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第一章

35極みへの扉

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 あれから結構な日が過ぎて、1月ももう今日で終わってしまう。
体も大分動くようになり今日は前庭に散歩に来た。リリーが付き添ってくれている。

「今日は空が澄んでいて青いですね。空気が美味しいです」
「そうですね姫様」
「リリーはそういえば彼とはどうなったのですか?」
「婚約することになりました」
「ええっ!! おめでとうございます!」
「まだ両親にきちんと話はしてないのですが、来週うちに挨拶にきてくれるそうです」
「ねぇねぇ、リリー? 愛のお言葉はあったのですか?」
「はい……愛している、私の妻になってくれとおっしゃられました!」
「熱々ですね!」

 私がそう言うと、姫様だって熱々じゃないですか? と言われる。そうかな?
レイジェス様の事は好きだし、閨事もだからするんだけど、熱々って言うとそうなのか? 良く分からない。
ふいに門からパシンと音がした。


「何でしょう?」

 リリーが不穏な気配を感じてしゃがむ。メイド服のスカートを露にし太もものベルトに挿してあったサバイバルナイフを取り出した。
私はその洗練された一連の動作にびっくりしてしまった。
リリー? いつの間にそんな物を仕込んでいたんですっ!?

「姫様はこちらの噴水の影に隠れていて下さい。もし、わたくしに何かあればお屋敷に逃げてくださいね。絶対リリーの所に来ては行けませんよ?」

 リリーは私の両肩をがっしり掴んで瞳を見て約束させる。私は頷いた。
リリーがその音の方に歩いていくと太った男がいて揉めだした。
その男が何やら喚いて、リリーを突き飛ばした。リリーも負けずにサバイバルナイフで応戦しているが、どんどん押されていく。相手の男は魔術師らしくステータス異常の魔法らしきものを大盤振る舞いでリリーに掛けていた。リリーの素早かった動きが鈍くなり、やがて動きが止まった。

 リリーにはここから出るなって言われてる。
……でも、リリーの動きは止まって、サバイバルナイフを奪われて、腹の真ん中を目一杯蹴られている。このままじゃリリーが死んじゃう!
黙って見てられない!!

「リリー!!」
「来ては行けません姫様!!」

 私はリリーに駆け寄ろうとして体に電気の縄みたいな物を掛けられた、それが足に絡んでビリビリして痛い。

「きゃっ!」

リリーが太った男に殴り掛かって、魔法で吹っ飛ばされた。
何これ? なんでこんなことするの? 誰? この人?

 どこかで見たことがある人のような気がするけど、分からない。
リリーを助けに行きたくても両足が電気の縄でぐるぐる巻きなので行けない。
ずっとビリビリしてて痛いし、喉が渇く……。
手のある芋虫みたいに這いつくばってリリーの所に行った。

「リリー……」

 リリーの頭から血がでていて地面に広がっている。

「死んじゃう、リリーが死んじゃうよ!! なんでこんなことすんだああああ!!」

 私はその太って脂ぎった顔の男を睨んだ。許せない!

「はぁ……やはりあなたは近くでみるとお美しい。花のように綺麗ですなぁ」

 そう言って私に近寄ってくる、私にはレイジェス様のお守りがある。
私に触ったら燃えちゃうんだから!

「ん? お守りか」

 その男は杖を出して私の首のチョーカーに当てた。
パキン、パシンと音がしてチョーカーは首からぽとりと落ちた。

「え?」
「お守りは解除いたしました」

 私の背に冷たい汗が流れた。
その男は眠り玉を使いましょうか、と腰の袋から丸い玉を出し地面に強くなげた。
地面に投げつけたその場所から煙がもくもくと現れ、私は急激に眠くなってきた。眠くても、必死に目を閉じない様にするのが精一杯だった。
その男はもう一つ、皮袋から塗り薬を出し、指に取って私の喉の奥に塗りつけた。
男はそのあとすぐ私に舌を絡める口付けをし、私は唾液がたまって塗られた薬を飲んでしまった。

 男はもう一度その塗り薬を指にたっぷり付けて私の股にぐりぐりと塗りつけた。
装飾下着なので脱がせられなくて布に染みるようにたっぷりと塗られた。
すると私の体がおかしくなってきた。

 体の中心が熱を持って……私の大事な所……お股を触って欲しくなる。
今すぐそこを弄って欲しい! ……今までにない感情。
誰でもいい、今すぐ触って欲しい!
目の前にいる……この気持ち悪いおじさんでも……。
私は頭を左右にぶるぶると振った。


 正気に戻れ! 私!!
こんな変態じじいに!? どうしちゃったの……私!?
私はアメシストの指輪をしていた。
鼓動がおかしければレイジェス様が気が付いてくれるはずだ。

レイジェス様早く来て! リリーが死んじゃう! 私もなんだかおかしい!!
男がズボンを脱いで下を露にした。それはどす太くて黒い物で液を滴らせ、艶を帯びている。そして、その男の物はぼこぼこといやらしい形をしていた。

