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第一章
20レイジェス様の一日 レイジェス視点
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今日の目覚めはあまり爽やかではなかった。
そんなに酒を飲んだわけでもないのに。
時間を見ると朝の9の刻半ばだった。
隣にはすぅすぅと寝息を立てている彼女がいる。
私はこの冬休みに入ってからというもの自分の箍が外れて行くのが怖かった。
何度も彼女に不埒なことをしておいて、彼女がそれを許すのも見越しておいて、それでも自分は男として、彼女を性的な対象として見ていないと硬い殻で自分を守っていた。
でも、その虚勢を張るのも、もう無理だと理解した。
認めたくは無い、だが認めるしかない。
私はこの隣で眠っている小さな女の子に性的な欲望を感じている。
それだけじゃない、気持ちも彼女の何もかもを自分の物にしたいと思っている。
ミドルキュアをした位じゃもう収まらなくなってしまって、ついに彼女に己の熱く滴るものを迸らせた。
エメラダの件で彼女が男と女の体の関係のことを知っていてぎょっとしたが、その内容まで知っているのか疑問だった。昨日の風呂での出来事を反芻する。
私の下着を脱がし始めた時は驚いてその手を止めてしまった。だが、彼女は気にする様子もなくそのまま私を裸にした。私の男の部分を見て少し驚いていたようだが、彼女は嫌な顔はしなかった。
むしろいつものように嫌じゃないですってば、と普通に言った。
私が前に洗ってやったからだろうか? 今日は自分が洗うと言い出して体を使って洗い出したときには正直、力が抜けた。彼女の胸や腹や股についた泡がそのすべすべな体と共に私の体をすうっと洗い上げて行くのは堪らなく快感で夢心地だった。私の体は歓喜に溢れ私自身が太く逞しくなるのを感じ、私は焦った。
彼女がまだ私の体の上にいたからだ。私の大きくそそり立った物が彼女の可愛らしい臀部に触れ彼女は振り向いて私の物を見た。でも、特にに気にもせずそのままするすると私を跨いだまま下がろうとして私の物が彼女の秘所に触れ、彼女の秘所がひくついたのが分かった。
そのまま彼女は私の太ももに跨ったまま私の陰茎や陰嚢を丁寧に洗った。
その小さな手は私の後ろの菊周りもきれいにした。
私は快感で成す術も無かった。
ただされるがままになって恥ずかしさで力が抜けた。
私が惚けていると彼女は泡を流し「大丈夫ですか?」と声を掛けてきたが気が抜けていて生返事しか出来なかった。
ふと彼女を見ると自分自身の体を洗い出してる。私がこのような腑抜けた状態になっていたから自分で体を洗っていたようだが背まで手が届かない。
私は起き上がって彼女の体を洗うことにした。
そして彼女の体に触れたい、と思った。
そう思ったらもう我慢出来なくなっていた。私は彼女の秘所に触れ、そこにある蕾を執拗に弄った。その可愛らしい蕾を指で弄るだけでなく舐めあげた。
彼女の秘所は甘いトウミの味と香りがした。
いつもトウミばかり食べているせいか? と思うが彼女のここは甘くていつまでも舐めたかった。だが、私の陰茎はもうはち切れそうに膨らんでいた。
私はそれを彼女に握らせる。
彼女の瞳を私は見つめた。嫌がる様子もない。
私は彼女の秘所に私の亀頭をあてると言った。
こくりと頷いた彼女に私は天にも昇る気持ちだった。
そして、彼女を誰にも渡したくないと思った。私は彼女の甘い香りのする陰部に己のぬめった亀頭をあてて、ここに私自身と汁を入れれば子が出来ると教えた。
私以外にこんなことを彼女にする奴がいたら堪ったものではない。殺してやる。
何度も私以外としてはいけないと教え込む。そして私はぬるぬるとぬめった亀頭を彼女に当てて腰を動かし彼女に抱きしめられて果てた。
彼女の股に私の白濁色の液体がだらりと垂れ艶かしく光っていた。
私はとても幸福感で一杯になった。
彼女を洗って綺麗にしてから風呂に一緒に入ると私に近づいていいかと聞く。
そんなこといちいち聞かなくてもいいに決まっているのに。
彼女を抱き上げて膝にのせたら、また硬くなっている私の部分に彼女の股が当たったが、微笑んでいたのを見て私はほっとした。
昨日の出来事を思い出して恥ずかしくなった。
隣に彼女が無邪気な顔で眠っているのを見て幸せを噛み締める。
ずっと一緒にいたい。
彼女の唯一人の人になりたい。それは結婚するということだ。
女が嫌いで近寄らせもしなかった私が結婚……?
