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23 【番外編】二人、両親になる 前編

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 季節は8月を迎えていた。
結婚式を済ませ、私はエドのお屋敷で一緒に住むようになっていた。
エドと一緒にお風呂に入りながら、先程の食事後の話を思い出していた。





 食後の紅茶を飲んでいると執事のスコットさんがエドに言った。

「ご結婚もなさったんですし、そろそろお子様の事も考えてはどうかと思うのですが?」

 エドはすぐに私の顔を見た。少し照れたように言った。

「それは私にだけ言っても仕方無いだろう? ティスだってもう少し二人きりの新婚生活を味わいたいよな?」
「え? ……ええ、まぁ」

 正直言って、結婚式のときにイアンが連れていた養子の男の子が凄く可愛らしくて、『子供のいる生活っていいな』なんて軽く考えていた。
けど、養子を貰うって事は、その子はこのゼーゼマン男爵家を継ぐ事になる。養子になる側にも相当プレッシャーだろうし、跡継ぎとして教育をするのは私なんだろうなと思うと、事はそう簡単に決められる事では無い。

 ちなみに、私もエドの籍に養子として入り、息子という事になっている。もう一人養子を取れば表面上では二人の間の子供でも、私とその子は籍の上では義理の兄弟になる。プリストンではそんな方法でしか籍を一緒に出来ない。
ギレス帝国ではちゃんと男同士でも籍を入れる事が出来るし、そんな二人の間の養子はちゃんと二人の息子として籍に登録される。
プリストン王国とは全然違う。

「二人だけの生活に慣れてしまえば、子供の必要性を感じなくなる場合もありますからね。特に、貴方達二人には子供が出来ないんですから……」

 スコットさんが言った言葉で申し訳無く感じてしまった。
スコットさんは別に男同士の恋愛や結婚についてどうこうは言わない。今言ったのも単に執事として、『跡継ぎの事をきちんとして欲しい』という考えからで、私とエドの事を非難しているわけじゃない。それは分かってるんだけど……。

「分かったから、二人にしてくれ、ほら、厨房で誰か呼んでるぞ?」
「……失礼します」

 スコットさんは一礼して厨房へ行った。誰も呼んでないのに。

「大丈夫? ティス、スコットの言った事は気にしなくていいからね?」
「気にしてないよ。大体私が女性で子供を産めたとしても、エドは女がダメじゃないか。だから落ち込む必要なんてないのは分かってるから」
「その割には気分が沈んでいるようだけど……?」
「まぁ、育てるのは私になるだろうから、責任重大だなぁ……って思ってさ」
「……」






「実はこんな物を買ってしまいました~」

 エドの声で我に返った。
二人で体の洗いっこをしたあと、エドが私に見せたのは、グレーロック城のお風呂にもあったクッションマットだった。

「それって」
「グレーロック城で致した時に、ティスが気に入ってたんで買ってしまいました」
「も~! エッチだなぁ! エドはっ!」
「エッチなのは私ではないですよ? ティスがあの時『うちのお風呂にもあれば、床でしても痛くないのにね?』なんて言うからですよ。もう興奮してしまいましたね。やはりティスはエロくていやらしい子です。さすが私の嫁!」
「褒められてるんだか、貶されてるんだか分からないよ」
「めちゃめちゃ褒めてます!」

 表情筋の死んだ顔で言ったあと、マットを床に敷いて私を呼んだ。

「おいで、ティス」

 私がエドの側に行くと、エドはごろんとマットの上に横になった。そして私を引っ張り上げて自分の体の上に乗せた。お尻にエドの一物がつんと当たった。
お尻に当たるのが落ち着かなくてそれを跨いで下がった。
エドの肉棒が丁度私の手前に来たので、両手で自分の物ごと扱き上げる。
最初は優しく、ゆっくりと、段々早くリズミカルに扱くとエドの頬が紅潮していた。

