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これって、好きってことなのかな
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箒で空を飛ぶ。
それは、魔法使いに取っては当然の空の飛び方。だけど、これを最初に思いついたのは誰なんだろう。何かに乗るってのは良い案だったかも知れない。
でも、もっと安定感が欲しい!
「わっ!」
突然、ピューっと吹いた風に、練習用ローブがバサバサとなびき、体が飛ばされそうになったので、練習用箒を強く握る。
ふー、危ない、危ない。
私、箒術は苦手。他の実践科目も得意とは言えないけど、これは特に駄目。
翼を持つ鳥人種だったり、箒術が得意な子は、練習のためにと先生が風を吹かしている中でも、手を離して乗っていたりするけど、私にはそんな事出来ない。そんなことをしたら落っこちちゃうから、箒をしっかりと握って、考え事せずに、集中して飛ばなきゃ。
今は一年生全員で、一学年最後の箒術の試験中。
ゴールまでのスピードや、風が吹く中、箒をどれくらい操れるかで、評価がされる。
私が居るのは、全体の後ろの方。私みたいに箒術が苦手な子か、試験なのにやる気が無くて友達と話したり遊んだりしながら、だらだらと飛んでいる子しか居ない。
今日の為に、『上手に箒で飛べる方法』っていう動画見たんだけどなー。それだけで簡単に上手くなったりはしなかった。
せめて、補修にならないくらいの評価がされれば良いな。もう、補習が決まっている科目はいくつか有るから、これ以上、増やしたくない。
試験のコースは、もう終盤。出来るけど、やる気無い組は、ゴールの順位を上げる為に、そろそろスピード出してくるだろうから、道譲るために端の方に移動しようかな。
そんな事を考えていると突然。ドン! と、背中に強い衝撃が当たる。
「うわっ!」
「え!」
振り向くと、後ろを向いて友達と話しながら箒を乗っている男子が。ぶつかったたみたい。って、ヤバい! 落ちた!
向こうはスピードを出し始めていたのか、ぶつかった時の衝撃が強くて、私はバランスを崩してしまった。
高い所を飛んでいたからすぐには地面に着かないけど、その分地面に着いたら大怪我だ。
手の中に箒が残っているから、魔法をかけ直して、乗らなきゃ!
「スコーパエ・ボリターレ!」
あれ?
魔法を使ったのに! 箒が操れない!
動揺しているのか、呪文を唱えても魔法が上手く使えなかった。
「スコーパエ・ボリターレ!」
もう一回唱えてもダメだ。
えっ、どうしよう。近くに先生は居ないし、私このままじゃ本当に……
ニュースで見た過去の箒事故を思い出して心臓が加速するように激しくなっていく。
どうしよう、どうしよう、ヤバい、ヤバい!
「スコーパエ・ボリターレ!」
何度、呪文を唱えたって、箒は浮かない。
照りつける太陽から離れていく、雲ひとつない青い空が小さくなっていく。落ちていく体は空気を切り、体操服の隙間から入る風はとても冷たい。
……ああ。
絶望の中、突然、ふわりとした羽になったように私の体の落ちるスピードが遅くなった。箒が、私の手からすり抜ける。
え! 私、こんな魔法使ってない。じゃあ、なんで? って、箒が!
