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第31話 外伝 画面外、マスコミ関係者とか
しおりを挟む「何じゃこりゃあ?!」
京のヨツバ出版社の本社ビル、オフィスのデスクトップを前に、送られてきた画像のチェックを始め、第一声がソレだった。
一般的に、写真を撮らせてくれる男性と言うモノのは、ハーレムを形成できなかった類やら、精子が売れないのとか、種無しとか、平たく言うと負け男が中心である。
モテる類の男は女達が社会に出る前に囲い込み、養ってくれるので小銭を稼ぐ必要が無い為、余計に女を集める必要も無いし、女側としてもライバルと言うか、子種注ぐ相手増やしても困る為、周囲の女たちも許さない。
そんなこんなで、結局紙面の男性グラビアは華が無い事に成って居る訳だ。
だが、其れだけではどうしようもない為、各地で無理言って頑張って取材を行っていたりするのだ。
あまり成果は芳しくないわけだが。
そんな斜陽の最中、明らかに売れる素材が送られてきたのだ。
いや本当に?
こんなの使っていいの?
許可取ったの?
数千人単位で囲われる類の秘蔵っ子じゃないの?
いや、確かに秘蔵っ子だとは言ってたな?
日本海側の妖怪ババア、ヤタの所の秘蔵っ子で、コレ載せたら掲載号の売り上げ5%かあ……
エグイ交渉を思い出し、身震いする。
もし反故にした場合、間違いなく社会的にころころされる、アレの一族と言うか竿姉妹達は各地に居るので、何処から刺されるかわかったもんじゃない。
そして、予算と売り上げ見積もりだが、多分余裕でペイできる、売り上げは多分一冊だけで去年全部の売り上げの倍とか、そんな愉快な数字が出る。
更に、看板息子の三助不在で地域ごと丸々過疎り始まったあの辺一帯の経済が活性化すると。
基本的に男性グラビアの際には必ず窓口と成る連絡先が掲載されるので、この場合はあの温泉宿だ、昔は伝説となった三助、海野琥珀が看板息子をしていた、私も出版社としてかなり世話に成ったし、稼がせてもらった、となると、遠慮する事は無いのだよね?
使うか使わないかで延々悩んだが、結局使うことにした。
デスクトップには、苦笑を浮かべてあざとく指ばってんを作る海野翡翠の画像が表示されていた。
現地にて
「こんな画像需要有るんですか?」
そう言いつつ、律儀にこちらの要求にこたえてくれる翡翠さん。
結構あざとい、くそエロいのとかでも特に忌避感無しにホイホイやってくれるので、私等じゃなかったら即レイプされてる所だぞと注意したいところだが、この役得を終わらせる訳には行かないので皆、興奮して血走った目で、股座を濡らしながらも優しく見守っているのだ。
尚、私等には、私とカメラマンの他、この地全域の女達が含まれている、皆が程よい距離感を維持できれば男の子は無防備のまま触れ合う事が出来るのだ、現在この地ではそんな一種のユートピアが出来上がっていた。
「大丈夫です! 絶対流行ります!」
ショタが指ばってんで苦笑を浮かべるシチュ、絶対流行る。
その他にと言うかそれ以前に、この翡翠さんは基本的にノーインナーで浴衣一枚だけなので、各地が透けて浮かんでキワキワがえらい事に成って居る事は、見ている面々からするとエグイ破壊力が有る、私が若い頃なら歩いてるのを見るだけで鼻血を吹いて倒れる自信がある。
そんな訳で絶対に売れるのだ。
ほら、濡らしてても良いから目いっぱい写真を撮れ。
編集長
問題は初動でどれぐらい刷るか勝負だが………
「もういいや、10倍!」
かなり思い切った数字を見積もった。
と言うか、現在動かせる予算の限界値だった。
後日、全く足りずに発売前の出荷日当日に完売した上、雑誌なのに重版がかかった。
例の旅館にて。
「「「かんぱーい」」」
「見積が甘いんじゃボケえ!」
「分かるかそんなもん!」
「まあ需要有ったようで良かったです」
例のロリババア、ヤタと、翡翠さんも含めて、かなり良い笑顔で飲み明かしたのは予想外の収穫だった。
しかし、どっちも若く見える、実物見ても粗が見えない、女なのでこれでも化粧には五月蠅いのだ、其れなのに厚化粧とかそういう線じゃないので、二人とも素である、内心で負けたと思うが、そんな勝負じゃねえから。
……
………
「所で、翡翠さんその距離で良いんですか?」
ヤタが翡翠さんの胡坐をかいた足のど真ん中に鎮座している。
最初は普通だったのだが、段々と飲み、時間が経つ毎に距離が縮み、背中にどーん、横からぴとっと、膝の上に、で、現在足の真ん中と成って居る、普通だったら男側がぶちぎれて逃げる状態だった。
「これぐらい普通ですよ?」
翡翠さんも特に気にした様子も無い。
「儂らの間では普通じゃな?」
ヤタまで当然と言う様子で……
いやいやいや、うそだあ?
その手の位置とか、手付きとか、今にも始まりそうな状態で……
「……私も真似して良いですか?」
年甲斐も無く強請る、せめてもの一線として、確認した。
「どぞ?」
翡翠さんは特に気にした様子も無く手を広げる。ヤタがニヤリと笑みを浮かべた。
横に行って、少しわざとらしく傾いて体を預けた。
翡翠さんが抱き寄せるように手を腰の辺りに回す。
ほわわわわわわ。
暖かくて、良い匂いがして、当たった部分から優しい感触が……
コレはもう実質セックスじゃないだろうか?
もう駄目だった、下着がもう履いてられない感じのぐっしょり状態だ。
いやいや、ここで押し倒したりしたら追い出されて出禁で………
「よっと」
ヤタが不意に立ち上がり、こちらの顔を覗き込む。
「もう我慢も限界じゃな?」
ニヤリと嗜虐的な笑みを浮かべた。
「ちゅ……ん……」
目の前で翡翠さんとヤタの唇が重なった。
ああ……良いなあ……
ただ茫然と羨望の眼差しでその光景を見送る。
「どうじゃ、やりたいか?」
ヤタがこちらを向いてニヤリと笑う。
もうどうしようもなかった。
こくこくと頷くしか出来ない。
「じゃあ、後は若い二人に任せて、ごゆっくり~」
ヤタがそんな事を言いながら不思議な上機嫌で部屋から出て行った、旅館の個室飲みなので、二人きりだ。
「まあ、お互い程々にな? 壊すなよ?」
戸がガラッと開いて、そんな余計な一言を入れて去っていった。言われなくても。
奇麗に負けた、壊されるかと思った。
でも、満足だった。
「そんな訳で、次回の写真集はこんな感じにで、ギャラはこんな感じでな?」
ついでにエグイ交渉されたが、昨夜のアレを考えれば安い物だった。
追申
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