「んっ、ふぅ~っ、そんなにしては達してしまいます、ティス」
「エドは1回出したくらいが丁度いいんだよ」
「どうせ射精すなら全てティスの中に! そして孕ませます!」
「どう間違っても孕まないから、安心して?」
「ううう、ティスが冷たいです。夢ぐらい見たっていいじゃないですか~」

 そんな事を言ってると、エドの物が萎れてきたので私は体勢を変えた。
ずずっと下の方に下がって、エドの亀頭をぱくっと頬張った。

「うっ」

 ちゅぱちゅぱと先を吸って、亀頭の割れ目を舌先を尖らせて責める。
両手で陰茎を少し強めに擦り上げ、頬がへこむ位亀頭を吸い上げるとエドの呼吸が荒れてきた。

「はっ、はっ、はっ、ううぅっ」

 エドの陰茎はカチカチに硬くなって太くなり、血管が凄く浮いていた。
この大きさにはびっくりする。私は両手でそれを扱きながら頭を上下させた。吸い込みながら口の中で亀頭の先をぺろぺろと舌先で弄り捲くる。

「あっ、ティス、凄いぃ、いい! きもち……いっ、あああっ!」

 喉の奥の方までエドの精液が流れ込んできた。そのまま反射で飲み込むと鼻から少し垂れてきた。それを手の甲でぐっと拭うとエドはほうけた顔で私を見ていた。

「何? こっち見てんの?」
「ティスのたまに見せる男前な所がカッコイイなと思いまして」
「そう、エドもたまに可愛いところあるよね。ぎゅってしたくなる」
「していいですよ?」

 そう言って私に両腕を広げた。私はそこにゆっくりと自分の体を預ける。

「ティスは抱きしめるのに丁度いいサイズだ」
「それって、エドより背が低いって言いたいの?」
「いやいや、可愛らしいなと思ってるだけですよ。他意はありません」
「エドの……挿れたい」
「ゼリーを塗らないと」
「取りに行くのめんどい」
「もう私の頭の上辺りに用意してありますよ」
「随分用意がいいね? ふふっ」
「ティスはそのまましちゃう時が多いでしょ、体に負担がかかるのに……だから、マットを用意した時に持ってきました」
「そっか、ありがとう、エド」

 私はエドの頬にちゅっとキスをして、近くにあったゼリーの小瓶を手に取った。
手に垂らして自分の後ろの穴に塗りつけたあと、余った液をエドの物に擦り付けた。
エドのは出したばかりなのに、すぐに元気になっていて、それをぎゅっと掴んで自分の入り口に押し当てた。ぎゅぽっと音がして、じゅぷっ、ぬぷっと狭い穴に液体と肉壁が擦れる音がした。
じゅぷじゅぷじゅぷ、っと音がして最後まで入りきった。
と言っても、エドの半分とちょっとしか受け入れられてない。ここで精一杯だ。

「頑張っても全部入らない」
「無理しないで下さい」
「全部入らないと気持ちよくないでしょ?」
「そんな事ないよ。私の性感帯は先の方に集中してるからね」
「エド、下になってもいい? 上で動いて貰ってもいい?」
「もちろん!」

 エドはそう言うと、むくっと上半身起き上がり、私の背を優しく持ってそのまま押し倒した。繋がったまま器用に素早く体勢を変える。
両足をエドの肩に掛けられて、わざと浅く突かれた。

「ティスは体が柔らかいね。こんな体勢も出来ちゃうんだから」
「浅い所きもちぃい……」
「ここでしょ? このコリコリした所」
「んっ、そこ。エドので突いて」
「よしよし、つんつん突くぞ~」

 エドは私の髪を撫でたあと、キスをしながら私の穴をつんつんと優しく浅く突いた。
大きな物で優しく突かれて、自分の亀頭から先走り汁がたらりと溢れてきた。
エドは私の陰茎を手で弄っていたけど、私はその手を止めた。

