【BL】青い空の下で……【R18】

14 あっちも凄かった

「本当に無理だよ……痛そう、怖い」

　私が泣きそうになっていると、彼は私の膝を撫でた。

「まぁ、痛くないように慣らします。それでも痛かったら言って下さい？　止めますから」
「本当に止める？」
「ええ」
「止められなかったら？」
「止められますよ、ちゃんと。貴方が痛いのは私も嫌ですから」
「……分かった。本当に、……優しくしてね？　エド」

　私が起こしていた上半身をボフッっと寝台に沈めると、彼は固まっていた。
……ん？　何でだ。
気を取り直したように私の入り口をマッサージしながら、臍へそを舐めた。
そこから舌を這わせて、胸の突起の周りを舌先で弄る。

　何これ、……くすぐったい。

　胸の突起を痛いくらい吸ったかと思えば軽く噛まれ弄もてあそばれた。その間も大事な所は丁寧に揉み解されて、指がつぷっと挿し込まれた。そこを拡げるように縦に横にと撫でられて、私の入り口はどんどん柔らかくなっていった。
指が二本に増やされて、左手はいつの間にか私の陰茎を優しく愛撫していた。
気持ちがいいんだけど、優しい愛撫は苦手だ。
どうせ触るなら、もっとがっつり触って欲しい。
指が三本に増やされて、少しきつかった。イアンとは別れて結構経つし、一人で自慰をする時は後ろは使ってなかった。ここに誰かを受け入れるのは久々だった。

　穴で三本の指を開いて、そこを拡げられた。凄く開かれた気がするけど、痛くは無かった。

「もういいと思います。挿れますよ」

　狭くて窮屈な輪を、硬くて熱い塊が通ろうと、ぐっと突き進んできた。

「……あんた大きすぎ！」
「こればかりは生まれつきなんで、サイズ調整できません。……すいません」
「はっ、はっ、」

　ギチギチと押し拡げられる入り口。かなり慣らしてくれたから痛くは無いけど、入ってきてすぐに私の良い所に当たった。ぐっと押し進まれて、そこにトンと触れた途端、情けなくも射精した。

「えっ？　えっ？　なんで!?」
「あぁ……可愛いなぁ、ティス」

　彼は腹に掛かった私の液を気にする事もなく、私にキスをしてきた。絡められる長い舌。粘っこいキスは私への執着を感じた。

「ティスの良い所はもう分かったから、覚悟して愛されて下さい？」
「え？　それ、どういう……」

　どういう意味？　と聞こうとして、自分の感じる浅い所をにゅぷにゅぷと何度も突かれた。さっきは何の前触れも無く達してしまったけど、今度はちゃんと気持ち良いのが持続してる。私がそこを見ると、窮屈な狭い穴を大きな物が浅く出入りしていた。亀頭ともうちょっとくらいが私の中に入っていた。
当然、全部挿入できるわけがないと思っていたけど、先の方だけで彼が満足出来るのか不安だった。

「大丈夫ですよ、そんな顔しなくても。これはまだ前戯だから」

　そう言うと腰を浅く動かしながら、右手で私の陰茎を愛撫し始めた。左手は自分の、私の中に入らない部分を扱いている。

「ああ、とても良いよティス」

　心なしかその表情はにっこりしているように見えた。
そんな顔を見てしまったからか、私の中の官能が呼び起こされた。硬い肉棒の先が当たるところがじんじんして、亀頭の先から厭らしい液が根元まで垂れていた。
まるで涎のようで見っともない。そこを優しく愛撫している彼に、私が感じているのがばればれで、恥ずかしくて恥ずかしくて堪らなかった。
でも快感は止められない。無意識にがくがくと体が震えてた。

「エド、来ちゃう、気持ちいぃの来ちゃう！」
「我慢しなくていいですよ。達して下さい」

　ぎゅっと抱きしめられて耳元で囁かれるとゾクゾクした。

「はっ、はっ、んんっ、あっ、あっ、イ、……イクぅううう！　だめぇ！　イっちゃうっ！　んぁああああっ！」
「ティスの善よがる姿、可愛いよ」

　精液は出なかった。中で感じてイったからだと思う。大声を出して達してしまって恥ずかしかった。彼が私をじっと見る。

「中イキ出来るんだね？」
「……雌イキする淫乱て言いたいんですか？」
「中イキする貴方を可愛いと思っただけですよ？　他意はないです」
「本当に？」
「本当に。……さて、貴方を2回イかせた事ですし、私もそろそろ本気を出しますね？」
「え？」

　と思った瞬間、両膝を持たれて思いっきり足を広げられた。そして腰を押し進める。
浅い所から深い所へ、どんどん彼の肉棒は私の体に吸い込まれるように挿入された。

「んんっ」
「はぁ～……温かいよティス、貴方の中。窮屈で狭いのも堪らない。襞ひだが少なくてつるっとしてるが、ふわふわだ」
「きついってば！」
「でも、痛くないでしょう？」
「痛くないけど……」
「力まないで、ほら、私を追い出そうとしてる」
「わざとじゃない……」

「分かってますよ。貴方は私を受け入れてくれた。凄く嬉しいんです。今幸せで凄く嬉しいんです」
「そんな事言ってる割りに、顔が全然無表情なんだけどっ!?」
「まぁ、これは生まれつき？」
「んなわけないでしょうが！」
「ティス？」
「何ですか！」
「好きだよ」
「……今言う所かそれ！」
「じゃあ、動きますね」

　太くて長いそれが、私を貫き、じゅぷじゅぷ音を立てながら快感の波を引き起こす。寄せては返す波のように、大きく腰が打ち付けられる度たびに、びりびりと体の中心に電気が走ったかのようにがくがく揺れる。