そんな事で彼女を独占できるなら何の問題もない。
しかし、ふと考えた。彼女は8歳で天界から下界に来た。
当然人々の持つ籍などないだろう。
半神と結婚するにはどのようにしたらいいのだ? もうセバスに聞くしかないな。セバスであれば処理できるだろう。
ゼフィエルと入れ替わりで年初めの出仕からこの屋敷に来ることになっている。
来たら聞いてみるか。
「ふぁ……」
彼女がちいさな欠伸をした。目をこする。
「おはようアリア」
彼女がぱっと目を開ける。
「おはようございます、レイジェス様」
私はヘッドボードにクッションを挟んで上半身を起こし彼女を見ていたせいか
彼女が私に乗っかって抱きついてくる。
私を跨いでいるので寝巻きの裾が捲くれ上がり白い太ももが露になる。私はその裾の捲くれを直した。ぎゅっとくっ付いている。
「どうした?」
「いえ? 特に何も」
彼女の背中とお尻を抱きかかえている形になる。
「レイジェス様をぎゅっとすると落ち着くのです」
「そうか」
私も彼女の頭に自分の顔を埋める。
「今日はとことん、だらだらしたいです」
「とことんだらだら?」
「わたくし、今日は一日寝巻きで過ごします。やる気がしませんの」
「……それは昨日のせいか?」
「ええ昨日、一杯どきどきしちゃって疲れたって感じなのです。ちょっと疲れただけですよ? ……だからレイジェス様のせいじゃないの」
しょんぼりする。可愛い。
「昼食を済ましたら疲労回復の薬と鼓動をゆっくりにする薬を渡す。きちんと飲むように」
「このどきどき収まりますか?」
「うむ」
私の首に両腕を絡めてじっと瞳を覗いてくる。何を考えているかわからないが、その瞳はきらきら夜空に輝く星のように光っていて美しい。
「レイジェス様の瞳は綺麗ですね。まるでアメシストのようです」
と言ってふにゃりと笑う。
私は彼女をぎゅっと抱きしめた。
「ああ、ダメです、またどきどきして来ちゃった」
と自分の胸を押さえた。私は背中をぽんぽんとリズムを刻んで叩く。
「レイジェス様は実験で、わたくしにコモン様が色々するのはお嫌じゃなかったんですか?」
「嫌だったが仕方ない。庇護者の私では実験台にならないからな」
「年明けにザイードが実家のギレス帝国から米を持ってくると言っていたが、彼には気を付けてくれ」
「ちょっと胡散臭い方ですよね」
彼女は、はははっと笑った。
彼女がザイードの事をそのように思ってるとは思わなかった。
「だって、ザイード様はわたくしのこと、可愛らしいとか綺麗だとか素晴らしいとか女神だ! とか言う方ですよ? 持ち上げ過ぎですよ」
君はどれだけ自己評価が低いのだ? 実際半神で女神であるのは事実だし、可愛いし素晴らしい、可憐だし綺麗だ。私も褒め言葉しか浮かばない。実際口にすることは少ないが。
「3人も婚約者候補がいらっしゃるのに、その中から選ばずにわたくしに声を掛けるなんてちょっと酷いと思うのです。誠実じゃないし、胡散臭い人にしか見えないのです。でも、米を持ってきたらちょっと評価を高くしてさし上げます」
中々彼女は誠実であることに厳しいようである。まぁ、確かにそうだ。3人の中から選ぶべきだろうな。しかし、食が細くほぼトウミしか食べないような彼女がそんなに米が好きとは思わなかった。
「米で君の評価は変わるのか」
「このくらい変わります」
両手をいっぱいに広げる彼女。
「米の種を買い付けて、うちの領地で作らせるか?」
「えっ!? いいのですかっ!? 出来るなら嬉しく存じます!」
と満面の笑みで抱きしめられた。
これは米畑を作らねばなるまい。
ふむ……ギレス帝国か……子飼いの諜報の者を使うか?
