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7 嵌められた夜※
しおりを挟む凄く眠くなって、食事中に意識が途切れた。
目覚めると僕は裸で、寝台の四つ柱に両手両足を縛り付けられ、大の字になって横たわっていた。
まだ朦朧としている視線を動かすと、寝台の脇には叔父がいた。
ズボンを脱いで下半身を露出させ、自分の陰茎を上下に擦っている。その頬は興奮で赤味が差していた。
そして寝台の脇の足元に立っていたのはフィンク侯爵様だった。
獲物でも見るかのような鋭い目つきで僕を見下ろす。その視線は、先程の人の良さげな人物とは全く違って見えて怖かった。
叔父が僕を視姦しながら呼吸を荒々しくさせ、自分のそれを擦っている。
「はぁ~、やっぱりルイスは綺麗だな、女だったらとっくに私が食っていたのに。その美しい白い肌……、なんて美味そうなんだ……。フィンク侯爵様、少しだけ私にも味合わせて貰えませんか?」
くそっ、叔父の言葉に胸糞悪くなった。きっと食事か酒に睡眠薬が入っていたんだろう、僕の体は意識は目覚めたものの、まだ朦朧としていた。
叔父の言う事を聞いて、のこのことこんな所まで来て、嵌められた。
酷い後悔の念が自分を取り巻く。
「お前は実の血を分けた甥をそういった対象に見られるのか? まるで獣だな」
「フィンク侯爵様は全ての愛に許容のある方だったのでは? たとえそれが肉親であっても……」
「愛には許容があるが、お前のはただの性欲だろうが」
フィンク侯爵様に蔑まれているにも関わらず、叔父の男根は勢い良く聳え立ったままで、それを擦り続けていた。
「お前の役目はこの子をここに連れてくるまでだった、なのに何故まだいる?」
「今昇り詰めております、射精るまでお待ち下さいっ!」
「ルイスは確かに美しいが……実の甥に劣情を抱くなど……お前という奴は……本当にどうしようもない奴だな」
叔父は極まって僕の近くに小走りして寄った。そして、僕の腹に自分の白濁の液をぶちまけた。
生温かい感触が僕の腹に散らばっていて、気持ちが悪くて仕方が無い。
僕の表情を見ていたフィンク侯爵様は、すぐに浄化の生活魔法を僕に掛けた。
『アクアウォッシュ!』
叔父はずり下げていたズボンを穿いて早々に寝室を出て行った。
僕は寝台に縛り付けられたまま、フィンク侯爵様と二人きりにさせられた。
「私に抱かれれば、君は得たい物が得られる。どうする? このまま何もせずに自宅に帰るか? そして、学校を退学し、食うことも出来ずに野垂れ死ぬか? 君の大切な弟も一緒に死なせる気か?」
「……」
「私と愛人契約をする気があるなら、『私を抱いて下さい』と君から言うんだ。まだ心が決まらないなら、少し考える時間をやろう」
フィンク侯爵様は寝台脇に立ったまま僕を見下ろしていた。
その視線は僕の体の中心を見ている。この大人の男に、僕が抱かれる? 自分も男なのに? 男同士で愛し合う男色家の話は聞いたことはある。偏見は無いつもりだ。でも、それが自分の事となると話は別だ。僕は男色家じゃない!
女ともまだ閨行為もしたことがないし、それ以前に精通だってしてない!
「……ぼ、僕が貴方の相手を出来るとは到底思えない」
「……どうしてだ?」
「僕はまだ精通もしてないし、女の人と致したこともない。もちろん男の人としたことも無いんです。プロの男娼の方が貴方の要求に応えられるはずでしょ? なんで僕なんか……」
「精通もまだだったのか……それは喜ばしい」
「えっ?」
「プロの男娼など、擦れいて抱いてもちっとも面白くない。若く清純だからこそ汚し甲斐があるんだ。ルイス、美しい君を……この手で汚したい」
「……貴方は狂ってる」
「否、それが君の答えなのか? ……ルイス?」
僕は目を瞑った。
そうだ、こんな風に瞳を閉じて遣り過せばいいんだ。
僕が我慢するだけで全てが上手く行く。
僕は深く息を吸ってから言った。
「フィンク侯爵様、僕を……抱いて下さい」
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