、お相手、大丈夫ですか?」
 朝立ちでバキバキの臨戦態勢を取って居るソレを、布団の中でハチクマさんの身体に少し当てる。
 パンツとか布越しだけど、浴衣とかの隙だらけで薄い生地なので、すぐわかるだろう。
「あの、これって……?」
 ハチクマさんがおっかなびっくり手で触れて確かめて、引っ込める。
「男の子の本体って奴です、今ならフルチャージ状態なので、勝手にこうなります」
「無理とかは……?」
「勝手に大きくなったのを発射するのは、大した負担でも無いですよ?」
 負担がかかるのは、萎えちゃったのを膨らませて連射する時だ。後は例のピストン運動と、立てたまま耐久する分か。鍛え直さないとなあ。
「一回だけ出す程度なら、今なら器のふち、なみなみに溜まってる状態なんで、楽に出ます」
 何だかんだ、もっと鍛え直すべきなのは知っているけど、今ある分で頑張るだけなのだ。
 順番待ちとかありそうで、待たせちゃ悪いし。

「そんな訳で、何かご希望は在りますか?」
 お約束のご希望を聞く時間だ、さあ、何が出るかな?
 対してハチクマさん、先程から、手を伸ばそうとしては、迷うように引っ込めている、何だろう?
「遠慮せず、力いっぱい、抱き締めてくれても良いですよ? お好きなように?」
 当てずっぽうに言ってみた。
「駄目です! 壊しちゃいますよ?!」
 抱き締めたぐらいで壊れると思われていたらしい。
「大丈夫です、壊れませんから」
 笑いながら答える。
 女の子に力いっぱい抱き締められて壊されると言うのなら、それは男の甲斐性で、勲章と言うものだと思うんだ。
 そんなアホな事を考える。
「まあ、多少痛くても怒ったりはしませんが、急所は避けて、程々でお願いしますね?」
 冗談を言う感じに、ほら来いと、大きく手を広げた。

 なお、ギリギリ壊れはしなかった。
 折れるまで行かなかったので、割と笑って耐えられたと思う。



 追申

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