わたしが策略を巡らしていると彼女は私を見上げた。
「レイジェス様、お願いがあるのです」
「ん?」
「わたくし、このお屋敷しか知らないので、街に行ってみたいのです」
「ん、そうだな。じゃあ、明日街をまわってみるか?」
わ~いと子供のようにはしゃぐ。ってか子供だったな。
私達はただ、だらだらと一緒の寝台でくっついてぎゅっと抱きしめたり、たまにキスをしたりうとうとして寝たりしてた。
気が付くと昼でオーティスが食事の支度が出来ていると伝えに来た。
私が寝巻きのままの姿で食堂に行くとセレネが目を丸くしていた。
彼女も私の後ろからひょこっと現れ寝巻き姿でいると彼女はセレネに向かって
「今日は寝巻きの日にしたんです」
と悪びた風もなく席についた。
セレネは険しい顔をしてこめかみを押さえていた。
本来なら淑女は寝巻き姿を自分の伴侶にしか見せてはいけない。男が寝巻き姿で屋敷内を歩くのも夜の相手の女を屋敷内で探しているように思われる、とんでもない行為である。
側仕え仕長で年配のセレネの表情が険しくなるのも私には分かる。
ただ、彼女の場合、そういう理屈は分かっていても屋敷内の人間は身内として考えている所があり、ゼフィエルやオーティスに見られても気にしていない所が困る所だ。
まぁ二人共男色の輩なので大丈夫と思うが、セレネからの
「ちゃんと姫様を教育してくださいね? わかってますよね?」
という視線が痛い。
私は彼女と寝巻きでだらだら過ごす素晴らしさが分かってしまってから、彼女に注意する気にもなれないのだ。セレネが直接言ってくれと思う。
食堂のテーブルは長く、両端に私と彼女が座っている。いつも思うのだが席が遠すぎる。
彼女は今日もトウミで終了だった。栄養を取るなら普通の食事をしても量が食べられないのだと、トウミのほうが栄養価として高いからどうしてもトウミのみになってしまうらしい。
唯一の彼女の栄養源なのでトウミは買い置きして冷蔵室にいつも入っている。
金銭的には一般から見ると結構するが私からするとはした金だ。
もういっそトウミ園を作るのも良いか。
今日はオーティスが彼女の給仕をしている。後ろを向いてオーティスに話かける彼女を見て気に入らない。オーティスは衆道だから採用したが、美形すぎる。
衆道だから彼女に興味が無くても、彼女がオーティスに興味を持つ場合もあるわけだ。それを考えるとつい、いらいらしてしまう。
食事を終えたあと彼女はまた私の部屋の寝台に行った。そして寝台の布団の中でだらだらと図書室から持ってきた本を読んでいる。
私も彼女と一緒にいたいので寝台に入った。
「今日は何を読んでる?」
「音楽の近代歴史です」
「ほぅ」
「この前、歌を歌った時にレイジェス様がとても喜んでくださったので、わたくし、歌を作ろうかなと思ったのです」
「君は歌も作れるのか?」
「たぶん? でも楽譜の書き方がこちらの世界と違うと思うので調べたかったのです」
「ふむ、なるほど、その本に君が知りたいことは載っていないかも知れぬ」
「ですね、パラっと見ましたけど」
「音楽の教師を雇うか、音楽の教師ならば女性が多い」
「そこまでしていただいて良いのでしょうか?」
彼女は不安そうな顔をした。
私が知ってる貴族の女達は驚くほど高額な宝石やドレス、贈り物を要求するのが当たり前なのに、彼女は自分から何も欲しがらない。
買ってやると言っても遠慮してしまう。
ドレッサーの件も私が追求して聞かなければ欲しいとは言わなかっただろう。
私はなんでも買ってあげたいのに……。
「私もリアの作る音楽を聴きたいから良い」
「じゃ、先生は女性が良いです。レイジェス様以外の男の人はちょっと怖いです」
私は嬉しくなった。
そして彼女を可愛がりたくなってしまった。自分の体の一部が熱い。
私は心の中でゆっくり数字を数え、そして収まらせる。
私は自分のことをずっと性的に淡白な人間だと思っていた。
だが違ったようだ。私はずっと女が嫌いだった。それには理由があった。
あれは私が12歳の時だった、当時いた父の第二夫人である義理の母に食事に睡眠薬と痺れ薬を盛られ、気が付いたら地下室の寝台に縛り付けられていた。そして体をあちこち弄られた。