混乱していると、誰かに腕を掴まれ引かれる。
「とりあえず乗って」
落ちていく私の腕を引いたのは、紫と金のラインの練習用ローブを羽織った、黒い髪と金色の目、そして、頭に生えた大きな犬みたいな耳が特徴の男の子。
犬みたいな耳があるだけなら、獣人かと思うけど、彼には獣人の様な尻尾は無い。だから、彼が誰だか分かった。寮もクラスも違うけど知っている。
雷狼に憑かれた一族の男の子。
「ハイメくん」
ハイメくんは、ふわふわと浮く私の体を、箒に乗っている彼の後ろに座らせる。すると、魔法が解けたのか、体に重さが生まれた。
「うわっ!」
突然のことにバランスが崩れて倒れそうになった所を、ハイメくんが私の腕を掴んで支える。
「危ないから、掴まっていて。とりあえず、下に行くから」
ハイメくんは抱きしめさせるように、私の手を彼のお腹に回す。
「う、うん。分かった」
今は六月で、結構汗かいているのも有るから、男子に掴まるのは恥ずかしいけど、また落ちかけたりして、迷惑をかけられないから、ぎゅっと抱きつくような形になった。
……どうしよう、なんか良い匂いするし、ドキドキする。
くっついているから、そのドキドキとした鼓動も聞こえていそうで、もっとドキドキしちゃう。
うー、心臓よ治って!
ドキドキしているのは私だけなのかな。ハイメくんは、私と同じ一年生なのに、二人乗りしているとは思えないくらい安定したバランスで箒を操り、ゆっくりと地上へ降りていく。
「着いたよ。降りれる?」
「大丈夫!」
ドキドキするから、抱きついていられない。
ササッとハイメくんから離れて、地面に足を付ける。
私が降りた近くには、ハイメくんが私に魔法をかけた時に手放してしまった箒が勢いそのままに落ちていて、ボロボロになっていた。
もしかしたら、私もこうなっていたかも……
ボロボロになった自分を想像しちゃって、心臓が冷えた。
本当、ハイメくんのおかげだ。
話したこともない私のことを、上手くいかなかったら自分も危険な目に遭うかもしれないのに、助けてくれるなんて。
「本当にありがとう。ハイメくんのおかげで、傷一つ無く降りられた」
心からのお礼に、彼はため息をついた。
「別にいいよ。それにしても、ドジだね」
「えっ」
……ドジって、元はと言えば、前を見ずに飛んでいた向こうが悪いんじゃって、ムッとしたけど、ハイメくんの、意地悪で、馬鹿にするように呟いたにしては、宝石のような金色の目が、愛おしいものを見ているような優しい感じでこちらを見ていて、チグハグだけど、何故かキュンとしてしまう。
え、なんで今、キュンて……
初めての事で、何が何だか分からない。でも、心のふわふわしている感じ、イヤじゃないかも……
「緊急事態ほど、ちゃんと杖使わなきゃダメでしょ」
ハイメくんの正論で、ふわふわとした気持ちが静まる。
「はい。その通りです」
そう、魔法ってのは、杖を使った方が狙いが定まり、上手く使えるものだ。沢山練習した箒術とは言え、杖を使わずに魔法を使うのは、だいぶ難しい。特に私は魔法を使うのが苦手だから、杖が必要だった。
「気を付けなよ」
ハイメくんは、呆れるように呟くけど、その目は心配しているように見えて、またキュンとしてしまう。
えー、もー、なんだろう、この感じ。
あの日以来私の胸の中に、ハイメくんが居て、無意識で、ハイメくんのことを目で追ってしまう。今まで話したこと無かった彼を、興味なんて無かった彼を、知りたいって思う様になった。
何部に入っているの?
何が好きなの?
友達は、どんな人?
ハイメくんの事を考えている時、胸はふわふわして、彼の事を少しずつ知れるたびに、嬉しくなる。
だけど、ハイメくんが凄い人だって分かるたびに、自分の全部がダメな気がしてくる。
髪の毛をもっとお手入れして、可愛くなる努力すれば良かった。
優秀な彼と同じくらいになれるように、魔法の実践の授業をもっと頑張れば良かった。
そう落ち込んじゃうけど、ハイメくんの事が思い浮かぶと、頑張ろうって気持ちになる。
十三歳の私は、こんな気持ちが初めてで、何が何だか分からないけど、漫画とかドラマで見る、恋している女の子の悩みに似ているような気がする。
私は、今まで恋したことがないから分からないけど。
これって、好きって事なのかな。
それは、魔法使いに取っては当然の空の飛び方。だけど、これを最初に思いついたのは誰なんだろう。何かに乗るってのは良い案だったかも知れない。
でも、もっと安定感が欲しい!