「中だけでイキたいから、そこは弄らないで?」
「……!! ティス、だめだ、私の嫁が可愛すぎるっ!」
「えっ、あっ、んんっ、急に、あんっ! 激しすぎっ!」

 優しく動かされていた腰が、ぎゅいいんと力強く突き上げられて、びゅるるっと私の亀頭から白濁の液が飛び出した。それはエドの腹に掛かり、ぬらぬらとしていた。

「もぅ、出ちゃったじゃないか……」
「まだイってないでしょ」

 エドは止まらずそのままズシン! と奥まで突き上げた。

「太いところ、またこすれてるぅうっ」
「それがいいんでしょ? ティスは」
「うん、すごい、いいっ!」

 両足を肩に掛けられてるせいか、奥深くまでエドが入って来て正直苦しい。でも、その苦しさもいつの間にか慣れてしまっていた。そして、それは快感に変わっていた。エドの先から溢れている液が滑りを良くしてくれている。
風呂場でお互い肌が濡れていたせいか、エドが腰を動かして私を突くたびに、ぱん、ぱん、ぱんと肌のぶつかる音が風呂場に響いた。

「しゅ、しゅごい音、ぱんぱん、言ってる」
「ティスを突いてるからね、いい音だ」
「キス、キスして、エドぉ……!」
「んっ、体勢大丈夫? 痛くない?」
「体柔らかいから平気」

 私は入って来たエドの舌をちゅうちゅうと吸った。
エド、エド、エド……、大好き!
エドの首に両腕を絡めると、ヒクヒクする穴が勝手に締まった。
キスしながら凄く感じてる顔をするエド。いつもは無表情のくせに、いやらしい事をしてる時は、表情が素直に出ている。
まだキスをしながら、エドの垂れてきた前髪をすっと上げて、唇を離して言った。

「エド、大好きだよ。どうせなら、エドみたいな金髪の子がいいなぁ……」
「……!!」

 エドの呼吸がまた荒れてはっ、はっ、はっ、って声と共に耳元に吐息がかかり、私の首筋に吸い付くエドの唇。もう私の穴はぐじゅぐじゅに蕩けていた。エドの我慢している液と、私の先走りの液が混ざって動物の雄のような匂いがする
その香りに興奮した。
エドも興奮してるようで、ねじ込むように腰を打ちつけられる。
そのたびにチカチカと目の前を星が舞った。ぐずぐずに蕩けたそこから湧き出て溢れてくる液。エドは私の首に両腕を回して固定したかと思うと、がつがつと突き上げた。奥まで深くエドの物が突き刺さって、体がふわっと浮いた気がした。

「だめ、きちゃう! いっちゃうから! 激しすぎだってばああっ!」
「ティス、大好きだよっ! 愛してる! 私の可愛い奥さん!」
「イっちゃう! はぁっ、ふぁああっ、んぐうううっ!」
「我慢しなくていいよ! イキなっ! 私もいくから、ティス、ティス!」
「お尻、きもちいいいぃ゛っ! らめえええっイクっ! いぐうううぅっ!」
「私も射精すよっ! ティス、愛してるうううっ!」

 エドの精液が、どぷっと中で大量に出された。私は中でイってしまってそのままくたっとなった。エドは私とまだ繋がったままで、私を抱きしめた。

「週末になったら神殿に行きましょう? 子供達を見に」
「でも、私は……育てる自信ないよ? ちゃんと育てられるか不安だ」
「何のための夫夫ふうふですか。二人で育てれば何とかなりますよ。二人の子なんだから」
「……『貴方一人に重たい荷物は持たせない』でしたっけ……?」
「いいえ、この場合は『重い荷物も二人で持てば軽い』かな?」

 私はちょっと目を見開いた。
そんな私の髪をエドが撫でる。二人で微笑み合った。





 土の日の昼の11の刻、私達は王都の神殿にいた。
応接室にて神殿長である、フォルカー=フィンク侯爵と面接していた。
養子を取るにはその人となりを神殿長に認めて貰い、書類にサインを頂かないといけない。私達は緊張しながらもフィンク神殿長と話をしていた。