あの女が化粧と香水の匂いで臭くて……どうしてもその匂いを嗅ぐと思い出して
……うんざりしてしまう。体のあちこちを弄られても私の体は清い。
化粧べっとりで、臭い女に一物が反応する男がいるわけがない。私は全然反応しなかった。義理の母は私の肉棒が欲しかったようだが、あの女の口の中に導かれてもぴくりともしなかった。
あの地獄から私を助けてくれた者がいた。当時の記憶が何故かあやふやで、たぶん、助けてくれたのはセバスだったと思う。そしてセバスの父親の所に連れて行かれた。当時セバスの父がアルフォード公爵家の家令をしていて、彼が私の父に訴状を申し立てたことにより第二夫人の行為が明るみに出た。
父は第二夫人を遠ざけ一年後に離婚となった。
そのあと女と接触したのは学生時代だった。
コモンとつるんでいたせいか、私も遊び人だと思われていたのだろう。
寄ってくる女達が何人もいたが所謂貴族の女だった。
口付けしようとしてきた女がいたが、余りの化粧臭さでつい、鼻を摘んでしまった。無理だった。
じゃあ、化粧臭くない女はどうなのか? と言うと特にどうでもない。事務所の女性たちは私に気を使って臭くなくしてくれているが、彼女達に心動かされることなど全く無い。臭く無い女ぐらいな認識しかない。
アリアのことはどうなのか? と思うと焦燥感に駆られるくらい自分の中では彼女への気持ちが膨らんでいる。こんな安定しない気持ちが恋なのか?
しかし、彼女といると癒されて安心感と幸福感にも満たされる。
いないと落ち着かない。しかも性的欲望まである。
だが、彼女は8歳だ。
今まで女と付き合えなかったり、関心が無かったのは私が幼女が好きだったからなのか? 他の幼女にもこんな風に私はなってしまうのだろうか……。
幼い子と接する機会が無いので分からない。
私は彼女だから体が反応し、いつまでも一緒にいたいと思ったのだと思っている。だから結婚したいと思った。といっても15歳にならなければ結婚できないが。
う~ん……。
「わからん」
つい独り言を言ってしまった。
「え?」
「ああ、ちょっと考え事だ」
「レイジェス様でもお分かりにならない事がございますのね?」
うふふと彼女は笑ったが……
君のことだよ、と突っ込みたくなった。
そんなに酒を飲んだわけでもないのに。
時間を見ると朝の9の刻半ばだった。
隣にはすぅすぅと寝息を立てている彼女がいる。
私はこの冬休みに入ってからというもの自分の箍が外れて行くのが怖かった。
何度も彼女に不埒なことをしておいて、彼女がそれを許すのも見越しておいて、それでも自分は男として、彼女を性的な対象として見ていないと硬い殻で自分を守っていた。
でも、その虚勢を張るのも、もう無理だと理解した。
認めたくは無い、だが認めるしかない。
私はこの隣で眠っている小さな女の子に性的な欲望を感じている。
それだけじゃない、気持ちも彼女の何もかもを自分の物にしたいと思っている。
ミドルキュアをした位じゃもう収まらなくなってしまって、ついに彼女に己の熱く滴るものを迸らせた。
エメラダの件で彼女が男と女の体の関係のことを知っていてぎょっとしたが、その内容まで知っているのか疑問だった。昨日の風呂での出来事を反芻する。
私の下着を脱がし始めた時は驚いてその手を止めてしまった。だが、彼女は気にする様子もなくそのまま私を裸にした。私の男の部分を見て少し驚いていたようだが、彼女は嫌な顔はしなかった。
むしろいつものように嫌じゃないですってば、と普通に言った。
私が前に洗ってやったからだろうか? 今日は自分が洗うと言い出して体を使って洗い出したときには正直、力が抜けた。彼女の胸や腹や股についた泡がそのすべすべな体と共に私の体をすうっと洗い上げて行くのは堪らなく快感で夢心地だった。私の体は歓喜に溢れ私自身が太く逞しくなるのを感じ、私は焦った。
彼女がまだ私の体の上にいたからだ。私の大きくそそり立った物が彼女の可愛らしい臀部に触れ彼女は振り向いて私の物を見た。でも、特にに気にもせずそのままするすると私を跨いだまま下がろうとして私の物が彼女の秘所に触れ、彼女の秘所がひくついたのが分かった。
