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43 頼れる存在※

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 9月の建国記念の一週間のお祭り休み中、僕は母上の所にいた。移動に往復で4日掛かるから、実質いたのは3日間程度だけど。
母上は寝てる間が一番病状が良かった。なのでメイキス先生は睡眠薬を使って眠らせる事が多いと言っていた。その睡眠薬は薬草を使った軽い物で危険物では無いと言ってたから安心した。

 起きていた母上も見たけれど、本当に辛そうだった。うつろな目をして、始終痛みに耐えているような顔をしていた。魔力が無くて身体も動かせないからおむつをしていた。そんな母上を直視するのは精神的に僕もきつかった。

 父上が亡くなった時も、お金が無くて生活に困った時もそうだ、僕がしっかりしなきゃと思った。僕には頼れる人がいない。……誰も。
いや、今はいるか……ただの愛人契約をしてるだけの相手だけど、嘘でも甘えて寄り掛かる事が出来る。

 僕は契約の日じゃないにも関わらず、侯爵様の所に行った。
慰めて欲しくて、甘えて安心したくて。

「どうしたんだ? 急に……」
「約束してる日以外に来ちゃってすいません。……抱いて欲しくて」
「……何かあったのか? 休みは母上の所に行って来たんだろう?」

 僕は侯爵様の胸の中に飛び込んだ。耐え切れず嗚咽を漏らした。

「ルイス……?」
「母上が……、母上が……あと半年しか持たないって……!! うううっ」
「田舎で療養してたのにか?」
「病状が酷くて、療養所に行っても病状が進行してたそうなんです……。ひっくっ、ううっ、ひっく」

 侯爵様は僕の頭を撫でて、ぎゅっと抱きしめてくれた。
それだけで安心出来た。
ただの愛人契約の相手だと、理屈を捏ねてるけど、僕は侯爵様の事をいつの間にか信頼していることに気付いた。
侯爵様は僕をお姫様抱っこして寝台に連れて行った。

「厭な事など忘れてしまえ。君は笑ってる顔の方が美しい」

 侯爵様の舌が僕の唇を割って入り込んできた。ぬるりと滑るように入り込むと歯の裏をぐるりと舐め回す様に動かし、舌先で僕の舌に絡みつく。情熱的に力強く吸われて腰ががくがくと震えた。

 焦るようにお互い服を脱いで裸になると、僕のそこはもう勃ち上がっていた。
侯爵様はそれを見てにやりと笑う。でも厭な感じはしない。侯爵様が喜んでくれてるからだ。僕の反応に。仰向けに寝ている僕の顔を跨いで、侯爵様は僕の物をしゃぶった。僕も侯爵様のブツをしゃぶる。

 大人の男のそれからは、雄が発する独特のいやらしい匂いがした。
根元から陰茎を舐め上げ舌先で尿道の入り口をぐりぐりと弄ぶ。ちゅぱちゅぱとわざと音を出して上下に吸いながら両手で扱くと、侯爵様が喘いだ。

「ううっ、……くっ、はぁああっ、良すぎる、ルイス……」
「フォルカーが気持ち良くなってくれて嬉しい」

 僕は思いっきり頬がへこむくらい、上下に顔を動かしながら吸い上げた。
口の中で亀頭の先をべろで可愛がるのも忘れていない。
じゅぷっ、じゃぷっ、じゅぷっ、じゃぷっ。
僕と侯爵様、お互いが肉棒を吸って可愛がる、いやらしい水音だけが寝室に響く。

「そんなにしたら……イッてしまう!」

 侯爵様は僕の責めに反応して自分で舐めた指を僕の穴に挿入した。

「あんっ、」

 途端に僕の口や手の動きが微妙になる。穴で感じてしまったからだ。

「だめ、でちゃう!」

 指と侯爵様の口で僕はもう限界だった。

「でちゃうってばああっ!!」

 侯爵様は何も言わず僕の陰茎をしゃぶっていた。
僕は侯爵様の口の中に射精した。それを普通にごくりと飲み込む侯爵様。
起き上がると、サイドテーブルの引き出しから潤滑ゼリーを取り出して、自分の物に塗りたくり、余った分は僕の穴の周りに塗りつけた。
穴周りがべとべとでぬるぬるする。すぐ挿れるために多めに塗ってくれたようだ。

「挿れるぞ」
「うん、来て、フォルカー」

 正常位で侯爵様に穴を突き上げられて、声が出た。

「ぁああんっ、んふっ、ひぃいっ、よすぎっ、きもちいっ……、なかで、フォルカーの、どくどくしてる……脈うってる」
「煽るな」
「煽る! もっと突いて! 僕が壊れちゃうくらい、もっと! もっと!」
「ルイス……泣いているのか?」
「……泣いてなんかない。……気持ちよすぎるだけ」

 侯爵様は僕の唇に優しいキスをした。
その後、何度も突き上げられ、快感が身体中を駆け巡って達した。
何度も何度もイカされて、僕の頭の中は朦朧として、穴の中には沢山の侯爵様の白濁の液が注ぎ込まれた。

「君は、私の事だけ考えていればいい、辛い事など忘れてしまえ!!」

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