「では、ゼーゼマン男爵家の跡取りとするつもりで養子を取るということですね?」
「はい、そのつもりです」

 エドが緊張して額に汗を掻いていたので、ハンカチで拭いてあげた。フィンク神殿長はそれを見たあと、身上書と戸籍書類に目を通して訝しげに私達を見た。
フィンク神殿長は白い詰襟の豪華な神官服に身を包んでいた。髪は薄い水色で私の髪色と少し似ている。目元は涼しげな切れ長の眼で、髪色と同じ睫が長い。瞳は深紅色だ。年齢は20代後半くらいか? この若さで神殿長になるとは、凄くやり手なのかも知れない。

「……エドアルドさん、貴方には既に養子に取っている息子さんが一人いらっしゃるようですが、彼には跡を継がせないんですか? 本来は長兄が跡を継ぐのが当たり前ですよね?」
「そ、……それはちょっと事情がありまして……」

 エドが口ごもってしまったので私が変わりに言うことにした。

「気持ち悪いと思われると思いますが、私は彼の妻として養子になってます。だから、ゼーゼマン男爵家を継ぐ気は無いんです」

 私がはっきり言うと、フィンク神殿長は大して驚くでもなく言った。

「なるほど、そういう事でしたか」
「男色家であることは養子を取るのに不利になるのでしょうか?」

 エドが聞くとフィンク神殿長は首を横に振った。

「今までの他の神殿長達については知らないが、私は愛し合う者達にタブーは無いと考えています。お互い愛し合う事は素晴らしい事ですよ。例えそれが男同士であっても、女同士であっても、年の差があってもね。だから不利になる事なんて何も無いですから、どうぞ安心して下さい」

 エドはほっとして胸を撫で下ろしていた。

「では赤子室に行きましょうか。0歳から3歳までの子がいます。やはり愛情を持って育てるのであれば、小さな頃からの方が良いでしょう」
「「はい」」

 私達が応接室を出ると、すぐにエドが言った。

「あ、すいません、少々緊張していたみたいで、花を摘みに行きたいのですが」
「花畑は右手の廊下を真っ直ぐ行って突き当たりです。赤子室は左手の廊下を真っ直ぐ行って突き当たりなので、道は分かりやすいと思います」
「では花畑を出たら真っ直ぐに行けばいいだけですね、道は分かったのでお先にお二人でどうぞ」
「分かりました」

 エドは急いで花畑に向かっていた。相当我慢していたっぽい。
フィンク神殿長は歩き出すとすぐに止まった。そして私をじろじろと見る。
なんだろう? この視線は。

「君は美しいね……。この髪色、私と少し似ているが、君のは白味を帯びていて、私の色よりも優しく見える」

 私の髪に手を伸ばし毛先に触れられた。
似たような髪色をしてるし、珍しい色だから触りたかったのか? と思った。

「子供の髪色に希望はあるかい?」

 フィンク神殿長の指先が私の髪から離された。

「できれば、夫と同じような白味を帯びた金髪の子がいいです」
「ああ、男の子で一人いる。まだ生後7ヶ月くらいだったかな?」

 そんな話をしながら歩いていると赤子室へ着いた。部屋の中には赤ちゃん用の大きな寝台に赤ちゃんが10人程一緒に寝ていた。その周りで絨毯の上をはいはいしている赤ちゃんや、玩具で遊んでる少し大きな子もいる。子供の面倒を見ているシスターは2人いた。交代制で全部で5人いると説明された。

「ああ、この子だ」

 フィンク神殿長は赤ちゃん用の寝台で、目覚めていた一人を抱き上げた。そして、その子を私に渡してきた。

「ほら、ちゃんと抱っこして上げて下さい」
「えっ、はい」

 子供は白味を帯びた金髪で、毛がまだ細くほわっとしている。美しい澄んだ青い瞳をしていて、瞳の色はエドより少し薄い青だ。桜色の頬に唇。笑顔できゃっきゃと私に笑いかける。
凄く可愛らしい子だった。
私の胸元を掴んでお乳を探している。