「私の物は真珠が埋め込まれていましてね……どの女もこれがイイと言うのですよ」

 男は脂ぎったその顔でにやりと笑い、足に絡めた電気の縄を外して私の股にそれを充てがった。早くきて! 助けて!
私がかなり朦朧としてきた時に「ここを誰の屋敷だと思っている!」
という怒号が聞こえた。レイジェス様が来てくれた。
朦朧としてるけど目の前にたぶんレイジェス様がいるんだろう。

「リリーを、リリーを……助け……て」

 そう言って私は眠りに沈んだ。




 私は浅い眠りの中にいた。
たぶんここはレイジェス様の部屋だ。

「リリーは助かった、私がパーフェクトヒールをした。大丈夫だから安心しなさい忍び込んだ男は神殿長であった。スティグマが現れ悪しき者に変わっていた。今はもう捕らえ、城の牢屋に入れてある」

 レイジェス様の声。

「そして……そのまま聞くように、今君は状態異常にある。媚薬による催淫の状態になっている……普通だったらミドルキュアで治るが……ギレス帝国産の媚薬は快楽の極みに達しないと消えない。達しなければその状態から良くなるのに二週間掛かる。……これから君を快楽の極みに導く」
「え……?」
「……案ずるな。快楽に身を任せればよい」

 まだ眠くて頭がぽや~っとしてるのにそんな事言われても頭が働かない。
服を脱がされてアクアウォッシュされてキスされた。
レイジェス様の舌がぬるぬるして気持ちいい。えっ? 気持ちいい!?
キスのあと舌先がすーっと乳首を舐める。吸う、んっ。
気持ちいい……。あれ? どうしちゃったの私。
レイジェス様の舌が私の秘所をすぅっと舐めて蕾を弄ぶと私の体、蕾からじんじんとする感覚が伝わる。

「……っん!」

 え? 声が勝手にでる事に驚いて両手で口を塞ぐ。
レイジェス様は気にせず私の蕾を舌先でぺろぺろと舐め上げる。
ぞぞぞっとする感覚に体が捩れる。

「んっ……っはぁ……!」

 どうしちゃったの私? レイジェス様が蕾の皮をそっと舌で捲り上げてぴちゃぴちゃ音を立てて吸う。ぶるっと体か震える。私は指の隙間からレイジェス様の顔を見つめた。それに気付いたレイジェス様の目はいつものアメシストだけれど、獣を狩る狩人のような目だった。

 私が見つめても変わらず、ぴちゃぴちゃと私の蕾は舐められ吸われ、レイジェス様の口の中で生々しく蠢いて…それがとてつもなく気持ちよくて、浮遊感が全身を襲う。怖い、私は急にそう思った。
この気持ちいいと感じるその先が怖いのだ。

「レイジェス様……お願い……やめて?」

 レイジェス様は片眉を上げて自分の髪を掻き揚げた。

「極みを超えなければ君の体は悶えて苦しいままだぞ?」

 レイジェス様は私の小さな乳首を舐め始めた。

「それでも……いいのです」

 乳首を指先で弄り始めてまた私の蕾を執拗に舐め始める。

「私は君に極みを知ってもらいたい……達して欲しい」

 レイジェス様は私の蕾をまた可愛がり始めて、私の愛液がとろっと流れた。

「ほら、君の体も喜んでいる」

 レイジェス様は愛液が出てきた私の秘所を執拗に舐める。自分でも信じられない位、だくだくと露が溢れてくる。

「ねぇお願い……わたくしは、まだ知りたくないの」

 それでもレイジェス様は私の体を愛し続けた。
私がもっと抵抗したならば、レイジェス様はやめてくれるかも知れない。
でも、私はレイジェス様が好き。
だから彼がやる全てのことを受け入れてきた。
今も彼は極みを知ってもらいたいと言う。私は知りたくないけど……。

 結局、私に彼を拒むなんて事は出来ない。
私はレイジェス様に身を任せる事にした。
私の蕾は舌で愛撫されすぎて硬く大きくなって熱を持った。
両足はぴんと張ってしまっている。秘所もぐちょぐちょだ。

「やる事はいつもと変わらない。ただ、今日は極みを知るだけだ。君の大事な蜜花は使わないし、君に痛い思いはさせない」

 私は気持ちよさで頭がぼーっとしていた。
レイジェス様の亀頭が私の蕾にあてられ擦り上げられる。体が甘くじんとする。

「ああっ! はっ……んっ!」

 私の涎を垂らした口の中にレイジェス様の舌が入ってくる。そのまま蕾の下の液の滴るところに亀頭はあてられまた擦り上げられる。

「んんんっ!!」

 お互いの液が絡み合い、レイジェス様の大きな陰茎で秘所や蕾全体を強くなすりつけるように擦られると私の張っている両足はさらにぴんと張り体が弓なりになって……私は叫んだ。

「ぁあああぁぁっ!!」

 体の中を電気が走ったように目の前がちかちかして光が弾けた感じがした。
私が叫ぶと亀頭の先から白濁の液が大量に私の顔に掛かった。
どろっとして生臭い。そして、少し苦くて……しょっぱい。
頭の中が、ただただ真っ白で何も考えたくなかった。
私はとうとう、快楽の極みを知ってしまった。

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