「だめ、それ、だめだから！」
「まだ動いて間もないですよ？　我慢して」

　我慢してと言われて、また無意識に我慢していた。
けど、やっぱり体が反応しすぎてだめだった。

「エ、ド……、溶けそう、体溶けちゃう……、んっ、んっ、」
「我慢してくれてありがとうございます。じゃあ、軽くイキましょうか。私も」

　彼は私の首に自分の腕を絡めて、がつがつと突いた。
その一突きは、彼の長さのせいもあり凄く深い。一番太い所が丁度前立腺に当たって、今まで感じた事が無いくらいの快感が湧いた。

「ひぃっ、くっ、ぁああっ、射精でるっ、イクっ、イっちゃうあああ、気持ちいいいぃっ！　よすぎぃいい！」
「ああ、ティス！　愛してるよ！　必ず結婚しよう！」
「するっ！　けっこんしゅるうううっ!!　エド大好きぃいい!!」
「私もイクっ、うううっ、ティス！」

　二人で達する時に舌を入れるキスをした。私の中で彼の物が弾けた感覚があった。凄くひとつになれた感じがして、安心感に包まれた。
気がつくと、私が射精した液が彼のお腹にまた掛かっていた。

「ごめんなさい、また掛けちゃって、アクアウォッシュしますね」
「いや、いいよしなくて」

　彼はそういうと、脱いだ自分の寝巻きで汚れた腹を拭いた。

「まだ続くから」
「え？」

　私の身体はひっくり返された。彼は自分の物をまだ抜いていない、私と繋がったままだ。しかも、さっき出したばかりだというのに。
お尻を高く持ち上げられて、そのままがつがつと突き上げられる。この体位はかなりやばい……。
ピンポイントで私の良い所に擦こすれてしまっていた。

「そこぉ、そこっ！」
「ここでしょ？　さっきここでもイってた」
「んっ、そこでイった、気持ちいいっ、んんっああんっ」
「もう、君って子は……！」

　両手を後ろ手に持たれて、凶暴な獣が狂ったかのように突かれた。
目の前がちかちかと煌いた気がした。ぶわっと鳥肌が立つような快感が体中を巡って、お尻を上げているのもやっとだった。身体から力が抜けそうになるけど、両腕を後ろで引っ張られて持ちこたえてる。
この体勢ってそういうことかよっ！

「あああっ、だめっ、もうイクっ、イクからああああっ！」
「ふっ、ふっ、……もう？　もっと楽しもう？　我慢したほうがもっと凄い快楽が味わえる。我慢しましょう？」

　もっと凄い快楽？　これ以上に？　弄られてもいない亀頭からは、涎のように液が垂れて太ももにまで伝っていた。

「する……我慢しゅる……」
「いい子だ、ティス」

　そのまま腕を引っ張られてひたすら突き上げられた。我慢してもあまり持たなかった。達する時に後ろから抱きしめられて突かれた。

「もうだめ、もうだめ、……イかせてぇええっ！」
「ああ、よく頑張った、イっても良いですよ！」
「あんっ、あんっ、んんっ、気持ちいいぃ、いいっ、ほんとに気持ちいぃいっ！」
「そんなに締めたら……、ああっ、ダメだ、くっ！　射精でるっっ！」

　私はくたっと寝台にへたり込んだ。その上に彼が乗っかっている。重いけど、重みが気持ちいい。ほっとしたのもつかの間で、彼はすぐにむくっと起き上がって私の身体を仰向けにした。

「じゃあ、3回目はまた仰向けで」
「え？」

　当然さっきと同様、身体の一部は繋がったままだった。しかもまだ硬い。

「あんたのそこ、どうなってんだよっ!?　精力あり過ぎ！」
「褒めてます？」
「褒めてないってば！」
「……もしかして、気持ち良くなかったんでしょうか？」

　真面目な顔をして頭を傾げている。

「ちがっ、……気持ち良かったけど……、まだするの？」
「ティス、貴方が私を受け入れてくれて、凄く嬉しいんです。愛したくて堪らない。ずっと貴方の中にいて溶け合いたい」
「……もうっ！　分かったよ」

　私がそう言うと彼はそのまま私を抱きしめた。さっきとは違ってゆっくりと腰を動かす。そんな感じで、何と抜かずに5連発中に出された。
私は5回目で気絶した。あまりに良すぎて。
頬をぺちぺちと軽く叩かれて目が覚めた。
彼が私から自分の物を抜くと、すごい量の白濁の液がそこから流れて来て、びっくりした。

「うん、エロい」

　そこを見てそんな感想を言う。
アクアウォッシュして二人で寝台に横になると、私の唇にちゅっと軽くキスをすると微笑んだ。
その顔にドキっとする。

「凄く……気持ち良かった」

　私がそう言うと彼は目を瞬またたいた。

「まだ出来ますよ？」
「今日はもういいからっ！　あんた精力強すぎだよ！」
「素が出るくらい、私の事を愛してくれて嬉しいです」
「……愛してるなんて言ってない！」

　負けた感じがして悔しくて、心にも無い事を言ってしまった。
彼は目を細めて無表情に言った。

「さっきは『けっこんしゅるうううっ!!　エド大好きぃいい!!』って言ってくれたのに、あれは嘘ですか？　凄く嬉しかったのに」
「えっ、あっ!?　もうっ！　馬鹿っ！」

　私は布団を被った。
今それを言うか!?　恥ずかしくって顔から火が出そうになった。
まったく、この人は……。
でも、……あっちは凄かった。凄く良かった。