「お乳が欲しいみたいですね。少し吸わせて上げると良いですよ」
「えっ? 出ませんよ!」
「ミルクはさっきやったばかりの様だから、単に吸って満足したいんでしょう。ほら」

 フィンク神殿長は、赤子を抱いていて手が離せない私のシャツのボタンを器用に上から外して行った。シャツの下に下着を着ていない私は、はだけられると胸の突起が見えて恥ずかしかった。

「綺麗な桜色をしているね……」

 そう言ったあと、赤子の口を私の乳首に近づけると、赤子は凄い勢いでそれを吸った。

「あっ、んっ」

 思ったよりも吸う力が強くて痛かった。紅葉のように小さな両手で私の平らな乳房を揉み、一生懸命乳首を頬張るその姿が可愛らしかった。

「一生懸命吸っているね。美味しいのかな?」
「お乳なんて出ないのに……」

 赤子は吸うのに疲れたのか、口を離して一休みした。自分の乳首を見ると、ぷっくりと赤味を帯びて勃ち上がっている。

「……なんて厭らしい乳首なんだ。とても可愛らしいね」

 そんな事を言われて思わずフィンク神殿長を見ると、妖しげに微笑みかけられた。
なんか変だと思ったら……分かった、この人は男色家だ。
微妙にセクハラしてくるけど、どう対処していいのか分からない。
拒否してしまうのは簡単だけど、養子の件もあるし……。
一休みした赤子はまた私のお乳を吸い始めた。出もしないのに、ちゅっちゅ、ちゅっちゅと揉みしだきながら乳首を吸っている。

「今日、連れて帰りますか?」
「えっ!? 良いんですか?」
「許可を出すのは私ですから」

 私がどうしよう? と考えているとやっとエドが来た。

「ティス、遅くなってすまない。おっ、ティスのおっぱい吸ってるその子、可愛らしいですね」
「エドにちょっと似てるよね? 凄い勢いで吸い付いてきて、ちょっと痛いくらいだよ」
「私はそんな痛く吸いませんよ?」
「そうじゃなくて、見た目だよ! 髪の色とか、瞳の色がエドと似てるんだ」

 私がそう言うと、エドは抱いてる赤子の顔を見た。おでこを指で押して瞳の色を見ようとしていた。エドが強く額を押すから乳首が口から離れてしまって、赤子はんぎゃ、んぎゃと泣いた。

「あああ、もぅっ! エド、泣かせちゃダメですよっ、まったく」

 私はエドの指を手で持って外した。すると赤子はまた乳首にちゅうちゅうと吸い付いて、安心したような顔をした。
それをフィンク神殿長が見て言った。

「赤子はもう君のおっぱいに慣れてしまった様だね。安心した顔をしている」
「……うん、凄く安心した顔してる」
「これだけ慣れているなら、許可を出しても良いと思います。二人の人となりも見ましたし、どうします? ゼーゼマン男爵、本日連れ帰りますか?」
「良いんですか?」
「大丈夫です。養子縁組の書類にサインして頂ければ、許可を出すのは私ですから。それと、この子はまだ戸籍に名前が記載されてません。なるべく早めに幼児福祉課で名前の登録をお願いします」
「分かりました」

 エドがそう言って、私は戸惑う。私はこの子でいいと思うけど、エドはどうなのか?

「ねぇ、エド、本当にこの子でいいの? 自分で選ばなくてもいいの?」
「ティスは、白味を帯びた金髪の子が良いって言ってたでしょ? その子はそうだし、何よりティスの事を好きだと思ってくれてそうだよ? 吸い付いて離れないのを見るとね?」
「うん、凄い吸い付き」
「じゃあ、この子に決めよう?」

 エドがそう私に言って、決心が固まった。

「うん、二人で育てよう!」

 私達はその日のうちに養子縁組の手続きをして、赤子をお屋敷に連れて行った。


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