そのまま彼女は私の太ももに跨ったまま私の陰茎や陰嚢を丁寧に洗った。
その小さな手は私の後ろの菊周りもきれいにした。
私は快感で成す術も無かった。
ただされるがままになって恥ずかしさで力が抜けた。
私が惚けていると彼女は泡を流し「大丈夫ですか?」と声を掛けてきたが気が抜けていて生返事しか出来なかった。
ふと彼女を見ると自分自身の体を洗い出してる。私がこのような腑抜けた状態になっていたから自分で体を洗っていたようだが背まで手が届かない。
私は起き上がって彼女の体を洗うことにした。
そして彼女の体に触れたい、と思った。
そう思ったらもう我慢出来なくなっていた。私は彼女の秘所に触れ、そこにある蕾を執拗に弄った。その可愛らしい蕾を指で弄るだけでなく舐めあげた。
彼女の秘所は甘いトウミの味と香りがした。
いつもトウミばかり食べているせいか? と思うが彼女のここは甘くていつまでも舐めたかった。だが、私の陰茎はもうはち切れそうに膨らんでいた。
私はそれを彼女に握らせる。
彼女の瞳を私は見つめた。嫌がる様子もない。
私は彼女の秘所に私の亀頭をあてると言った。
こくりと頷いた彼女に私は天にも昇る気持ちだった。
そして、彼女を誰にも渡したくないと思った。私は彼女の甘い香りのする陰部に己のぬめった亀頭をあてて、ここに私自身と汁を入れれば子が出来ると教えた。
私以外にこんなことを彼女にする奴がいたら堪ったものではない。殺してやる。
何度も私以外としてはいけないと教え込む。そして私はぬるぬるとぬめった亀頭を彼女に当てて腰を動かし彼女に抱きしめられて果てた。
彼女の股に私の白濁色の液体がだらりと垂れ艶かしく光っていた。
私はとても幸福感で一杯になった。
彼女を洗って綺麗にしてから風呂に一緒に入ると私に近づいていいかと聞く。
そんなこといちいち聞かなくてもいいに決まっているのに。
彼女を抱き上げて膝にのせたら、また硬くなっている私の部分に彼女の股が当たったが、微笑んでいたのを見て私はほっとした。
昨日の出来事を思い出して恥ずかしくなった。
隣に彼女が無邪気な顔で眠っているのを見て幸せを噛み締める。
ずっと一緒にいたい。
彼女の唯一人の人になりたい。それは結婚するということだ。
女が嫌いで近寄らせもしなかった私が結婚……?
そんな事で彼女を独占できるなら何の問題もない。
しかし、ふと考えた。彼女は8歳で天界から下界に来た。
当然人々の持つ籍などないだろう。
半神と結婚するにはどのようにしたらいいのだ? もうセバスに聞くしかないな。セバスであれば処理できるだろう。
ゼフィエルと入れ替わりで年初めの出仕からこの屋敷に来ることになっている。
来たら聞いてみるか。
「ふぁ……」
彼女がちいさな欠伸をした。目をこする。
「おはようアリア」
彼女がぱっと目を開ける。
「おはようございます、レイジェス様」
私はヘッドボードにクッションを挟んで上半身を起こし彼女を見ていたせいか
彼女が私に乗っかって抱きついてくる。
私を跨いでいるので寝巻きの裾が捲くれ上がり白い太ももが露になる。私はその裾の捲くれを直した。ぎゅっとくっ付いている。
「どうした?」
「いえ? 特に何も」
彼女の背中とお尻を抱きかかえている形になる。
「レイジェス様をぎゅっとすると落ち着くのです」
「そうか」
私も彼女の頭に自分の顔を埋める。
「今日はとことん、だらだらしたいです」
「とことんだらだら?」
「わたくし、今日は一日寝巻きで過ごします。やる気がしませんの」
「……それは昨日のせいか?」
「ええ昨日、一杯どきどきしちゃって疲れたって感じなのです。ちょっと疲れただけですよ? ……だからレイジェス様のせいじゃないの」
しょんぼりする。可愛い。
「昼食を済ましたら疲労回復の薬と鼓動をゆっくりにする薬を渡す。きちんと飲むように」
「このどきどき収まりますか?」
「うむ」
私の首に両腕を絡めてじっと瞳を覗いてくる。何を考えているかわからないが、その瞳はきらきら夜空に輝く星のように光っていて美しい。
「レイジェス様の瞳は綺麗ですね。まるでアメシストのようです」
と言ってふにゃりと笑う。
私は彼女をぎゅっと抱きしめた。