「わっ!」
突然、ピューっと吹いた風に、練習用ローブがバサバサとなびき、体が飛ばされそうになったので、練習用箒を強く握る。
ふー、危ない、危ない。
私、箒術は苦手。他の実践科目も得意とは言えないけど、これは特に駄目。
翼を持つ鳥人種だったり、箒術が得意な子は、練習のためにと先生が風を吹かしている中でも、手を離して乗っていたりするけど、私にはそんな事出来ない。そんなことをしたら落っこちちゃうから、箒をしっかりと握って、考え事せずに、集中して飛ばなきゃ。
今は一年生全員で、一学年最後の箒術の試験中。
ゴールまでのスピードや、風が吹く中、箒をどれくらい操れるかで、評価がされる。
私が居るのは、全体の後ろの方。私みたいに箒術が苦手な子か、試験なのにやる気が無くて友達と話したり遊んだりしながら、だらだらと飛んでいる子しか居ない。
今日の為に、『上手に箒で飛べる方法』っていう動画見たんだけどなー。それだけで簡単に上手くなったりはしなかった。
せめて、補修にならないくらいの評価がされれば良いな。もう、補習が決まっている科目はいくつか有るから、これ以上、増やしたくない。
試験のコースは、もう終盤。出来るけど、やる気無い組は、ゴールの順位を上げる為に、そろそろスピード出してくるだろうから、道譲るために端の方に移動しようかな。
そんな事を考えていると突然。ドン! と、背中に強い衝撃が当たる。
「うわっ!」
「え!」
振り向くと、後ろを向いて友達と話しながら箒を乗っている男子が。ぶつかったたみたい。って、ヤバい! 落ちた!
向こうはスピードを出し始めていたのか、ぶつかった時の衝撃が強くて、私はバランスを崩してしまった。
高い所を飛んでいたからすぐには地面に着かないけど、その分地面に着いたら大怪我だ。
手の中に箒が残っているから、魔法をかけ直して、乗らなきゃ!
「スコーパエ・ボリターレ!」
あれ?
魔法を使ったのに! 箒が操れない!
動揺しているのか、呪文を唱えても魔法が上手く使えなかった。
「スコーパエ・ボリターレ!」
もう一回唱えてもダメだ。
えっ、どうしよう。近くに先生は居ないし、私このままじゃ本当に……
ニュースで見た過去の箒事故を思い出して心臓が加速するように激しくなっていく。
どうしよう、どうしよう、ヤバい、ヤバい!
「スコーパエ・ボリターレ!」
何度、呪文を唱えたって、箒は浮かない。
照りつける太陽から離れていく、雲ひとつない青い空が小さくなっていく。落ちていく体は空気を切り、体操服の隙間から入る風はとても冷たい。
……ああ。
絶望の中、突然、ふわりとした羽になったように私の体の落ちるスピードが遅くなった。箒が、私の手からすり抜ける。
え! 私、こんな魔法使ってない。じゃあ、なんで? って、箒が!
