ハイメくんに触れた

プロローグ

　そこは、エネルギーとして電気が有って、世界を飛ぶ飛行機が有って、みんなを繋ぐスマホが有って、摩訶不思議な魔法が有る世界。
　世界には、当たり前のように魔法を使うための力、魔力が満ちている。だからなのか、科学では解明できない不思議な事がいっぱいある世界だった。
　人間が居て、喋る植物が居て、魔法を使う獣が居て、妖精が居て、獣人や鳥人、人魚も居る。
　人間は数が多くて、妖精は魔法が得意。
　獣人は獣の特徴を持っていて、鳥人は翼を持っていて、人魚は海で暮らしている。
　何故、こんな特徴を持って生まれてきたのかは、まだ分かっていないけど、この五つの種族がヒトと呼ばれている。
　昔は、種族間での争いも有ったけど、みんな同じように言葉を使い、同じように心を持って、生きているのだ。今では、それぞれ得意な事を生かしながら、協力して暮らしている。
　こんな世界で魔法が沢山使える子供は、種族なんか関係無く、魔法を学ぶために魔法学校に通う。
　魔法学校で学ぶのは、生活に役立つ生活魔法。
　箒を使って空を飛ぶ、箒術。
　魔方陣を使って、物や動物を呼び出す召喚術。
　動物や物になる変身術。
　鉱石を作り出す錬金術。
　占星術やタロットを学ぶ占い学。
　他にも魔法を習う授業はいっぱい有るし、歴史や数学を学ぶ時間だって有る。
　魔法学校での出来事は、魔法があるだけで、他の学校と代わらない。学校で、学び、友達を作り、喧嘩して、壁を乗り越えて、成長していく。
　もちろん、恋をすることだって、有るのだ。