「ああ、ダメです、またどきどきして来ちゃった」
と自分の胸を押さえた。私は背中をぽんぽんとリズムを刻んで叩く。
「レイジェス様は実験で、わたくしにコモン様が色々するのはお嫌じゃなかったんですか?」
「嫌だったが仕方ない。庇護者の私では実験台にならないからな」
「年明けにザイードが実家のギレス帝国から米を持ってくると言っていたが、彼には気を付けてくれ」
「ちょっと胡散臭い方ですよね」
彼女は、はははっと笑った。
彼女がザイードの事をそのように思ってるとは思わなかった。
「だって、ザイード様はわたくしのこと、可愛らしいとか綺麗だとか素晴らしいとか女神だ! とか言う方ですよ? 持ち上げ過ぎですよ」
君はどれだけ自己評価が低いのだ? 実際半神で女神であるのは事実だし、可愛いし素晴らしい、可憐だし綺麗だ。私も褒め言葉しか浮かばない。実際口にすることは少ないが。
「3人も婚約者候補がいらっしゃるのに、その中から選ばずにわたくしに声を掛けるなんてちょっと酷いと思うのです。誠実じゃないし、胡散臭い人にしか見えないのです。でも、米を持ってきたらちょっと評価を高くしてさし上げます」
中々彼女は誠実であることに厳しいようである。まぁ、確かにそうだ。3人の中から選ぶべきだろうな。しかし、食が細くほぼトウミしか食べないような彼女がそんなに米が好きとは思わなかった。
「米で君の評価は変わるのか」
「このくらい変わります」
両手をいっぱいに広げる彼女。
「米の種を買い付けて、うちの領地で作らせるか?」
「えっ!? いいのですかっ!? 出来るなら嬉しく存じます!」
と満面の笑みで抱きしめられた。
これは米畑を作らねばなるまい。
ふむ……ギレス帝国か……子飼いの諜報の者を使うか?
わたしが策略を巡らしていると彼女は私を見上げた。
「レイジェス様、お願いがあるのです」
「ん?」
「わたくし、このお屋敷しか知らないので、街に行ってみたいのです」
「ん、そうだな。じゃあ、明日街をまわってみるか?」
わ~いと子供のようにはしゃぐ。ってか子供だったな。
私達はただ、だらだらと一緒の寝台でくっついてぎゅっと抱きしめたり、たまにキスをしたりうとうとして寝たりしてた。
気が付くと昼でオーティスが食事の支度が出来ていると伝えに来た。
私が寝巻きのままの姿で食堂に行くとセレネが目を丸くしていた。
彼女も私の後ろからひょこっと現れ寝巻き姿でいると彼女はセレネに向かって
「今日は寝巻きの日にしたんです」
と悪びた風もなく席についた。
セレネは険しい顔をしてこめかみを押さえていた。
本来なら淑女は寝巻き姿を自分の伴侶にしか見せてはいけない。男が寝巻き姿で屋敷内を歩くのも夜の相手の女を屋敷内で探しているように思われる、とんでもない行為である。
側仕え仕長で年配のセレネの表情が険しくなるのも私には分かる。
ただ、彼女の場合、そういう理屈は分かっていても屋敷内の人間は身内として考えている所があり、ゼフィエルやオーティスに見られても気にしていない所が困る所だ。
まぁ二人共男色の輩なので大丈夫と思うが、セレネからの
「ちゃんと姫様を教育してくださいね? わかってますよね?」
という視線が痛い。
私は彼女と寝巻きでだらだら過ごす素晴らしさが分かってしまってから、彼女に注意する気にもなれないのだ。セレネが直接言ってくれと思う。
食堂のテーブルは長く、両端に私と彼女が座っている。いつも思うのだが席が遠すぎる。
彼女は今日もトウミで終了だった。栄養を取るなら普通の食事をしても量が食べられないのだと、トウミのほうが栄養価として高いからどうしてもトウミのみになってしまうらしい。
唯一の彼女の栄養源なのでトウミは買い置きして冷蔵室にいつも入っている。
金銭的には一般から見ると結構するが私からするとはした金だ。
もういっそトウミ園を作るのも良いか。
今日はオーティスが彼女の給仕をしている。後ろを向いてオーティスに話かける彼女を見て気に入らない。オーティスは衆道だから採用したが、美形すぎる。
衆道だから彼女に興味が無くても、彼女がオーティスに興味を持つ場合もあるわけだ。それを考えるとつい、いらいらしてしまう。