混乱していると、誰かに腕を掴まれ引かれる。
「とりあえず乗って」
落ちていく私の腕を引いたのは、紫と金のラインの練習用ローブを羽織った、黒い髪と金色の目、そして、頭に生えた大きな犬みたいな耳が特徴の男の子。
犬みたいな耳があるだけなら、獣人かと思うけど、彼には獣人の様な尻尾は無い。だから、彼が誰だか分かった。寮もクラスも違うけど知っている。
雷狼に憑かれた一族の男の子。
「ハイメくん」
ハイメくんは、ふわふわと浮く私の体を、箒に乗っている彼の後ろに座らせる。すると、魔法が解けたのか、体に重さが生まれた。
「うわっ!」
突然のことにバランスが崩れて倒れそうになった所を、ハイメくんが私の腕を掴んで支える。
「危ないから、掴まっていて。とりあえず、下に行くから」
ハイメくんは抱きしめさせるように、私の手を彼のお腹に回す。
「う、うん。分かった」
今は六月で、結構汗かいているのも有るから、男子に掴まるのは恥ずかしいけど、また落ちかけたりして、迷惑をかけられないから、ぎゅっと抱きつくような形になった。
……どうしよう、なんか良い匂いするし、ドキドキする。
くっついているから、そのドキドキとした鼓動も聞こえていそうで、もっとドキドキしちゃう。
うー、心臓よ治って!
ドキドキしているのは私だけなのかな。ハイメくんは、私と同じ一年生なのに、二人乗りしているとは思えないくらい安定したバランスで箒を操り、ゆっくりと地上へ降りていく。
「着いたよ。降りれる?」
「大丈夫!」
ドキドキするから、抱きついていられない。
ササッとハイメくんから離れて、地面に足を付ける。
私が降りた近くには、ハイメくんが私に魔法をかけた時に手放してしまった箒が勢いそのままに落ちていて、ボロボロになっていた。
もしかしたら、私もこうなっていたかも……
ボロボロになった自分を想像しちゃって、心臓が冷えた。
本当、ハイメくんのおかげだ。
話したこともない私のことを、上手くいかなかったら自分も危険な目に遭うかもしれないのに、助けてくれるなんて。
「本当にありがとう。ハイメくんのおかげで、傷一つ無く降りられた」
心からのお礼に、彼はため息をついた。
「別にいいよ。それにしても、ドジだね」
「えっ」
……ドジって、元はと言えば、前を見ずに飛んでいた向こうが悪いんじゃって、ムッとしたけど、ハイメくんの、意地悪で、馬鹿にするように呟いたにしては、宝石のような金色の目が、愛おしいものを見ているような優しい感じでこちらを見ていて、チグハグだけど、何故かキュンとしてしまう。
え、なんで今、キュンて……
初めての事で、何が何だか分からない。でも、心のふわふわしている感じ、イヤじゃないかも……
「緊急事態ほど、ちゃんと杖使わなきゃダメでしょ」
ハイメくんの正論で、ふわふわとした気持ちが静まる。
「はい。その通りです」
そう、魔法ってのは、杖を使った方が狙いが定まり、上手く使えるものだ。沢山練習した箒術とは言え、杖を使わずに魔法を使うのは、だいぶ難しい。特に私は魔法を使うのが苦手だから、杖が必要だった。
「気を付けなよ」
ハイメくんは、呆れるように呟くけど、その目は心配しているように見えて、またキュンとしてしまう。
えー、もー、なんだろう、この感じ。
あの日以来私の胸の中に、ハイメくんが居て、無意識で、ハイメくんのことを目で追ってしまう。今まで話したこと無かった彼を、興味なんて無かった彼を、知りたいって思う様になった。
何部に入っているの?
何が好きなの?
友達は、どんな人?
ハイメくんの事を考えている時、胸はふわふわして、彼の事を少しずつ知れるたびに、嬉しくなる。
だけど、ハイメくんが凄い人だって分かるたびに、自分の全部がダメな気がしてくる。
髪の毛をもっとお手入れして、可愛くなる努力すれば良かった。
優秀な彼と同じくらいになれるように、魔法の実践の授業をもっと頑張れば良かった。
そう落ち込んじゃうけど、ハイメくんの事が思い浮かぶと、頑張ろうって気持ちになる。
十三歳の私は、こんな気持ちが初めてで、何が何だか分からないけど、漫画とかドラマで見る、恋している女の子の悩みに似ているような気がする。
私は、今まで恋したことがないから分からないけど。
これって、好きって事なのかな。
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