食事を終えたあと彼女はまた私の部屋の寝台に行った。そして寝台の布団の中でだらだらと図書室から持ってきた本を読んでいる。
私も彼女と一緒にいたいので寝台に入った。
「今日は何を読んでる?」
「音楽の近代歴史です」
「ほぅ」
「この前、歌を歌った時にレイジェス様がとても喜んでくださったので、わたくし、歌を作ろうかなと思ったのです」
「君は歌も作れるのか?」
「たぶん? でも楽譜の書き方がこちらの世界と違うと思うので調べたかったのです」
「ふむ、なるほど、その本に君が知りたいことは載っていないかも知れぬ」
「ですね、パラっと見ましたけど」
「音楽の教師を雇うか、音楽の教師ならば女性が多い」
「そこまでしていただいて良いのでしょうか?」
彼女は不安そうな顔をした。
私が知ってる貴族の女達は驚くほど高額な宝石やドレス、贈り物を要求するのが当たり前なのに、彼女は自分から何も欲しがらない。
買ってやると言っても遠慮してしまう。
ドレッサーの件も私が追求して聞かなければ欲しいとは言わなかっただろう。
私はなんでも買ってあげたいのに……。
「私もリアの作る音楽を聴きたいから良い」
「じゃ、先生は女性が良いです。レイジェス様以外の男の人はちょっと怖いです」
私は嬉しくなった。
そして彼女を可愛がりたくなってしまった。自分の体の一部が熱い。
私は心の中でゆっくり数字を数え、そして収まらせる。
私は自分のことをずっと性的に淡白な人間だと思っていた。
だが違ったようだ。私はずっと女が嫌いだった。それには理由があった。
あれは私が12歳の時だった、当時いた父の第二夫人である義理の母に食事に睡眠薬と痺れ薬を盛られ、気が付いたら地下室の寝台に縛り付けられていた。そして体をあちこち弄られた。
あの女が化粧と香水の匂いで臭くて……どうしてもその匂いを嗅ぐと思い出して
……うんざりしてしまう。体のあちこちを弄られても私の体は清い。
化粧べっとりで、臭い女に一物が反応する男がいるわけがない。私は全然反応しなかった。義理の母は私の肉棒が欲しかったようだが、あの女の口の中に導かれてもぴくりともしなかった。
あの地獄から私を助けてくれた者がいた。当時の記憶が何故かあやふやで、たぶん、助けてくれたのはセバスだったと思う。そしてセバスの父親の所に連れて行かれた。当時セバスの父がアルフォード公爵家の家令をしていて、彼が私の父に訴状を申し立てたことにより第二夫人の行為が明るみに出た。
父は第二夫人を遠ざけ一年後に離婚となった。
そのあと女と接触したのは学生時代だった。
コモンとつるんでいたせいか、私も遊び人だと思われていたのだろう。
寄ってくる女達が何人もいたが所謂貴族の女だった。
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じゃあ、化粧臭くない女はどうなのか? と言うと特にどうでもない。事務所の女性たちは私に気を使って臭くなくしてくれているが、彼女達に心動かされることなど全く無い。臭く無い女ぐらいな認識しかない。
アリアのことはどうなのか? と思うと焦燥感に駆られるくらい自分の中では彼女への気持ちが膨らんでいる。こんな安定しない気持ちが恋なのか?
しかし、彼女といると癒されて安心感と幸福感にも満たされる。
いないと落ち着かない。しかも性的欲望まである。
だが、彼女は8歳だ。
今まで女と付き合えなかったり、関心が無かったのは私が幼女が好きだったからなのか? 他の幼女にもこんな風に私はなってしまうのだろうか……。
幼い子と接する機会が無いので分からない。
私は彼女だから体が反応し、いつまでも一緒にいたいと思ったのだと思っている。だから結婚したいと思った。といっても15歳にならなければ結婚できないが。
う~ん……。
「わからん」
つい独り言を言ってしまった。
「え?」
「ああ、ちょっと考え事だ」
「レイジェス様でもお分かりにならない事がございますのね?」
うふふと彼女は笑ったが……
君のことだよ、と突っ込みたくなった。
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